2018年10月10日水曜日

Under My Thumb

Rolling Stones [ M.Jagger/K.Richards ]

Stones1966年発表のポップな魅力がある曲だ。タイトルや歌詞の内容が少々エロいが、ここでは触れないことにする。
この時代のロック界(特にイギリス)は、アコースティック・ギター、エレキ・ギター、ピアノ、オルガンといった一般的な楽器から、少し変わった音を求める風潮があって、珍しい楽器がよく使用された。Beatlesではフルートや、「Yestarday」の弦楽四重奏は有名だが、Stonesも「Paint It Black」でのシタール等があった。ギターのエフェクトで歪んだ音を積極的に使用するようになったのもこの頃。
で、この曲の場合はマリンバだ。いわゆる木琴だが、木を叩いて音を出すものだが、ロック界ではあまり使用されない珍しい楽器だ。叩くのでアタック音が非常に強い(というかそれだけだが)が、残響音が少ないからか優しい音でもある。ちなみに演奏しているのはブライン・ジョーンズ。

そのマリンバがイントロから大活躍。コード・トーンに1音加えただけのシンプルなメロディで使用されているが、とても印象的だ。そしてロックらしく、裏拍から入って、3拍目、4拍目も裏を強調している。
これがライブ盤の『Got Live If You Want It!』になると、いきなり太いギターの音になるのでだいぶ印象が変わる。テンポも早いし演奏も粗いのでポップさは完全になくなっている。

もう一つ、この曲といえば、1969年に起きたオルタモントの悲劇の曲としても結構有名。この曲を演奏中にヘルズ・エンジェルスによ黒人殺害事件が起きた。

具体的に曲を見ていくと、印象的なイントロは「F#m」「E」「D」「D」の繰り返し。Aメロも同じ。
Bメロは「A」「A」「D」「B」の3コードで、すぐにまたAメロのコード進行に戻る。
何と曲の構成はこれですべてだ。Stonesらしい2つのパートしかない曲。静かになる間奏のギター・ソロもAメロと同じコード進行。低めの音で抑えたようなソロになっている。

この曲は同時期のバンド・The Whoにカヴァーされている。Stonesの3人がマリファナ所持で逮捕された時に、Stones救済のためにレコーディングされた。The Whoも激しいバンドだが、それはキース・ムーンの手数の多いドラムによる印象によるところが大きく、それ以外はBeatlesに近いようなコーラス・ハーモニーを聴かせているので、興味のある方は聴いてみると面白いかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿