2018年9月29日土曜日

Tell Me (You're Coming Back)

Rolling Stones [ M.Jagger/K.Richrds ]

Rolling Stones初のオリジナル曲。1stに収録されている曲で唯一のオリジナルだからだ。
アルバム・バージョンをフェイド・アウトにしたものや間奏等を編集して短くしてシングルにしたものがある。
初めての曲でも充分にカッコいい。意外にも穏やかに始まるが、途中で激しくなりまた穏やかになる、いわば静と動の対比のような曲だ。

まずイントロはコードは「A」一発で、3度の音がメロディになっている。伸ばしている音はリズム・オフで、適当に伸ばし、その合間にドラムが一発入る。超シンプルなのに、イントロとして充分カッコいい。
Aパートも「A」から始まるが、1小節の後半(厳密には3拍目裏から)は3度の音が開放になるため「Aadd9」の響きになる。「E」の時も同様で「Eadd9」になる。コード進行は「A」「A」「E」「E」と何回か繰り返し、「I know you find it hard」のところから「C#m」「D」「E」「A」「C#m」「D」「B7」「E」となり、サビは「A」「A」「F#m」「F#m」「D」「D」「E」「E」と進んで元に戻る。
この2パートしかない。ロックやポップスの曲はだいたいAパートとBパートとサビがあって、間奏の前か後にCパートがある場合が多いが、この曲はAパートとBパートのみ。Stonesの曲は結構このような2パートしかない曲がある。

それにしても演奏はかなり雑だ。下手だと言ってもいい。
サビのハーモニーもいい加減で、ハモリもハモっているのかどうかよく分からないようなレベル。キースにやる気がないのではなく、「ただ勢いでやったらこうなった」という感じだろう。同時期のライバル・Beatlesが完璧で重厚なハーモニーを聴かせているだけにもの凄い差だ。
間奏は、ギターソロというよりは、ただのアルペジオ。7フレット以上を使って、ちょっと違いを出しているが、ちゃんと弾けていない。音がツマっているのはそう弾きたかったのではなく、ただのミス・タッチだろう。
ただ、この雑さがまったくマイナス・ポイントにならないところが凄い。それどころか「凄み」さえ感じさせる。これはミックの歌の雰囲気によるのだろうか?

音で印象的なのは何といってもエレクトリック・ギターの音。サステインはほとんどなさそうな、ズ太い音だ。リバーブくらいしかかかっていないのではないかと思うが、たまに「A」から「C#m」に移る時などに5弦をスライドさせる音がとても目立っていてアクセントになっている。低音弦を中心に弾いていて、何も難しいことはしていないのにカッコいい。
イントロから鳴るのはアコースティック・ギターで、こちらはアコGらしく少しきらびやかな音で低音弦ではなく全体的に弾いている。

アコGとエレキのコンビネーションはBeatlesでもよく見られるパターンだが、Beatlesが軽快な感じでやるのに対し、Stonesはルーズでヘヴィだ。だからダークなイメージになるのだろう。
Stonesにも軽快な曲はあるので、それしか出来ない訳ではないだろうが、しかしBeatlesのようには出来ないだろう。真似にならないようにとわざとワイルドにしたというが、たんに出来ないというのも大きいのではないかと思う。
しかし、ルーズでワイルドで黒っぽいStonesの偉大な歴史の始まりである。個人的に大好きなのも正にここで、Beatlesには絶対にない魅力なのである。

2018年9月25日火曜日

Imagine

John Lennon [ John Lennon ]

超有名曲で、John Lennonの理想の世界を表わしたような曲。静かに切々と語りかけるようなPVも印象的。
「Happy Xmas」という曲の歌詞の中に「War is over, if you want it」というのがあった。「戦争を終わらせるには(武力や政治や宗教の思惑が絡んだ難しい話しではなく)、ただ、あなたが想うだけでいい。その「あなた」が世界中にいれば自然に戦争は終わる。(逆に言えばやりたいヤツがいるから戦争は起こるということだ)」というような意味で、「ただ想うだけでは何も変わらない」という反論があるだろうが、まず想うことが大切で、それが沢山の人に広がれば力(Power To The People)になるという考え。
これと同じく、「人の想い」のようなものを大事にした内容だと思う。この曲も「想像してごらん」と優しく呼びかけ、「しがらみや制限がない世界を想像しよう」と呼び掛ける。ただ想像するだけでは何もならないと思うかもしれないが、想像すら出来ないのでは話しにならない。まずは第一歩として重要なのだ。
ジョンは静かに語りかける。

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

こういうことを想像していると心が落ち着き、和らぎ、安らかになるようだ。
ジョンは決して強制しない。「神を信仰しないと地獄へ落ちるぞ」とも言わない。「あなたもいつか仲間になれれば」と願うだけ。

「想うだけ」「想像するだけ」「願うだけ」というと、まるで無力なもののようだが、それがすべてのスタートになる。「世界が一つに? 無理に決まってるじゃん」というのでは何も始まらない。「無理と思ってもいい。でも、ただ想像するだけなら出来るよね? やってみよう」ということなのだ。

曲はこれ以上ないくらいにシンプルだ。
最初は「C」と「F」だけ。一瞬「シ」の音を含めた「CM7」の音になるが、コードの流れをつけるための「シ」だろう。
「ラ シ♭ シ」が少し浮遊感を感じさせて、どことなく夢の世界にいるような気分にさせる。そう、そこは夢の世界かもしれないし、想像の世界なのだ。

次のパートも「F」からベースだけ下がっていくような音使いで、「F」「FonE」「FonD」「F」「G」「G7」となる。よくコピー譜なんかでは「FonE」を「Am」、「FonD」を「Dm7」にしてあるものを見かけるが、あくまでジョンは「F」から下がっていくだけのイメージで作っていると思う。

「You may say」のところからがキレイで、コード進行は「F」「G」「C」「E7」の繰り返し。ゆったりと、淡々としている中だと「E7」が劇的に聴こえる。

ベースもドラムも最低限という感じで極めてシンプル。それだけにピアノの存在感が大きい。
ピアノもシンプルすぎるくらいだが、こうなると弾き方の強弱まで真似したくなる。

実際の音だが、出だしの「C」の音は、中央の「ド」のオクターヴ下と2オクターブ下の「ド」を左手で抑え、そのすぐ右(高い音)の「ミ」と「ソ」を抑える。つまり、中央から高音側は何もない。意外に低い音だ。裏拍の「ド」は左手の親指だけ。小指の「ド」はずっと伸ばして、コードチェンジの時だけ鳴らす。ヘヴィすぎないように優しめで(聴こえないのはダメ)。そしてどの音もとても深いタッチで弾く。「ラ シ♭ シ」はちょっと軽めだ。
「F」になっても左手はずっと変わらず、右手がちょっとだけ変わる。ピアノをやっている
人はすぐ音を沢山重ねたがるが、この曲はシンプルさが肝。ピアノ・テクニシャンには退屈極まりない曲だろうが、ほとんど和の侘び寂びの世界のようにシンプルさを追求する。オブリガードもソロもいらない。

この曲は「天国がないのを想像してごらん」とか「宗教がないのを」という歌詞があるために、宗教者からは不評だ。宗教を否定するということは、共産主義者だとか、イギリスでは葬式では使用してはいけないとか、色々言われているが、そういうことではなく、本来、宗教というのはもっと自由であるべきもので、権威づけなくても、立派な教義がなくても、信じればそれは宗教だ。「キリスト教の教えでは」とか「仏教では」と考えるから小難しくなってしまうが、それは宗教が生まれてから時間が経ち過ぎて複雑化しすぎているからだと思う。
この曲で歌われているように「想像してごらん」ということ自体が実は宗教だ。ジョンは決して宗教を否定しているのではない。宗教にまつわるシガラミとか権威とか掟とか上下関係とか、そういう面倒くさいものを嫌っているだけで、本来の宗教心は自分の心の中だけにあるものだ。このあたりは小乗仏教の考えにも近いかもしれない。

「いつの日か世界から戦争がなくなり、一つになったら」と願うこと自体が宗教だ。しかし、「そう思うなら教会に寄付をしろ」とか「それならまず他宗教をつぶせ」とか「広宣流布して折伏だ」とか、そういう方向になるとまた違う方向に行ってしまう。
まずは自分自身が心穏やかにそういう世界を想像し、「そんな世界がいいな」と思うこと。「そのためには隣人を説得して」とか思わない。今月のノルマのためでもなければ自分の宗教的地位のためでもない。
ジョンは静かに穏やかに語りかけてくる。ただ、真に願っているのか、それが重要だ。理想についてよく考え、思い続けることが力になると言っているのだと思う。

2018年9月17日月曜日

Never End

安室奈美恵 [ T.Komuro ]

昨日で引退ということでニュースや新聞でも大きな話題を集めている。スポーツ選手と違って、歌手はわざわざ「引退」と宣言しなくても活動しなければ良いだけだし、宣言しなければ、またやりたくなったらやれるというメリットもある。それなのに「引退」と宣言するということは、宣言することそのものに意味があるのだろう。つまり公私を明確に分け、これからは1個人として生きるということだろうし、何より巨大化した「安室奈美恵」というスターはここでお終いということなのだろう。巨大なスターを演じるのはそれだけ大変だということなのだろうと理解する。

個人的にはファンというわけでもないので、世間が盛り上がっている時に便乗するもどうかと思うが、まあこんな場所で多少話題にしたところで巨大なスターのは何の影響もないので問題ないだろう。
ファンではないといいながらも知っている曲が沢山あるのは凄いことだ。普段から色々な曲を聴いているので、興味のない曲が入り込んで来る余地はあまりないのに「知っている」と言えるほどなので、個人的にも凄いことだと感じる。

さて、曲の話しだが、2000年夏の九州・沖縄サミットのイメージソングになった曲だ。
サミットの舞台が沖縄であることも相まって、沖縄感を意識したアレンジで、琉球三味線が登場したり、イントロ等の音階が琉球民謡でよく使われるいわゆる「沖縄スケール」になっていたり、バックコーラスを含め沖縄関連者が多数参加していたりと、まさに沖縄ずくしの様相だ。

曲そのものの展開やコード進行は特に沖縄っぽさはなく、あくまでアレンジで沖縄を出している。
コード進行を見ていくと、まずイントロから、「B♭M7/C」「FM7」「B♭M7/C」「FM7」「B♭M7/C」「FM7」「G」「Asus4/A」となる。
歌になっても同じ。「M7」がキレイだ。
「あなたとはずっと〜」の部分は「Gm7/B♭」「C/Dm/B♭」を繰り返し、サビに入る。
サビは、「Fm/D♭M7」「E♭/A♭」「E♭onG」の繰り返し。

間奏は「A♭/B♭」「C/F/B♭」「C/F/B」「C#/F#/B」「C#」「F#」とだんだん上がって行くので、次のサビから半音上がることになる。
更に後半にもう半音転調し、最初から見ると1音上がるアレンジだ。結構力が入っているのだろう、工夫が見れて面白い。

2018年9月14日金曜日

七つの海の地球儀

チェッカーズ [ Special Turuku/ 秋元康 ]

一応、チェッカーズとしたが、実際は Cute Beat Club Band 名義でのリリース曲。チェッカーズは Beatles の戦略を意識しているのでは?と以前に書いたが、これもまるで「Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band」みたいだと思わざるを得ない。別に文句を言っているのではないのだが・・・。

Cute Beat Club Band はメンバーも変名になっていて、作曲者の Special Turuku というのはもちろん鶴久政治のことで、他に、Hellow Fujii、Crazy Tohru、Elegant Moku、Route Yuji、Knight Yoshiya、Evally Fujii となっている。高杢がエレガントだったり結構笑える。ドラムのナイト(騎士)は何となくイメージに合うし、ベースのルート(経路)は意味不明だが、ルート音(Root)のことだとこれまた笑える。Evallyもよく分からないが、60年代のイギリスの兄弟デュオのEverly Brothersを思い出した。

で、特筆すべきは、この曲はロンドン録音で、現地のミュージシャンが多数参加したということ。Micky Moody をはじめ、Gary Moore や Wham!、キーボードの Tommy Eyre 等らしいが、曲を聴いても彼ららしさは分からない。
ギター・ソロはゲイリー・ムーアか、と思いたいが、まったくゲイリーっぽさが感じられないので違うだろう。ゲイリーは一体どういう形で参加したのだろうか?

ミッキー・ムーディがアレンジで、プレイもしているということなので意識して聴いてみると、チェッカーズにしては少しギターが目立っているかなと思うが、例えば歌の背景のアルペジオ・ギター(コーラスが強めにかかっている)にしてもとても日本的だ。ミッキーが好きなブルースっぽさやスライドが入っていると嬉しいが、まったくない。もしミッキーが弾いているならアコースティックのコード弾きの方かもしれない。
間奏はギター・ソロだ。チェッカーズの場合、たいていはサックス・ソロなので、ギターは珍しい。ブルージーな感じもあるので、ひょっとするとミッキーかもしれないが、ほとんど休みなくフレーズをつなげているあたりはミッキーっぽくないなと感じる。真相はどうなのだろう?

曲を見ていくと、まずAメロは「F」「C」「B♭」「B♭sus4」「F」「C」「B♭」「B♭sus4」「F/E♭」「F/E♭」つなぎの部分が「Am」「B♭」「C」「B♭」「Am」「B♭」「C」サビが「F」「Am」「Dm」「F」「B♭/B♭m」「F/C」「F」「Am」「Dm」「F」「B♭/B♭m」「F/E♭」「F/E♭」といった感じ。

あとで調べたwikipediaによると、フミヤ以外、演奏はすべて現地ミュージシャンだという。だとすると、ミッキーやゲイリーの音も混じっている可能性が高いが・・・。(どうしてもアルペジオが日本人的に聴こえてしまう)