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2018年10月2日火曜日

やってみよう

WANIMA [ Traditional/篠原誠 ]

auの三太郎シリーズで使用され、話題になったWANIMAの曲。ロック・アレンジのカバー・バージョンで、原曲はもちろん「ピクニック」。「丘を超え行こうよ 口笛吹きつつ」という小学校でも習ったアレだ。これを歌詞だけ新しくしてヘヴィなロック・アレンジにしている。

歌詞を見ると、ひたすらポジティブに、文字通り「やってみよう」とうながす内容だ。これだけ勢いのあるバンドに歌われると、嫌でも元気が出る。よく言われるような内容のオンパレードだが、啓発本を読んだ後のように、つい「そうだな、頑張ろうかな」という気にさせられる。

コード進行をチェックしておこう。イントロは「C・C#dim」「Dm」「F・G」で、ヴォーカルが入ってからは、「C」「F」「G・G#dim」「Am」「F・G」「C(ベースがC音・B音・A音・G音と下がる)」「Dm・G7」「C」となる。
次のパートは「G」「Am」「F(ベースがF音・E音・D音・C音と下がる)」「G」で、「やったことないことも」からは「C」「F」「G・G#dim」「Am」「C・C#dim」「Dm・F(ベースがファーミレ)」「F・G」「C」という感じ。
何度かあるベースが下がる箇所は、ベースだけでなくギターも合わせている。

繰り返しの際は「F」が「FM7」になっていたり、「C(ベースがC音・B音・A音・G音と下がる)」のところが「Em・Am」にと少しアレンジが変わるが、だいたい同じ繰り返しだ。

原曲の「ピクニック」は「C」と「F」と「G」の3コードだけで出来ている曲だと思うが、基本的には大きくは変えず、しかし「C」の時に代理コードの「Am」を使ったり、ベースを中心に下降ラインを弾いたり、半音階で上がったり(C音→C#音→D音のように)と、工夫を凝らしていて面白い。
ヘヴィメタルのようなキレの良い重低音サウンドなので、ベースのラインは非常に印象的だ。もう一つメタルっぽいのは、「初心者なんだから」の部分のように2拍3連でバチッと合わせた瞬間に休符となり、ヴォーカルのみ「なんだから」が残るようなアレンジだ。重低音サウンドでバチッと合わせるととても気持ち良い上に、直後に休符を際立たせる。古くは80年代のスラッシュ・メタル・バンドのMetallicaやAnthrax、PANTERA等が得意にしていたようなシンクロぶりだ。とてもカッコいい。

元気と勢いだけが取り柄のような雰囲気だが、その中でこういう風にバンドで合わせるのは、冷静さも併せ持たなければならず、意外に難しい。迫力あるドライヴ・サウンドでの休符もまた難しいもので、休符で雑音が入ってしまうことはよくある。そういう裏事情(?)をまったく感じさせず、ひたすら元気と勢いに任せる雰囲気を作っているのは、ひとえに実力があるという表われだ。

2018年8月24日金曜日

It's All Right

Red Warriours [ Red Warriours ]

名盤『King's』の最後を飾る、まさかのウクレレ・ナンバー。しかしこのバンドによく似合う。
グラマラスでゴージャスなロック・ナンバーがある反面、こういうチープで軽薄そうな曲がまた最高なのだ。
ライブでもステージにユカイがウクレレを抱え、ドラムはスネア1個にシンバルだけでブラシで演奏する姿はカッコいい。

「あれはまだ3年前の話しさ」で始まる歌詞も良い。本当に3年前の「真冬のボロアパートに俺たち初めて集まったのさ」ということだ。
たった3年のサクセス・ストーリー。まさにロックンロール・ドリームの体現だ。
「レンガ通りの坂の上にある柱が邪魔なあのクラブ」というのは渋谷のライブハウス・ Lamama のことだ。ステージのちょっと前に本当に邪魔な柱があるので有名だった。

最後は「まだまだ先は長そうだぜ」で「to be continued」的に終わるのだが、解散ライブの時だけは「これで本当にお終いだぜ」に変わっていて涙を誘ったものだ。

曲構成はシンプルで、ウクレレだけになったり、他の楽器と合わせたり、ギター・ソロになったりと色々だが、コード進行は次の通り。
「D/B7」「E7/A7」「D7/G7」「E7/A7」「D/F#7」「G/Gm」「D/B7」「E7/A7」を繰り返す。7thの連発はいかにもウクレレっぽくて良い。

軽いウクレレの音に対すると、アコースティック・ギターは音色が太くて伸びやかで重厚に聴こえる。また後半にカズーのソロ(?)があって楽しい。
あくまでアンプラグド(ベースを除く)にこだわった編成だ。

ちなみにイントロ前のカウントはドイツ語での「1,2,3,4(eins, zwei, drei, vier)」だ。

2018年5月12日土曜日

レモンティー

サンハウス [ 鮎川誠/柴山俊之 ]

実は大昔(1990年頃)に、シーナ&ロケッツ・ファンの女の子にこの『レモンティー』を聴かせてもらい、「まるっきり『Train Kept A Rollin'』のパクリじゃん」と馬鹿にした覚えがある。当時の私の理解はその程度だったのです。その女の子に謝罪したいです。ごめんなさい。

もうちょっとロックの歴史を知っていれば理解も変わってくる。
まずは『Train Kept A Rollin'』の複雑な背景については書いたが、簡単に言うと『Train Kept A Rollin'』自体がパクリだということ。パクリというと悪いイメージだが、普通のことだったということ。
なぜかというと、1960年代のロックはまだまだ市民権を得ていない時代、他のジャンルの曲をロック流に解釈・発展させて演奏するのは全く悪いことではなく、むしろ「カッコ良い」「いいセンス」というような事だった。
例えばアメリカの開拓時代のフォーク・ソングの『Red River Valley』をパクった Johnny & The Hurricanes の『Red River Rock』のような曲もあるし、クラシックの曲の一部を拝借することも日常茶飯事だ。Procol Harum の『A Whiter Shade of Pale』もバッハが元ネタだし、Cream の『Crossroad』だって Robert Johnson の『Cross Road Blues』だが、それをパクリという人いない。影響は明らかだが、元曲にはない魅力がプラスされている。

『Train Kept A Rollin'』の場合も、ブルース曲を組み合わせて作ったといったところで、そもそもオリジナルの Tiny Bradshaw Trio もジャズの Ella Mae Morse の『Cow Cow Boogie』をパクったという。

日本のロック黎明期においても同様で、『レモンティー』に限らず別の曲から拝借したものはいくらでもある。ロックの世界、文化、音楽を世に知らしめなければならなかった世代が分かりやすく日本語でロックを歌う。そこで原曲をそのまま訳し、カヴァーとして紹介した東京ビートルズのようなやり方ではなく、センスや雰囲気を見せる方がよほどダイレクトに伝わるというものだ。事実、これによりロックへの世界の扉が開いた人は数多い。レコード化する際の表記は「歌詞はオリジナル、曲は複雑な事情があります」とすれば良かったのだろうか。何しろ Yardbirds のオリジナルとも Tiny Bradshaw Trio のオリジナルともいえず、強いていうなら Johnny Burnette が元ネタかとなるが、それなら大々的に広めた Jeff Beck こそが?となる。だったら日本においては鮎川誠となるだろう。ロックが浸透している現代の B'z が洋楽をパクるのとは訳が違うのだ。

Jeff Beck がリフを強調して『Train Kept A Rollin'』を紹介したように、サンハウスの『レモンティー』もリフが強力だ。
Yardbirds よりももっと強力で直線的に前に出ている。彼の頭の中では「こうすればもっとカッコ良い」というのが聴こえてきたのだろう。

ところで、歌詞は柴山のオリジナルだが、これも元ネタがある。レモンといえばピンと来るのが Led Zeppelin の「Lemon Song」だ。実際、歌詞を見れば明らかにこの曲を意識しているのが分かる。
しかしこの曲は Howlin' Wolf の「Killing Floor」(1964年)が元といわれ、更に この曲はRobert Johnson の「Travelling Riverside Blues」(1937年)が、そしてArthur McKay & Roosevelt Sykesの「She Squeezed Me Lemon」(1937年)まで遡れるという(このあたりはネットで調べた)。
レモン一つでデルタ・ブルースまでつながる!

2018年5月10日木曜日

Boys & Girls

ARB [ 石橋凌 ]

これまでARBの曲を3曲取り上げて来たが、モロに代表曲というのはなかったが、これは正真正銘の代表曲だ。ノリの良いロックナンバーで、ARBが良質のロックバンドだったことを証明しているようだ。

この曲、作りは非常にシンプルだ。基本的にキーが「E」の3コードの曲で、それ以外は少ししか出て来ない。それなのにこれだけ格好良いのはノリの良い演奏とアレンジにある。ドラムも素晴らしいが、特にベースは良く考えられていて面白い。順に見ていこう。

印象的なイントロのギター・リフも「E」を「B」と「A」で出来ている。ほんの少し工夫してあるようだが、リズムに乗せて弾けば単にコードでもソレっぽくなる。
Aパートも同じ。リズムへの乗せ方と休符が肝かなと思う。ボーカルの迫力もなかなか。

続くBパート、「塀を飛び越えてみた」の部分。ここはベースが目立っていて、3弦(A弦)と4弦(E弦)の開放弦の音を挟んでスケールを上昇していくだけだが、とても印象深くオイシイ。
これに続いて、「今、音を立てて~」の部分から1、5、3度のリフのユニゾンでこれまた印象的だ。コードは「C#m」の後の「A」「B」「A」「B」の部分。
間奏のベースも凄く格好良い。派手なソロがなくても格好良さを出せるお手本のようだ。また2度目の間奏、というかブレイク後の合わせるところも格好良い。ノリに任せてガンガン行きながら、合わせるところはキチッと合わせる。
エンディングはだんだんテンポが上がって来る作戦で、嫌でも盛り上がるし、最後の最後は古くからあるようなギターのシメをゆったりとキメるという、全編最高級のアレンジだ。

2018年2月16日金曜日

あの娘はアトミック・ガール

ARB [ 岡部滋 ]

ARBの1985年のアルバム『砂丘1945年』収録曲。このアルバムでのARBのメインソングライターは斉藤光浩だが、この曲はベースの岡部滋の曲だ。

結構シンプルな曲だが、なぜか好きな曲だ。もともと気に入っていたが、特に好きになったキッカケは岡部滋がARBを脱退するラストツアーで演奏されたこと。1987年10月13日のライブを見たのだが、アンコールで岡部が登場し、自身の曲であるこの曲を演奏した。白浜のギターはフランジャーがずっと鳴っているような音でいまいちだったが、岡部の唸るベースはいつも以上にアグレッシヴで、アルバムにないフレーズがカッコ良く、大いにシビレたものだ。

曲はイントロが「G」「D」「Em」「C」の組み合わせで作られているリフ。
歌が入ってからは、「G」「DonF#」「Em」「D」「C」「Bm」「Am」「D」というベースが下降するパターン。この下降パターンは名曲には数多く出て来るパターンで、おいしいコード進行といえる。

次の部分が「C」「G」「B(7)」「Em」「C」「G」「B(7)」「Em」「C」「C」「D」「D」となる。この終わりの4小節を、ライブでの岡部はコードトーン+1音(「C」の場合は「ドミファソファミドミ/ファミドミファミドミ」と8分で弾いていた)でグイグイ弾いていた。最高にカッコ良かった。
サビの部分もベースが素晴らしく、恐らくベースで作ったなと思わせるもので、「Em」「C」「D」のコンビネーションで作られているパターン。
ギターソロのパートもバッキングの方がカッコ良い感じで岡部の味が出ている。

この曲のテーマはたんなるラブ・ソングかと思いきや、全然違う。「アトミック」がヒントになっているが、原爆の歌だ。爆弾を「あの娘」と女性に見立てている。原爆と思って聴くとラブ・ソングと思うよりも意味がよく通じる。さすが石橋凌だ。エンディングでギターがだんだん狂っていくあたりもソレっぽいし、その後ろで石橋は1回だけだが、ズバリ「アトミック・ボム!」と歌っている。

2018年1月28日日曜日

ユー・メイ・ドリーム

SHEENA & THE ROKKETS [ 鮎川誠, 細野晴臣/柴山俊之, Chris Mosdell ]

SHEENA & THE ROKKETS の代表曲。バンドの存在は大昔から知っていたのだが、「日本のバンド」「メインは女」というだけで気嫌いして聴いておらず、知らなかった。「どうせ軟弱なロックもどきバンドだろう」とタカをくくっていた。
それがYouTubeで何かの番組のものでギタリストを紹介しているものを見て鮎川誠を見た。テレビで見かけたことはあったが、まともに音楽を聴いたのは初めてだった。
「凄い!」が最初の感想。日本にこんなロックな人がいたのか。それまで日本最強のギタリストはチャーだと思っていたが、1曲聴いただけでそれに匹敵する存在だと分かった。まさに衝撃。その後、ROKKETS を聴いてその格好良さに再び衝撃。更には、この代表曲『ユー・メイ・ドリーム』でまたまた衝撃。ロックっぽいROKKETSにポップの要素もあるとは! 短期間で衝撃の連続。
昔、私の周囲で「ROKKETS は最高だよ」と教えてくれたのにバカにした扱いをしてしまった多くの皆さん、本当にすみませんでした。私が間違っていました。知らないだけなのに知ったかをすると恥かきますね。

この曲は代表的な ROKKETS の曲とは違い、細野晴臣が YMO っぽさを導入していることで有名で、何と ROKKETS の曲なのにギターがない!
鮎川誠はこの曲をリリースするのに葛藤があったというが、しかし曲調もアレンジや編成も「曲が良けりゃ、そんなのどうでもいい」と言えるところがロックだ。

で、ライブになれば、当然ギターとベースでの演奏になる。ここが聴き所。キーボードだらけの曲を編成を変え、当然アレンジも変えて演奏すれば、普通は原曲の良さは丸っきり壊れてしまい、別の曲のようになってしまうことがほとんどだ。
ところがROKKETSの場合、不思議なことに原曲の良さを損ねずに、更にパワーアップしているではないか! このパワーアップした部分が最高にカッコいい。おそるべし ROKKETS。
具体的に言うと、ライブでのギターアレンジが良いのだ。特にエンディングの方の高い音を使ったフレーズが嫌でも盛り上げるし、勢い、ヘヴィさとも最高だ。これだけで「鮎川天才!」と言いたい。
別に複雑なプレイをしているわけではない。というより、たった1音で認めさせるような、周囲を唸らせるようなプレイには、どんなに音数が多く複雑なプレイも敵わないという典型のようなプレイだ。鮎川は当たり前にように弾いているが、このプレイ、この音、このタイミングを探すのがどれだけ凄いことか。出来たものを聴かされれば「こんなの俺だって弾けるよ」と思うだろうが、何もない真っ白な状態で考えるのとでは天地の差がある。ましてや、原曲はギター・レスでポップな魅力を振りまいた曲なのだ。そういう曲にワイルドなギター・プレイを持ち込むというのは難しいものだ。
もちろん、シーナさんや他のパートの貢献もあるし、曲そのものの魅力が高いからこそであることは言うまでもないが。

「A」「F#m」「D」「Bm7」「E」というシンプルな構成で進むが、一気に爆発するようなサビ(「F」「G」「A」で畳み掛ける)が格好良い。この押せ押せ感がなかったらくだらないアイドル・ソングになりそうなのを、アイドルを一瞬で蹴散らすような凄まじさだ。サビで2ビートになるドラム・アレンジやライブでブイブイ唸るベースも心地よい。

最後にシーナさん。2015年に亡くなってしまった。石橋凌のライブCDで知ったのだが、是非生きている時に生歌を聴いてみたかった。昔、一緒にバンドをやっていたヴォーカルの女性が「最高に格好良い人で、憧れであり目標だ」と言っていた。格好良さだけでなく、凄みを感じさせるし、同時にセンスもあり、時折見せる可愛らしさもチャーミングだ。今更だけど、謹んでご冥福をお祈りいたします。

2008年1月5日土曜日

春 ~spring~

Hysteric Blue [ たくや ]

あれから9年。もうすぐ10年なんだなぁ。特にこのバンドのファンというわけではないし、曲もこの曲しか知らない。確か事件を起こして解散になったはず。
1999年の春先によくかかっていて、嫌でも耳にした。当時、音楽をほとんど聴けない時期だったせいか、かえって強烈に耳に残ってしまい、この曲を聴くと1999年の春を思い出す。
当時の心境に戻れるから、しっかりiPodにも入っている。音楽ってすごい。どんな説明をされるよりも、曲を聴くだけで一瞬で当時に戻ってしまう。感覚的なものや空気感まで戻ってしまうから怖いくらだ。

私は普段はそれほど歌詞は聴いていないのだが、この曲の場合どうしても聴こえてきてしまう。
せつない歌詞だ。春は別れの季節。卒業のシーズンだが、社会人になって卒業と関係ない立場になっても、なぜか春は出会いと別れが多いように思う。

「けぶる木漏れ日浴びふと気付く、春風の奥思い出す」というあたり。最後の方の「今年もあの季節が来る」という感じ。思い出したいと思っていなくても、ふとした時に春という季節を感じる。その瞬間、「春が来るたびあなたに逢える」という感覚を覚える。

さて、コードを見てみよう。出だしのところ「F」 「C」 「Dm9」となるが、「Dm9」というか「Dm」に「ミ」の音をぶつけている感じ。刺激があって良い響き。この後、「C」を挟んで「B♭」 「Dm7」 「Gm7」 「C」と続く。2回目の後半は「Dm7」に行かずに「Am7」 「Dm」と行く。「Am7」のところでギターがジャーンと入って来るわけだ。
ここまではコードチェンジが激しいのに、この後の「それでも、あぁ」の部分から急に変わるところが良い。「B♭」 「B♭」 「Am7」 「Am7」 「Dm」 「Dm」となる。
この部分が終わるとまた通常のコードチェンジに戻る。「B♭」 「C」 「A7」 「Dm」 「B♭」とつないでサビに行く。
サビは「F」 「C」 「Dm」 「Dm」 「Gm7」 「Am7」 「B♭」 「C」となる。簡単なコードなのに素晴らしい!

ただ、アレンジ的にはあまりに好きでない。「それでも、あぁ」のような休符はまったく好きでないし、終わりの方の「こういう夢なら」の部分で1拍タメを作るところがあるが、どれも子供騙しに思えてしまい、つまらない。ライブで演奏すればそれなりに楽しい部分になるのは分かるのだが・・・。

2007年7月15日日曜日

(It's Just a)Smile

レベッカ [ 土橋安騎夫/NOKKO/Tommy Mandel ]

他の曲(何て曲だっけ?)の英語バージョン。日本語の方も好きだったが、英語バージョンの方が倍は好き。歌詞というか単語にムードがあるんだよね・・・。
特に、個人的に「Moon」という単語に魅力を感じているから、「Like your 'lashes in the moonlight...」というだけで、何かドキッとする。あくまで個人的な感覚の話しだが。

ところでこの曲、何となくRonettesの『Be My Baby』に似ている。サビの裏で「Be my, be my baby」と繰り返しハーモニーを入れるのと、この曲の「It's just a smile」と入れるのが似ているからだ。『Be My Baby』の方もそこが好きなのだが、ロマンチックさはこちらの方が上に思う。

その『Be My Baby』っぽい雰囲気の中でMadonnaっぽいヴォーカルのNokkoが歌う。いや、80年代はこういうヴォーカルが流行りだったのかもしれない。Cyndi Lauper等も似ている。それはともかく、日本版『Be My Baby』として海外でもヒットしそうなものだが・・・。

曲の構成自体はかなりシンプル。ヴォーカルに合わせてキーを操作したであろうことくらいか。
一応、サビのコードを書いておくと、「C#」 「A#m」 「F#」 「G#」といった感じ。
イントロの2つめのメロディのベースのオン・コードが綺麗だ。

2005年9月10日土曜日

欲望のドア

Red Warriors [ T.Kogure/D.Yukai ]

ずっと昔好きだったバンドだが、久しぶりに聴いた。この曲は特別好きだったというほどでもないのだが、改めて聴くと最高にカッコいい。

普段、曲を聴く時は曲:歌詞が9:1くらいの割合で聴いているので、この曲も何を歌っているのかまったく知らなかったが、歌詞が素晴らしいことに気がついた。
「素晴らしい」と言っても、崇高な内容というのでも、雄弁な詩人のようなものでもない。これはロックだ。「ロックの歌詞とはこうあるべき」という雰囲気を持っている。下品で生意気でバカっぽくて、でもよく聞くと結構奥が深そうで知的にも感じて来る。しかもグラマラスだ。演奏も含め、こういう雰囲気を感じさせる曲こそロックのカッコ良さだと思っている。

「平和の奴隷たちよ」「俺に魂の賄賂をあけ渡せば何でも出来るようにしてやる」ということだが、要するに普段の生活のしがらみを忘れ、ストレスを発散させてロックしよう、ということだと思う。
ロックに浸れば無限のイマジネーションが得られて空も飛べるし、悪魔的だとか背教者だと言われても構わないという気分になる。そういえばRed Warriorsの曲はそういうノリの曲が多い。

曲はかなりポップだ。特に「Let's go to the Sky」の部分などはポップスそのものだ。だが、Yukaiが見事に下品に歌ってくれる。しかも間髪入れずディレイのようなコーラスワークで更に2回繰り替えし品のなさを強調する。このボーカルだけでロックになるのだ。素晴らしい!

音楽的な部分にも触れておこう。コード進行はかなりシンプルだ。まずは「A」 「A7」 「D」 「Dm」だ。「D」から「Dm」にいくところは少しポイントだが、珍しいというほどではない。

サビの部分は「A」 「AonG#」 「AonG」 「D」 「F」 「A」 「B7」 「E7」となる。最初の4つは「A」からベース音だけ半音ずつ下降するポップスで多様されるパターン。当然のように下がるベースに対しメロディは上がっていく。しかも歌詞まで「Let's go to the Sky」だ。
ポイントは「F」のところで、それまではAメジャー・スケール上のメロディだから「F#音」が含まれるが、ここではコードトーンの「F音」が使用される。少しだけ転調したような雰囲気になる。更にその後の「B7」の場所でもコードトーンの「E♭音」が使用される。「A」の時は「E音」だし、この後の「E7」でも当然「E音」で終わる。半音違いのマジックだ。

「さすがプロ!」と思うわせるのはこの後の「平和の奴隷たちよ」の部分だ。なぜか少しだけマイナー調になった雰囲気がある。 4拍全部がアクセントになっている部分だが、コード的には「F」 「G」 「A」と平凡な並びだ。このコードに乗っているメロディもシンプルで、1拍毎に「(ミ)ファミレド」「シラシシ」「ド#」だ。分析すれば、すべてコードに合わせ、Fメジャースケール、Gメジャースケール、Aメジャースケール上の音だ。しかし最初の2小節はCメジャースケールと同じでもある。2つのスケールから音を上手にチョイスしCメジャースケールにしている。
そしてCメジャースケールはAmスケールと同一だ。つまり、曲のキーが「A」なのに、ここだけはAmスケールが登場することになるのだ。だからメジャーコードしか出て来ないのにマイナー調になった気がするのだ。「F」と「G」を「C」に対するサブドミナント、ドミナントと考えるべきかもしれないが、いずれにしろミソはコード「F」でキーが「C」になったようなパートだ。
つまらなくなりそうなパートを最高のパートに変えてしまう。16でスネアを入れるドラムも含めて素晴らしいパートだ。

2005年8月29日月曜日

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

サンボマスター [ 山口隆 ]

素晴らしい!一発でお気に入り!聴いた瞬間に「最高!」というのは本当に久しぶりだ。カッコ良すぎる!1回聴いて好きになり、10回聴いても100回聴いても飽きない。

きっかけはモチロン『電車男』。2ちゃんねるも利用しないし、本や映画も興味がなかったが、たまたまあいた時間にTVのチャンネルを回していたら綺麗な女性(伊東美咲)が出ていたので偶然みたのが初体験。「エルメスたん」と言っていたし、モロオタッキー系の情けない男(伊藤淳史)が出ていたからこれが「電車男か~」とすぐに分かった。
オタクを略称「ヲタ」と言うんだとか、4歳の息子が気に入って見ている『ケロロ軍曹』が出て来て、ヲタに評価されているのが分かったりでストーリー以外が面白い。ケロロ自体がヲタッキーだなと思っていたが、その他、阪神ファンがいたり、マチルダさんが出て来たり、「ああ、ヲタとはこういう世界か」と半分くらいは分かったつもり。最近は秋葉原(学生時代からアキバと呼んでいたのでアキバ系というと電気屋系かと思ってしまうが)が聖地になっているんだとか・・・。 くだらないと思いつつも見ているとエンデイングのテーマ曲がこの曲だった!(ちなみにオープニングは ELO の「Twilight」これも良い!)

演奏はサンボマスター。かなり個性的な太ったボーカル&ギター。見た目がカッコいいバンドは多いがどれも似ていて覚えられない。しかしこれならバッチリだ! ブレインもこのボーカル&ギターらしいが、彼も音楽ヲタっぽいな。でも天才肌だ。素晴らしい!
サンボというと、エンリヤエンコ・ヒョードルを思い出す。ヒョードルはPride王者で、確かサンボ出身だったと思う。ロシアの柔術の名前だ。バンドと何の関係があるのかは分からないし関係ないかもしれない。

何が気に入ったかって、全て気に入った。まず最初に耳に入るのはリズム。16ノリのカッティングが最高にカッコいい。ドラム最高! ポップス系の曲はあまりにも単純すぎるリズムが延々と続き、それだけで飽きてしまうのだが、こういうリズムを使うだけで「本物のミュージシャンだな」と思ってしまう。ポップスではなくロックなバンドであることがすぐに分かる。ギターやドラムのリズムだけでもう最高!

続いてコード進行。最初は「A」だが、次のコードで「ん?」と気になる。すぐにどんなコードか想像が出来なかったのは久しぶり。こういう知的好奇心をくすぐる部分は重要だ。すべて分かってしまってはつまらない。楽器を持って来て調べてみる。テレビの音だけで判断しているせいか、いま一つ分からないが「D#dim」か「D#9」だろうと思う。 カッコいいリズムに乗ってバカ騒ぎ、それでいて知的なコード進行。最高のコンビネーションだ!
コード進行は、「A」「D#dim」「DM7」「Bm7」「Bm7onE」と来て、「A」「D#dim」 「DM7」「Bm7」「C#m7」「Bm7」「D」 「A」となる。 「DM7」のところはベース音が「C#」で、他の音がいまいち聞き取れない。 ブリッジが、「Bm7」「C#m7」「D」「A」で2回目の最後が「E7」に。 サビは、「A」「D#dim」「DM7/D#m7(-5)」「C#m7」「Bm7」「Bm7onE」と来て、「A」「D#dim」「DM7/D#m7(-5)」「C#m7」「Bm7」「C#m7」「DM7」「E7」「A」となる。「D」「D#」「C#」あたりの半音のところが天才的。
ベースが印象的で、そのベース・ラインを聴き取った上で適当なコードを考えただけだから間違っているかもしれない。近いうちにCDを買ってみようかなと考えている。

エンディングの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜぇぇ」という叫びで『ケロロ軍曹』の曲との共通点を感じた。「頭からっぽでも・・・」というアレ。

2003年12月17日水曜日

宝くじ

ARB [ Emma ]

連続でARBの登場だ。この曲は昨日の「淋しい街から」と同じく1stに入っている。1stは数日前にゲットしたため、初めて聴く曲も半分はあったのだが、この曲も初めて聴いた曲の一つだ。

初めて聴いた感想は、「お笑い系の曲。でも演奏はカッコいい!」という感じ。実際、歌詞は笑える。これは笑いつつ風刺になっているのだろう。当然、狙って書かれているはずだ。
ロックもギャンブルのようだが、簡単に成功はしない。「ギャンブルに生きている人はどんどんやってみな」という逆説的な批判なのだろうと思う。

この曲は、この1st限りで脱退するキーボードのEnmaによるものだ。当然、ARBの歴史の中でも珍しいタイプの曲調になっている。この曲以外にもう1曲彼の曲があるのだが、やはり他の曲とは少し雰囲気が違う。しかし最も毛色が違うように感じるのは、やはりこの「宝くじ」だろう。もちろん演奏メンバーは同じなので、ARBらしい部分もあるのだが、雰囲気は明らかに他とが異質だ。

最も他との違いを醸し出しているのはボーカルだろう。オクターヴで歌われていて、下は石橋凌だと思うが、上のパートは誰だろう?「賭けてごらんよ~」の叫びも誰だろうか。ARBでコーラスをとるのは田中一郎だし、実際、彼っぽい声に聞こえる。ひょっとしてEnma本人か。

演奏は、2ビートのリズムにマイナー全開の音使いのアヤシイ雰囲気のギターが印象的だ。このギターも左右でオクターヴになっている。ピアノだけになる部分も印象的で、ギターのリフとの対比になっていて曲に惹きつけられる。が、歌詞が笑えるというのが不思議な感覚だ。
サビの部分は突然メジャー・キーになっていて、「おやっ?」と思わせるが、それ以上に歌詞を聴いてしまう。

しかし、こうしてリリースから四半世紀近くたった今になって改めて1stを聴いてみると、かなりバラエティに富んでいるのが分かる。凌の曲はすでにこの後のARBワールドそのままだが、ここに田中一郎の曲が加わり、そして異色のEnmaがいれば結構面白かったかもしれないと今さらながら思った。(個人的にはARBと言えば、凌、一郎、キースで決まりだったから余計に)

2003年12月16日火曜日

淋しい街から

ARB [ 石橋凌 ]

あまり有名でないが、ARBは1980年代の日本のバンドだ。パンクの影響を受けた骨太ロックで、強烈な社会批判の歌詞が多いのも特長だ。
私が中学から高校の頃に結構聴いていたのだが、その頃はすでに全盛期を過ぎていた頃だ。いつ頃を全盛期と呼ぶかは解釈によってかなり違って来そうだが、私は初代ギタリストの田中一郎が在籍していた頃の末期頃ではないかと思っている。次の斉藤光浩もお気に入りのギタリストだった。
売れたという意味では3代目の白浜久の時代がピークかもしれないが、個人的にはダントツで田中一郎時代が一番だ。

さて、この曲は1978年のデビューアルバムに入っている曲で、もう15年くらい聴いていなかった曲なのだが、ずっと頭の中に残っていたものだ。それを最近、ようやくCDをゲットすることが出来て久しぶりに聴けたというわけだ。

ARBは強烈な曲が多いのだが、最もよく聴いていた中学・高校時代から随分経った今、よく思い出すのはなぜかしっとりした曲が多い。不思議なものだ。そしてそのしっとり系の曲がまた素晴らしいものが多い。

曲はレゲエのようなリズムだが、なかなか感動的な美しい曲だ。まず出だしのツインギターが好きだ。シンプルなフレーズだが、上昇フレーズのあたりなど何度も聴きたくなってしまう。

石橋凌が、故郷の久留米の街を思って書かれた曲だそうだ。久留米には行ったことがないので「灰色に痩せた街」なのかどうかは分からないが、それは久留米が悪い街という意味ではなく、若き凌には小さすぎる街だったということだろう。

ちなみにこの曲、ずっと後の1990年代に入ると、ライブで凌一人によるアコースティックの弾き語りで演奏されることも多い。ツインギターのメロディが消えてしまったのは寂しいが、これがまた美しさを強調するかのような素晴らしい出来で、アコースティックギターがとても綺麗だ。

オリジナルではシンプルに「G」「A」「Bm」「Bm」というパターンで、「Em」「A」「DM7」「F#monC#」「Bm」「G」「A」「Bm」という感じ。

アコGバージョンではもっと工夫したコードで弾いていた。

2003年10月11日土曜日

Cotton Time

レベッカ [ 土橋安騎夫/NOKKO ]

レベッカ第3弾だ。夏の夕暮れのような雰囲気のムードのある曲。たんたんとしているところに美しさがある。「Cotton Time」とは、歌詞にもあるように「優しい時間」ということだろう。大好きな曲なので久しぶりにCDに合わせてギターを弾いてみたが、私のようなヘヴィ・サウンドではまるで雰囲気が出ない。軽やかで哀愁を漂わせながら弾かなければいけない。私には無理だ。

そのギターだが、かなりアレンジされていて、自由度は低いものの完成度は最高だ。とても面白い。
イントロは低い開放弦の「E音」を基に5弦を下っていくシンプルなものだが、その後の「Esus4」のジャーンとやるところが気持ち良い。

ボーカルが出て来てからはレゲエのように裏拍を強調したコード弾きだが、これは恐らくキーボードだろう。自己主張をせずにたんたんと弾いている。コードは「E」と「Bm7」だが、次の展開のところがなかなか。「A」 「A7」 「F#m」 「B」という感じ。

最高なのはこの次のサビのところだ。5弦で開放+メロデイになっていて、これはイントロと似たアプローチだ。しかしイントロは4音を下降するだけの繰り返しだったのに対し、こちらはメロディになっている。半音チョーキングが出て来たり、4弦で小さなプリングが出て来たり、とにかくムードがある。正確なリズムでたんたんと弾きつつ、チョーキングやプリングのところは粘っこく弾くと雰囲気が出る。ヘヴィ派の人ならピッキングハーモニクスを絡ませたくなるところ。

ソロはかなりシンプルだがその直前のギター、ベース、キーボードの合わせるプレイがプログレチック。バチッと決めないとカッコ悪くなってしまう。キーボードはピアノの音だ。

曲全体がかなり計算されて厳密なアレンジが施こされているが、それを感じさせないようにサラッと聴かせるところがさすがだ。

2003年10月10日金曜日

Hot Spice

レベッカ [ 土橋安騎夫/宮原芽映 ]

前回の「光と影の誘惑」以来、すっかりレベッカづいてしまった。あれから「光と影の誘惑」を中心に『REBECCA IV』を久しぶりに聴き直してみたのだが、いい曲は多いしとても新鮮に感じる。

で、今回取り上げるのはオープニングナンバーの『Hot Spice』という曲。実はこのアルバムを買った高校生の頃はこの曲だけは唯一好きになれない曲だった。
ところが今回、10年以上ぶりに聴いてみたところ・・・、これがハマる!カッコいい曲だ!

イントロ。まさにHot Spiceという感じの切れ味鋭いギターが最高。思わずJames Brownを思い出す。入れ替わりに登場するビッグなサウンド&グルーヴのドラムも最高。
レベッカの曲はどれもそうだが、ドラムがビッグなサウンドだ。比較的シンプルなパターンが多いが、それを単調にならずに最高のグルーヴを叩き出すのだから最高だ。

イントロのギターのコードは「Am11」だろうか。ちょっと違うかもしれない。表記的には「11th」の音があるのだから当然基本は「Am7」なのだろうが、「7th」の音は聴こえない(もちろんキーボード等、他の楽器には出て来る)。ストラト系のギターの乾いた音が最高だ。

ドラムと同時に出て来るキーボードはMIDIだろうか?かなり機械的な感じだが、それが生々しいギターやドラムと対照的でカッコいい。

ボーカルが登場するところからのコードもざっととってみた。「F」 「Dm」 「Em」 「Am」と来て、繰り返しの最後は「Am」でなく「A」。3回目の最後は「E7#9」、いわゆる「ジミヘン・コード」だ。こういうリズミックな曲にはつい使いたくなる。

さて、ソロだが、ギターソロだとばかり思っていたが、よく聴くとキーボードのようだ。 5度音程を下につけ(つまり4度のハモり)たハーモナイザーによるもので、YESの『Owner Of A Lonely Heart』を思い出した。ギターリフとドラムが主体になっていることや、曲の途中にオケヒットが出て来るあたりもこの曲がヒントになっているなと思うところだが、キーボードソロとは・・・。ところどころハモりの音程差が変化したりしているので、ハーモナイザーではないようだ。おそらくサンプリングだろう。

2003年10月6日月曜日

光と影の誘惑

レベッカ [ 高橋教之 ]

出世作『REBECCA IV』というアルバムのA面最後に入っているインストの曲。レベッカと言えばNOKKOのボーカルだろうが、珍しくインストなのである。これが素晴らしい佳曲なのだ。バンドとしてのレベッカが見えるようで嬉しい。

まずピアノから入る。なかなかおいしいフレーズで、これだけでもコピーしたくなる。高音からキラキラと一気に下っていく。別に難しくもないので、少しでもピアノに興味のある人はコピーしてみると良いかも。ヒントとしてコードは「G」と「Cm」、1音目だけ和音で高い「D音」とその上の「A音」。

ピアノの後からが本編。ベースのハーモニクスでつないだ後、バンドの演奏に入る。リバーヴのたっぷりかかったリムショットを使ったドラムとヒューマンヴォイス系のシンセの音でムードを高めておいて、メロディを弾くのは何とベース。フレットレスベースのようだ。次にどういう展開になるのだろうとワクワクして待つことになる。

続いて登場はギター。ゆったりとしたメロディ。ビブラート等で自分の色を出しやすいパート。比較的あっさりと弾いているが、音が消える寸前までジックリと聴きたい。
コード的には「Bm」 「B♭6」 「Am7」という感じだろうか。

更に今度はキーボードの出番だ。このパートだけは8ビートとなる。コードは「C」 「Em7」 「G」 「D」という感じか。
こうやって順番に各楽器が登場するが、どれもソロではなく、曲に必要なパートばかりで曲を生かしたジックリとした演奏が求められる。しかもどの楽器のパートも、その楽器ならではの使用方法で、とても効果的だ。

タイトルに「光」「影」「誘惑」という言葉があるが、どれが「光」でどれが「影」なのか、そしてどれが「誘惑」なのか想像に浸りながら聴きたい。ピアノの音は「光」に違いない。ベースは「影」だろう・・・。別にパズルの問題ではないので、明確な答えを出す必要はない。「光」「影」「誘惑」という3つのキーワードを堪能しながら聴くだけだ。そうすると、このタイトルがピッタリであることが分かってくるはず。

終盤に入り、時折聴こえるベースのハーモニクスが効果的で、イントロと似たピアノのフレーズをはじめ、これまでに登場した各楽器がそれぞれの味を出しながら共演している。本当に素晴らしい。このようなムードのある曲は大好きだ。

1999年12月25日土曜日

Smoky

Char [ Char ]

日本が誇る偉大なギタリスト・Charだが、実はそれほど知らなかった。もちろん、有名なこの曲は知っていたが、それでも数回聴いただけだったし、そもそも聴いた頃は思いっきりメタル・ギターにはまっていた頃だったのでピンと来なかった。
それが、武道館にライブを見に行くことで予習のために色々聴きあさったのがキッカケでハマることになった。

今までほとんど聴かずにいたのが残念に思うほどカッコいい。今日は代表曲中の代表曲のこの曲を紹介するが、他にもカッコいい曲はいくらでもある。

何がカッコいいか。まず第一にギター・サウンドだ。ハッキリ言えば古くさいサウンドなのだが、極上の古いサウンドだ。こういうのを「古き良き時代の音」と言うのだろう。とても生々しい。Charと言えばムスタングを思い出すが、この曲の音は何だろう?いずれにしてもシングルコイルのストラト系であることは確かだろう。
サウンドが最高にカッコいいのが分かるのは終盤のギターのカッティングの部分だ。チャカチャカと弾いている部分をジックリと聴いてほしい。

さて曲だが、Charの曲はジャンル的にはロックだが、シンプルでありがちなロック・コードにいくつもヒネリを加えている。ありがちなコードとは、つまり「C」とか「Em」とかのことだが、Charはそれに色々なテンションを加えており、フュージョンのような音を出す。この曲で多く出て来るのは「Dm9」だろうか。リズムも16ビートでとてもオシャレに聴こえる。

イントロがなかなか難しい。難しいのはリズム・タイミングだ。簡単に聴こえるのはバッチリ決まっているからだ。スネア2発で曲が始まっている。本当はカウントが入るのかと思っていたら、ライブでも2発だけで曲に入っていた。
最初のコードは「Gm7onC」だ。押さえ方は2フレットをバレーしているだけだろう。これが半音ずつ上がっていくだけだ。16分の裏なので、体で覚えるしかないだろう。

コードだけでなく、ソロ・プレイでもフュージョンっぽさが漂っている。出だしに大胆なアームがトレードマーク的に出て来る。全弦の7フレットだろうか。コードでいえば「Bm7」か。大胆なアームから間髪入れずにソロに入るスピード感がたまらない。
フュージョンっぽいのはコードを感じさせるフレーズが多いからだろうか。それも9thの音を感じさせるものだったりすることろがミソだ。Jeff Beckっぽい感じもするが、あくまでロックの骨っぽさ、気合いが含まれているのが気持ち良い。中間のソロなどは素早いフレーズも出て来て、聴きどころ満載だ。

この曲で忘れてはいけないのはベース&ドラムの好プレイだ。ベースはかなり動き回っていてグルーヴを作り出す。ドラムも決めるところは決め、シンプルなビートを叩き出すところは安定感があり素晴らしい。ハイハットなどは最高だ。