2003年10月6日月曜日

光と影の誘惑

レベッカ [ 高橋教之 ]

出世作『REBECCA IV』というアルバムのA面最後に入っているインストの曲。レベッカと言えばNOKKOのボーカルだろうが、珍しくインストなのである。これが素晴らしい佳曲なのだ。バンドとしてのレベッカが見えるようで嬉しい。

まずピアノから入る。なかなかおいしいフレーズで、これだけでもコピーしたくなる。高音からキラキラと一気に下っていく。別に難しくもないので、少しでもピアノに興味のある人はコピーしてみると良いかも。ヒントとしてコードは「G」と「Cm」、1音目だけ和音で高い「D音」とその上の「A音」。

ピアノの後からが本編。ベースのハーモニクスでつないだ後、バンドの演奏に入る。リバーヴのたっぷりかかったリムショットを使ったドラムとヒューマンヴォイス系のシンセの音でムードを高めておいて、メロディを弾くのは何とベース。フレットレスベースのようだ。次にどういう展開になるのだろうとワクワクして待つことになる。

続いて登場はギター。ゆったりとしたメロディ。ビブラート等で自分の色を出しやすいパート。比較的あっさりと弾いているが、音が消える寸前までジックリと聴きたい。
コード的には「Bm」 「B♭6」 「Am7」という感じだろうか。

更に今度はキーボードの出番だ。このパートだけは8ビートとなる。コードは「C」 「Em7」 「G」 「D」という感じか。
こうやって順番に各楽器が登場するが、どれもソロではなく、曲に必要なパートばかりで曲を生かしたジックリとした演奏が求められる。しかもどの楽器のパートも、その楽器ならではの使用方法で、とても効果的だ。

タイトルに「光」「影」「誘惑」という言葉があるが、どれが「光」でどれが「影」なのか、そしてどれが「誘惑」なのか想像に浸りながら聴きたい。ピアノの音は「光」に違いない。ベースは「影」だろう・・・。別にパズルの問題ではないので、明確な答えを出す必要はない。「光」「影」「誘惑」という3つのキーワードを堪能しながら聴くだけだ。そうすると、このタイトルがピッタリであることが分かってくるはず。

終盤に入り、時折聴こえるベースのハーモニクスが効果的で、イントロと似たピアノのフレーズをはじめ、これまでに登場した各楽器がそれぞれの味を出しながら共演している。本当に素晴らしい。このようなムードのある曲は大好きだ。

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