2000年11月23日木曜日

Overture 1928

Dream Theater [ Dream Theater ]

Dream Theaterの名盤『Metropolice Part2』の実質1曲目だ。文句なく最高にカッコいい曲で、壮大な映画のイントロのようだ。この曲の前に小曲『Regression』(これも重要な曲だが)があるが、バンドとしての演奏はこの曲から始まる。

凄まじいイントロの後の一瞬の休符が最高にカッコいい。時間が一つのテーマになっていて、前の小曲は現在から過去へ遡るところで終わっている。そしてこの一瞬の休符から後が、物語の舞台となる1928年の中の世界の始まりだろう。まるで映画の始まりのようで、1928年の街並や行き交う人々、馬車などが見えるようだ。

これから始まる新しい物語、そしてそれはフラッシュバックのようでもあり、すでに経験していることのようでもある。このような矛盾を曲で表わしているようで素晴らしい。論理的には説明出来なくても、音楽で表現することは出来るのだ。

キレの良いギター・リフとドラムで1928年を紹介すると、続いて壮大で叙情的なキーボードが登場する。物語の登場人物たちを見ているようで、とても重要なパートだ。
コードは「A」 「B」 「A・E」 「F#」 「A」 「B」 「C」 「D」だ。「A」から「B」へ行くところが壮大だ。後半の転調するような部分もカッコいい。

この後、キーボードソロとギターソロの部分があるが、ここの最高にカッコいい。キーボードソロのパートは最初のギターのリフの部分の繰り返しで、コード的には「D」と「D#11」。
ギターソロはテンポが半分になる。「Bm」 「G」 「Em」 「D・A」という部分だが、とても感動的だ。
ところが直後に曲調が一転する。ここがDream Theaterの真骨頂。「F#7」で変拍子だ。3拍子を挿むと考えるのか7拍子と理解すれば良いのか・・・。

Dream Theaterの曲にはつきものだが、ギター、ベース、キーボードがユニゾンになる部分が何箇所かある。聴いている分には気持ち良いが、いざ演奏するとなるととんでもなく大変なパートだ。少しでもズレるととても目立ってしまう。

終盤にはキーボードの超早弾きが登場する。トップ音だけ変わるだけのコードトーンなのだが、それにしても早い。結構テンポが早い曲にも関わらず、正確な32分音符だ。

演奏するには相当のテクニックを擁する部分がめじろ押しで、そのハイテクニックも聴きどころになる。

時間にするとそんなに長くない曲だが、展開がいくつもあり、1曲でお腹いっぱいになりそうな盛り沢山の曲だ。

2000年8月6日日曜日

It's All Right(Piano Version)

Minstrel [ H.Shirakawa ]

先日、初めての屋外ライブを行ったのだが、そのライブでの最後の曲で、唯一のオリジナル曲がこれだ。オリジナルといっても私の曲ではなく、バンドのリーダーの作曲で、多分以前から何度も演奏されている曲だろうと思うが、私にとっては新鮮な曲だ。

バンドの曲なので、もちろんギター、ベース、ドラムの編成で演奏されるものだが、ここでは私が勝手にアレンジを変えてピアノ・バージョンにしてしまったものを紹介する。

原曲通り、シャッフルのリムズが気持ち良い曲で、作りはシンプルだが、そのシンプルさが良い。シンプルで元気良く、しかもシャッフルのノリでありながら、マイナーコードが多く出て来るあたりのバランスがこの曲の味だと思う。単純でノリ一発のようでいながら、後で何か考えさせるような雰囲気もある。

歌詞も分かりやすくノリ重視なのだが、ピアノ・バージョンでは歌はなし。

ピアノ・バージョンといっても大きく編曲し直したわけではなく、たんにピアノで弾いている状態に近い。

ギター・ソロもそのままピアノで弾いている。このソロ、結構好きだ。当たり前なのだが、他人が考えたソロは自分で弾くものとは違うタイプになり、ある意味、挑戦になる。別にテクニック的に弾けるとか弾けないということではなく、自分なりに消化して納得いくフィーリングで弾けるかどうか、ということなのだ。つまり、他人が考えたソロであっても、最後には「自分のソロ」と言えるだけのものになっていなくてはならない。そうでないなら、ソロは新しく考え直すべきだろう。
ピアノ・バージョンでは、ギターの単音をそのまま弾いたのでは少し寂しいのでハーモニーにしているが、基本的なメロディは同一だ。エンディングだけ早弾きにして変化をつけた。

1音を比較するとギターの方は存在感がある。ピアノは早弾きも簡単なので、フレーズに困ると早く弾いて誤魔化してしまうところがある。

[ 出だしの50秒くらいだけ音が聴けます ]

2000年5月29日月曜日

iWorld

Minstrel [ Original ]

久しぶりに作ったオリジナル曲。このタイトルのつけ方は、「iMac」やソフトの「iTunes」等と同じ感覚で、Macユーザーなら愛着のあるものだと思う。しかしこれはダブルミーニングになっていて、もう一つ別の意味がある。

この曲は、最初に4つのコードが浮かんで、これが柱になっている。ありふれたコード進行だが、ギターで弾くとなかなか感じが良い。「DM7」 「Bm7」 「E9 11」 「A13」だ。それぞれのテンションノートがなかなか気持ち良い。ピアノ等で弾くと、コードを構成する音がそう変わっていないことが分かるだろう。

ギターソロは少し変わったコード進行になっている。最初の部分が「E」と「F#」の繰り返し、次が「Bm」 「Bm」 「E♭onG」 「F#」の繰り返し。ここから次の出だしの「G」へ入る。どうしても変わったソロになる。アドリブで弾いているのだが、なかなかハマるソロが弾けずに何度も弾き直した。

エンディングのピアノのソロがかなり気に入っている。ソロというほどのものではないのだが、これもギターソロ同様、アドリブで弾いたものだ。うまく曲にマッチしていて、エンディングらしい感じも出ていると思う。

この曲、本来は歌詞をつける予定だったのだが、今だに歌詞は完成していない。

だいたいの構想はあるのだが、なかなか現実のものとならない。だいたいの内容としては、「iWorld」とは「自分の世界」という感じだが、これは同時に誰か特定の人の世界でもある。彼氏、彼女かもしれないし、親兄弟かもしれないし、まったく知らない相手かもしれない。そういう相手が突然どこからともなく自分の前に現われて、また消えて行く。そんな人生の出会いや別れ、そして自分の世界観を曲にしたものだ。

[ 音は悪いですがエンディングの50秒だけ音が聴けます ]