2018年12月4日火曜日

Jumpin' Jack Flash

Rolling Stones [ M.Jagger/K.Richards ]

Rolling Stonesでもトップクラスの代表曲。私も好きな曲だ。何といってもカッコいいし、PVも印象的だ。

この曲がカッコいいのは、やはり何といってもリフだ。シンプルなのにカッコいい。と、いうよりカッコいいリフはシンプルでなければいけない。
しかしこのリフ、シンプルなのに意外に面白い。ちゃんと見てみよう。

まず、この曲のキーは「B」だ。だがメジャー・キーなのになぜか暗さが残るような不思議な感じがある。
イントロは「B」「E/A」の繰り返し。最初はギターのみだが、途中からドラムとベースが入って来る。このベースがポイントだし面白い。「B」に対してはもちろん「B音」で、「E」に対しても「E音」。ここまでは良いが、「A」に対し、「D音」を経て「C#音」になる。多分、「E音」から「B音」へ滑らかに繋がるようにしているだけなのだが、特に「D音」がクセモノだ。つまり「Bマイナー・スケール」の音だからだ。それで少し暗い感じになる。

続く印象的なリフは、「B」のパワーコードを2発入れた後、4弦5弦の7F、9F、3弦4弦の7Fの3音を繰り返す。これだけ印象的なリフなので、普通はベースも同じことをやるだろうし、やりたくなる。しかしStonesはやらない。なぜかずっと「B音」だ。つまりコードはずっと「B」ということだ。
このリフのパワーコードの後の3音を見てみると、コード的には「A」「B」「D」となる。どの音もそれぞれの1度5度だから、「ラミ」「シファ#」「レラ」だが、これをコード「B」として見てみると、「7度4度(11度)」「1度5度」「3度7度」となる。特に注目は3番目の「レラ」だ。イントロに続いてまた「レ」だ。また「ラ」もマイナー・スケール上の音だ。

そもそもキーが「B」での3コードは「E」と「F#」だし、ここまでに登場したコードは、ダイアトニック・コードでいえば、「B」に対して「A」ではなく「A#m(♭5)」、「D」ではなく「D#m」になるはずだ。
逆にダイアトニック・コードから探すと、一番近いのはキーを「A」と見ること。そうすると「E」も「A」も「D」もあるが、肝心の「B」が「Bm」になる。つまり、「Bメジャー」の曲なのに「Bマイナー」に聴こえるというのは、このあたりのポイントがあったということだ。
途中のギターのオカズ的なフレーズが「Bマイナー・スケール」で弾かれているところを見ると、Stonesはこの曲のキーを「Bm」と見ているのかもしれない。なかなか不思議だ。キーが「Bm」なら「D」や「A」はOKで、「E」が変だが、「Bm」の代理コードと見れば問題ない。一番変なのは出だしの「B」ということになる。

さて、次のパート「But it's all right now」の部分だが、「D」「A」「E」「B」の繰り返しだ。またもやこのコードだ。ギターがハイポジションで修飾しているが、2弦3弦でコードトーン、1弦でメロディというパターンだ。メロディの部分を見ると、「D」の時は「ファ# ミ レ」、「A」の時が「ド# シ ラ」、「E」の時が「レ ド# シ」、「B」が「ド# シ ラ」となる。やはり「Bマイナー・スケール」だ。

この曲はイントロを抜かすとこの2パートしかないことになる。Stonesの曲にはよくこのような2パートしかない曲が見られる。
それともう一つ面白いのはドラムだ。オカズがない。せいぜい「スッタンタン」となる程度だ。延々と、淡々と同じようなことを繰り返し、しかもシンバルもない。一体どういうつもりでこういうドラムにしたのだろう。これも不思議だ。

他にもStonesの曲にはキーがよくわからない曲があったりする。「Satisfaction」などが良い例だが、また改めて取り上げたいと思う。

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