2004年12月11日土曜日

The Bucket

Kings Of Leon [ A.Followill/C.Followill/N.Followilll ]

偶然、テレビでビデオクリップを見た。TVKの『Rock City』だ。何の知識もなかったが一発で気に入ってしまった。
どう見ても70年代のイギリスのバンド。小汚くて貧乏そうな風貌がたまらない。チープそうなヤツらが一生懸命やっている音楽はなぜか見ているだけでワクワクする。
ところが、これが新しいバンドで、しかもアメリカのバンドというから驚きだ。3兄弟がメインで、父親は厳格な宣教師というから更に驚きだ。

しかし、曲はやはり70年代風。とてもシンプルで覚えやすいリフがコードに合わせて平行移動するイントロ、パンクばりにダダダダと刻むだけのバッキング、そして途中で半分のリズムになるところ。初期 Black Sabbath を軟弱にしたような、新しめでは Oasis を貧乏にしたような、そんな雰囲気だ。いや、見た目が初期の Ozzy に通じるものがあるから余計にそう思うのかもしれない。ヴォーカルはサザンロック風でもある。

それに加え、ビデオクリップがまた70年代のようなチープさ。分割画面は大昔によくあったような手法だし、映像もただ部屋での演奏シーンを撮っているだけで、画質も鮮明ではないしCGなどあるはずもない。

音楽もビデオも、ただ一発やってみましたというだけのシンプルさ、潔さが最高なのだ。音楽的に凝っているかなどどうでも良いこと。耳に残るし、もう一度聴きたくなるし、ワクワク感もあるし、それ以上何が必要だというのだろう。

聞くところによると、本国アメリカよりイギリスで人気があるという。私がイギリスのバンドではないかと勘違いしたのも強ち見当違いでもないかもしれない。

演奏にも少し触れておくと、目立っているのは、ダッダッダッダッ(テンポは結構早い)と刻まれるリズムギターと、チープな音(これが良いのだ)のギターで入るオカズ、あとは愛想のないボーカル(これも良い!)だけ。刻まれるコードも何の工夫もないようなシンプルなもので、コピーするまでもない。

平行移動するイントロのギターにも触れておくと、今時こんなに簡単なギターのイントロってある? というくらいにシンプルだ。最もローポジションの「D」コードをオクターブ上げたものに、「A音」を加えてみるだけ。それをコードに合わせ平行移動。(「G」の時に加える音が「C#音」になるので、厳密に平行移動ではないが)

メインのリフは超シンプルなのに格好良い。しかもまさに平行移動。1弦の7フレット「B音」、5フレット「A音」、2弦7フレット「F#音」の3音だけで出来ていて、これを平行移動で畳み掛けてくる。このあたりが Black Sabbath っぽい感じがするのだ。
「Eighteen~」のところのオカズも、イントロと同じオクターブ上げの「D」だ。

こんなに簡単なのに格好良いとは「これがロックだ!」と大声で叫びたい。

2004年12月10日金曜日

Psycho Holiday

PANTERA [ PANTERA ]

Dimebag Darrellが殺された。ライブ中に銃を乱射したらしい。Phil Anselmoとの仲が原因なのか、詳しいことは何も分からない。殺されたのは2日前の12月8日。John Lennonが殺された日と同じだ。
とにかく衝撃と悲しみだけ。今でも信じられない。殺してどうする。どんな理由にせよ、殺しても何も始まらない。犯人を捕まえて刑務所に放り込めという次元ではないと思う。 ここは曲の話しをする場であって事件についてとやかく言う場ではないのだけれど、憤りを感じずにはいられない。
せめてDimeのプレイの話しをしよう。

この曲もギターが実にカッコいい。ボーカルは好みでないのだが、ギターを聴いているだけで最高だ。キレ味が良くてヘヴィでサウンドも最高。私にとってはギターこそがリードボーカルのようなものだ。

最初はボーカル抜きで曲を作ったのがよく分かる。
2番目のパートでギターが音を伸ばしながらゆっくりとワウを踏んでいくパートがある。切れ味の良いパートが多い中にこのように伸ばす音があるのもカッコいい上に、ワイルド感のあるワウだ。センスも最高。
本来ならここにややメロディックなボーカルが乗るのではないだろうかと思う。「起承転結」の「転」のパートだと思う。

ギターソロ。リフを刻む音とはまったく別の音で初めて聴いた時は驚いた。激烈なバンドのイメージだが、ソロだけ聴けばハードロック・バンドのようだ。
テクニカルな早弾きのオンパレードだ。左手の人指し指を出来るだけ動かさずにロスを少なく滑らかなフィンガリングをする戦法だ。ワイルドなイメージが前面に出ているが、とても滑らかで物凄いテクニシャンだ。
Van Halenバリに、ソロの後ろでバッキングギターがないのが生々しくて嬉しい。

2004年10月28日木曜日

Pinball Wizard

Elton John [ P.Townshend ]

十数年ぶりにロック・オペラ『トミー』を見た。初めて見た時と比べてずっとよく理解出来るようになっていて、内容にも音楽にもとても感動出来た。

映画の内容についてはここでは触れないが、一番嬉しかったのはピンボールのチャンピオン役で登場したElton Johnが歌うこの曲の部分。あまりにカッコいいので「うぉ~」と声を上げてしまった。

オリジナルはThe Who。The Whoのバージョンの方がよく知っていて、Eltonの方は十数年前に見た時の一度きりで、しかもその時はオリジナル・バージョンの知らなかったため「華やかな感じだったかなぁ」程度の貧相な記憶しか残らなかった。
今回は前持ってオリジナル・バージョンはよく知っていて、しかもThe Whoの中でもかなり好きな曲でもある。このコーナーではまだ取り上げていないが、いずれ登場する時が来るだろう。とにかくかっこいい曲だ。

Eltonのバージョンは、まずピアノだ。Eltonといえばピアノなので当然だが、オリジナルではギターが寂し気にコードを鳴らしていき、突然早い(16分で)sus4コードをかき鳴らすように始まるが、Eltonのバージョンではこれがそっくりピアノに置き換えられている。

最初のコードはともかく、早いカッティングの部分はコードトーンのアルペジオになっている。オリジナル・バージョンでは続いてヘヴィなギターが割って入って来るが、Eltonの方は控えめ。
The Whoより華やかに聴こえるのはこのアルペジオとヘヴィさを控えたギターのせいだと思う。

ここまでだとオリジナル・バージョンと違うのはよく分かるが、凄いとかカッコいいという印象はまだない。
カッコ良さを決定づけるのはやはりEltonのボーカルだ。さすが当時最強というべきか、最高にカッコいい。オリジナルのRodgerよりもアタック感が強いし、テンポが早いせいかリズミックに聴こえる。
更に「Sure plays a mean pinball」のところのカッコ良さ。Eltonにとってはかなり高音なのかもしれないが、ピッタリこの音が出るようにキーを変えたのではないだろうか。

この後、サビに続いて掛け合いの部分がある。オリジナルではRodgerとPeteで掛け合いをしているが、Eltonバージョンではチャンピオン(Elton)と群集の掛け合いになっている。この違いはヘヴィなロック・バンドの曲であるオリジナルに対し、数倍に大きなスケールとなっている。映画のシーンにピッタリの最高のアレンジだ。

2004年9月4日土曜日

Practice What You Preach

Testament [ C.Billy/E.Peterson/A.Skolnick ]

カッコいいスラッシュメタルの最高峰と言っても良い曲。スラッシュ全盛の1989年の曲だ。

アメリカのバンドらしく、リフのリズムが少しハネていたり、アクセントがカッコいい。この曲のカッコ良さのカギはリズムだ。ドラムだけを聴いていても幸せになれる。

この曲もスラッシュの鉄則通りカッコいいリフが沢山出て来る。ところどころハーモニーになっているあたりは少し知的なセンスも感じさせる。
「ツツダンダンダン」というアクセントの最初のリフ。4拍全部にアクセントを入れると単純すぎてつまらなくなるように思うが、こうやってリフと合わせることで、分かりやすさプラスカッコ良さみたいなリズムになる。「ツッツダーダー」という感じの「Practice What You Preach」と叫んでいる部分のリフも最高にカッコいい。最初のつっかかる部分と次の伸ばす部分の組み合わせがカッコいいのだ。
どれも単純なので他にもありそうでなかなかない。

この曲の大きな聴きどころの一つはギターソロだ。曲全体の3分の1はソロなのではないかと思うほど長いソロだ。とにかくテクニカルの一言。早弾きのオンパレード。オーソドックスなチョーキングからフルピッキングの早弾き、ハンマリング多様のレガートな早弾き、ライトハンド、スウィープピッキング、アームまで何でもござれの豪華さだが、ギターにあまり興味のない人には長すぎて退屈するかもしれない。

しかしソロが終わるとすぐに元の元気なリフが始まる。MetallicaのJamesっぽいボーカルや元気な掛け声も男くさくて良い。

以前、バンドでライブをやった時に一緒に出演したバンド(いわゆる対バン)がこの曲をやって最高にカッコいいと思ったことがある。自分たちもスラッシュ系バンドだったのだが、完全に食われてしまった。男くさいのにテクニカルな雰囲気も与えるおいしい曲なのだ。

2004年9月3日金曜日

Wake Up Dead

Megadeth [ D.Mustaine ]

秋の夜長にスラッシュメタル。第3弾はこれもスラッシュの代表曲ともいえる名曲だ。
Metallicaのライバル的存在として君臨したMegadethで、1986年のアルバム『Peace Sells.. But Who's Buying?』の1曲目だ。

ほとんどリフだけで出来ているような曲だが、とにかくカッコいい。ボーカルなんて聴かなくても良い。とにかくリフ!だ。

まず最初にドラムのイントロから始まって、囁き系のボーカルが不気味さをかもし出すリフに入る。このリフはありふれていて特にヒネリもないだけに、この効果音的ボーカルはとても良い。
すぐにギターソロに入るが、個人的にはどうでもいい。

カッコいいのは次だ。リフの合間にリズムが止まりギターのツインハーモニーが出て来る繰り返し。ハーモニーがカッコいい。
このパートが次のパートを誘い、全員で同じリフを刻む。まさに「刻む」という表現がピッタリで、全員が頭を振り振り弾く様が思い浮かぶ。リフの合間の「カカカカ」というミュート音が最高だ。その昔に組んでいたバンドでこの曲をコピーしたことがあったが、ここがやりたくてやったようなものだった。歌詞もなく黙々とリフを刻むのが良い。

この後、ギターソロの掛け合いになる。以前バンドでやった時は、掛け合いだからやらないわけにはいかず、後半部分を弾いた覚えがある。それ以外はリフが弾きたかったからソロは弾かなかったのではないかと思う。その1回だけのソロはあまり深く考えず勢いだけで弾いた。気持ちはリフに行っているのだ。

ソロが終わるとリフは超高速に変わる。もともとかなり速いテンポなのにこのパートは16分音符のオンパレードだ。スピード感のあるハーフ・ミュート奏法で弾き切る。
同じ音を連発している部分は良いが、スケールをなぞったオカズのフレーズは速いだけに大変だ。

この後、ボーカルらしいパートを挟み、一度ブレイクをしてからまた新しいリフが登場する。ドッシリとヘヴィなリフだ。ここにギターソロが入るのだが、これはなかなかカッコいい。複雑そうに聴こえるライトハンドのパートの直後にオクターヴになるところが印象的だ。

この曲のビデオ・クリップを見たことがあるが、薄暗い場所のアヤシイ雰囲気の中で、金網の中でバンドが演奏し、その周囲を男たちが狂ったように揺さぶっているという、なんだか危険な感じのする映像だった。曲のカッコ良さに一役買っていたすぐれものクリップだと思う。

2004年9月2日木曜日

Welcome To Defiance

The Almighty [ R.Warwick/P.Friesen ]

ヘヴィ第2弾はイギリスのThe Alimightyだ。スラッシュがほぼ死滅した後の1994年の曲だが、曲調はほとんどスラッシュだ。
しかし一番変わったと思うのはリズムだ。バスドラを多様してハネた感じ。ライブハウスで踊り狂っているバカども(←逆説的誉め言葉です。マジで)が目に浮かぶようだ。
The Almightyを知ったのは人気が出て少ししてからで、というかこの曲で知ったのだが、初めて聴いた時は「これが新しい時代のヘヴィ・ミュージックか」と感心したものだ。アメリカのバンドは比較的リズムがハネていたり踊れそうなものもあったのだが、スラッシュというととにかくヘヴィで激しいという印象が強く、実際、イギリスをはじめヨーロッパ勢の曲は直線的なものが多かった。ダンス・ミュージックとはかけ離れたクラシックが盛んな地域だけある。
それだけに、この曲のメインリフでのリズムは新しさを感じた。細かなドラムはその後の音を伸ばしてドラムがなくなる部分との対比になっている。こういう緩急もヘヴィ・ミュージックの醍醐味だろう。

スラッシュによくあった休符の醍醐味はこのバンドにもしっかり生かされている。休符が気持ちいい。ほんの少ししか出て来ないがそれが逆に効果的だ。思わず「はっ」とする。

「Defiance」とは名詞で、「権威や敵対する者への果敢な抵抗、反抗、挑戦」といった感じの意味だ。周囲に負けず自分の生き様をまっとうしようという、まさに「これぞ男」という感じの歌詞だ。
このバンドは本当に男くさい。鋼のような頑固さと汗の臭いがピッタリだ。男のためのバンドのようなもので、もちろん女性ファンもいるだろうが黄色い歓声は似合わない。
風貌など気にせず、ただバカのように一直線。現実的にはなかなか出来ないことだけにある種の憧れを持つ。

アルバムのジャケットは『星の王子様』かと思うような可愛いらしさだが、その中身は強烈なまでの精神性と骨太、汗くさロックが満載。そういうギャップもまたイギリス人っぽくて面白いところだ。

2004年9月1日水曜日

Seemingly Endless Time

Death Angel [ R.Cavestany ]

オリンピックも終わり夏も終わり、気分を新たにして、ヘヴィィィィィ・ミュージックだ!なぜか気分は荒くれ系。
心に浮かぶザクザク・リフはサンフランシスコ・ベイエリア出身バンド・Death Angelだ。バンド名は『死神』。ちょっとおバカな名前だが、どうでもいい。この曲は1990年のアルバム『Act III』のトップを飾ったもので、当時のメンバーはMark Osegueda(Vo), Rob Cavestany(G), Gus Pepa(G), Dennis Pepa(B), Andy Galeon(Dr)。相当若かったはず。

当時はスラッシュ・メタルと呼ばれていたジャンルで、スラッシュ(Thrash)は切り裂くの意味。ヘヴィメタル・ミュージックの中でも特に過激で激しい音楽で、切り裂くばかりの切れ味を持っていたのだが、90年代中盤までに絶滅に近い状態になってしまった。もっと重く暗いグランジとか囁き系を入れたゴシック・メタル、もっと極端なデス・メタル等に進化(?)していき、スラッシュという言葉も死語になってしまっている。
言葉の問題はどうでもいいのだが、音楽的にほとんどがEmキーだし、音はもともと似たような歪みギターだし、リフはカッコいいけど、そればかりでは長続きしないけど歌メロは単純だしリズムも似ている。そのあたりが衰退の理由かと思う。例えばゴシックのボーカルなどはかなり斬新だ。個人的好みは別だが。

しかしこの曲は多彩で、とにかくカッコいい。Metallica等もそうだが、生き残ったバンドの曲はよく考えられていて面白い部分が沢山ある。

なぜか波の音で始まる曲だが、そこに「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ」とヘヴィなギターが入って来る。この後、激烈なドラムとともに一気にハイテンションになるが、好きなのは次の展開からだ。ドラムが止まってリフが変わっていく。リフだけでもこんなにカッコ良く聴かせることが出来るという好例だ。
この後も次々とカッコいいリフが登場する。ボーカルは味付け程度で、リフに集中して聴きたくなるのが特長と言えるかもしれない。

中盤ではリズムが半分になる部分がある。特にヘヴィな曲ではこの遅いリズムがたまらなく好きだ。Black Sabbathに通じる重さを感じさせる。勢いを抑えることで、次にブッ飛ばすところまでエネルギーをためている感じが良い。

スラッシュにおいて、ギター・ソロはどうでもいい。ギター大好き人間のセリフではないようだが、個人的にはリフこそすべて。メロディックなソロは下手をすると曲をブチ壊しかねない。ソロならリフの延長のようなものや、シンプルでコードに沿った単純な音列を早く弾くとか、その程度で良いと思っている。

それよりもソロの後にあるリフの決めのところが格好いい。全員で合わせる箇所だ。スラッシュにはありがちではあるが、少し変な音(デミニッシュっぽい)を強調してジャッと音を切る休符は最高にカッコいい。うるさい音楽であればあるほど、音のない休符がまた生きて来るわけだ。クラシックのオーケストラがダイナミクスたっぷりに演奏するのと同じ理屈だ。

2004年8月26日木曜日

栄光の架橋

ゆず [ 北川悠仁 ]

アテネオリンピックで盛り上がっている中、そろそろこの曲を取り上げないわけにはいかないだろう。NHKでテーマソングに使われている曲だ。
ギリシアとは6時間の時差があるため、リアルタイムでは夕方くらいから深夜になる。中継を見るたび要所要所で聴かされる。毎日毎日何度も聴いているので好き嫌いなしに覚えてしまう。そして覚えれば覚えるほど感動的な競技のシーンに合わせて感動を誘う。

この曲の最大の良さは歌詞だろう。「ガンバレ!ニッポン」のノリではなくメッセージソング風になっている。出だしの「誰にも見せない泪があった。人知れず流した泪があった」という部分だけで、それぞれの選手のこの場に立つまでに様々な多くの苦労があったであろうことに想いを馳せる。基本的にはこの部分とサビの2つしかない。「ああ、大変だったんだね。凄いね。頑張ったんだね」と思わせておいて、サビで一気に盛り上げる。「いくつもの日々を越えて、辿り着いた今がある。だからもう迷わずに進めばいい。栄光の架橋へと…」
言っていることは「これまで頑張ったんだから、迷わず進め」というだけのことだ。これを言葉を変え、メロディに乗せ、静かな部分や盛り上がる部分のアレンジを加えると何と感動的になることか。

曲の方に注目すると、やはりサビでドーンと来る部分が最高だ。ここで盛り上がる様、最初の1回はサビも含めて静かなアレンジで通している。そして2回目以降に盛り上げる。

サビで盛り上がるだろうと思って期待して待っているのに、1回目はアッサリ終わってしまう。充分ジラした2回目にバーンといく。Glayの曲(まともには知らないのだが)などにもよくこの手法があるので、最近の流行りなのかもしれない。個人的には1回目からいってほしいのだが。

この曲は小さなイントロがあって、ほとんど歌と同時に始まるといえるが、このアレンジはBeatles風で好きだ。

コード進行は、最初の出だしが「E」 「G#m7」 「A・B」 「E」という進行だ。それに対して、サビの部分は「G#7」でバーンとやっておいて、 「A・B」 「E」 「A・B」 「E」という感じ。続いて「G#7」 「A・B」 「E」 「A・B」 「E・C#m/B」 「A・B」 「C#m」 この「G#7」が良いのだ。出だしの2つ目のコードに「G#m7」が出ているからこそ、感動的に聴こえる。

ちなみに、1回目の静かめのアレンジの時だけサビの最後の「栄光の架橋へと」の部分が「A・B」 「A」となる。「A」に戻ってしまいちょっと「アレ?」となってしまい、盛り上がらせないアレンジだ。これ以降は最後が「A」ではなくちゃんと「C#m」となってその後にちょこっと「付属」がついて最終的には「E」へいってスッキリと盛り上がる。ニクいアレンジとも言えるが、やはり個人的には1回目から来てほしい。「付属」の部分も良いのだが、今回は省略。

2004年8月12日木曜日

Burning Heart

Vandenberg [ A.Vandenberg ]

オランダのハードロック・バンド・Vandenbergの初登場だ。1980年代のバンドで、ヨーロピアンなメロディと、なぜかアメリカ南部の匂いを合わせたようなバンドでその昔はフェイバリット・バンドだった。メロディックでありながらシンプルな作り&骨太な音というのは一つの理想形だ。シンプルというのは「単純で幼稚」というのとは全然別で、余計な装飾をそぎ落としている分だけ本物かどうかの見極めが容易になり、曲作りでも演奏でも難易度はかえって高くなるのだ。

で、この曲だが、彼らの曲の中で個人的に最も影響を受けた曲だ。曲というよりギター・ソロだ。
曲も良い。シンプルな『Am』キー(実際はチューニングが半音下がっているが)のバラードだが、イントロのギターもひとひねりしてあるし、ハーモニクスの音も印象的だ。
まず、ローコードの「Am7」の形(1弦〜5弦で順に0F、1F、0F、2F、0F)で抑えておき、5弦開放の「A音」を出し、4弦を弾いた後スライドさせる。この時にコードを押さえている全体(といっても2箇所だけだが)を2フレットずらし、4弦は4Fへ、そして2弦をピッキング(3Fになっているはず)し、4弦を先程とは逆の動き、つまり4Fから2Fへスライドさせ、更に5弦開放で落ち着く。そして1弦から4弦までのアルペジオ。これをもう1回(途中までだが)繰り返した後、2音の和音で締める。すべて2弦と4弦で、「5F、5F」「3F、4F」「1F、2F」「(前の音からスライド気味に)3F、4F」「1F、2F」「0F、0F」と弾き、5弦開放の後、ノーマル・ハーモニクス。一つ目は1〜3弦の7F、2つ目は同じく5Fだ。
2音の和音のところは、ピック(親指と人差し指で持つ)と中指で弾くが、ピックだけでも3弦をミュート(4弦を押さえる中指の腹で)すれば弾けると思う。

最初のヴァースは「Am」 「G」 「C」という進行で、「G」の時にベースが「B音」を出すことで滑らかな上昇ラインになる。ヴォーカルのメロディが上から下で、ベース・ラインが対比になっているわけだ。逆をやると『天国への階段』になる。

サビのところでエレクトリック・ギターがバーンと入って来る瞬間が格好いい。よくあるパターンだが、静かなところへ入って来る存在感のある音は最高だ。
音的には全音符でジャーンとコードを鳴らしているだけだが、終盤になるとソロの延長のような形で高い2音も入って来る。単純だが印象的であり感動も誘う。

さて、素晴らしいギター・ソロを紹介しよう。まず導入部は2つのパートがあって、それぞれがツイン・ハーモニーになっている。だから計4本のギターがないと出来ない。独特のムードを醸し出すパートだが、ライブではアルペジオっぽい弾き方でハーモニーの片方と2種類の目立つところだけをつないだようなメロディをギター1本で弾いている。凄いのは次の単音ソロからだ。

基本的に低い音を多く使っている。また、伸ばす音と短く切る音の対比を明確にしている。最初の1小節目でそれがはっきり分かる。
重要なのはビブラートだ。かなり揺れ幅が大きく早めのビブラートだ。当然、伸ばす音の時にビブラートをかけるのだが、音が切れる瞬間ギリギリまで表情があり、次の音を出す直前に瞬間的に装飾的にスライドで音を下げたり上げたりしている。この微妙な音の表情が凄いのだ。
タメもきいている。タメというのは、音を遅らせることだと思う。遅れすぎてモタっていると最高にカッコ悪い。モタる寸前まで遅らすことだと思う。これは難しい。「バカと天才は紙一重」というが、「モタりとタメは紙一重」だ。

ソロの締めは3連符だ。全編ゆったりとしたフレーズだった上に突然の3連符のせいで、とてもスリリングに聴こえる。そして最後の最後で高く伸びやかな音。かなり強烈なビブラートがかかっている。この最後のビブラートだけでもこのソロは最高のものになる。何と劇的なソロか!

2004年8月9日月曜日

Dancing Queen

ABBA [ B.Andersson/B.Ulvaeus ]

70年代の大ヒット曲だ。ロック少年(私)にとって、ディスコだのポップだのは許し難い音楽だったので敬遠していたが、完全に「昔のこと」になっている今聴けば結構良いものだ。変な偏見を持ったり片意地張ったりせずに音楽は音楽として接したいものだ。

『Dancing Queen』はタイトル通りで、「さあ、踊ろうよ」というノリの曲。彼女は17歳だが、別に27歳でも良いだろう。いずれにしても輝いて見える魅力的な彼女のイメージで、それはまるで女王様のようだ。ダンスもイメージの一つだから、必ずしもダンスでなくてもいい。居酒屋での時間でもいいし、公園を散歩している時間でもいいだろう。今、思い出しても輝けるキラキラした時間に思えればそれで良い。そういう時代の歌だ。

曲はイントロの後、いきなりサビから入る。このコード進行がなかなか感動的だ。実際のキーが何か忘れてしまったのでとりあえずキーを『E』として考えるが、「B」 「A♭onC」 「C#m」 「F#7」 「A」 「F#m」 「E」という進行だ。

最初の3つのコードのベース音が半音ずつ上がって行くのが感動的だ。この部分だけでこの曲を好きになってしまう。

サビ直前のパート「You are the Dancing Queen, young and sweet, only seventeen」の部分もサビの一部のような盛り上がりだ。出だしにサビを聴かされているから、この部分も感動的なコードのような気がしてしまうが、何とたんに「E」 「A」 「E」 「C#m」という単純なものだ。つまりイントロと同じなのだ。

さて、この曲のもう一つの重要ポイントは歌のハーモニーだ。美しく聴かせるハーモニーの基本中の基本は3度だが、あまりにもありふれているためによほど音程差のあるメロディ等、他と違うものがなければ新鮮味がない。特に日本でのポップスやロックでのハーモニーはことごとく3度で食傷気味だ。

この曲は色々出て来て面白い。片方のメロディが上昇する時に下降するものもあるし、ほとんど音程が変わらないパートもある。一度ハーモニーの方にも注目してみてほしい。

2004年7月25日日曜日

Substitute

The Who [ P.Townshend ]

昨日、伝説のバンドThe Whoの初来日を横浜で見た。60年代当時から荒くれ者のイメージのあった彼らの曲は、後のメタル・バンドのようなリフを重視した曲があったり、ボーカルもかなりラフにシャウトしたりというものが多いのだが、よく聴けば60年代の音楽そのものだ。美しいメロディやハーモニーがあり、曲もアイディアに満ち溢れている。そのワイルドさと知的さのバランスが最高なのだ。

この曲は1965年の曲だが、実はこの曲を知ったのはThe Whoでではない。80年代のLAメタル・バンドのGreat Whiteというバンドがカバーしているのを聴いたのが最初だ。チープなメタル・ソングだと思っていた。LAめたるのチープさが実に似合う曲だと思っていた。
ところがずっと後にThe Whoのバージョン(つまりオリジナル)を聴いて、そのアコースティックなアレンジやハーモニー、雰囲気が素晴らしいことを知った。何でもギャップの差を感じさせるものは面白いと思う。この曲も軽やかなパートとヘヴィな雰囲気のパートの対比が一つの注目点だと思う。

まず出だしのリフ。ルート音の「D」を鳴らし続けていて、上が「D」「A」「G」「D」と下がって来る感じだが、とても印象的だ。最初の歌い出しの部分のベースもポップで良い。別に珍しいパターンではないが、こういう曲で使うところが良い。

ブリッジ部の「Em」のところが良い。Great Whiteのバージョンでも、ここはメタル風を強調して「ドドドド」という風に弾いていたと思うが、ギターやベースの一番低い音で畳み掛けるような雰囲気が出せるとカッコいい。コード進行的には「Em」「G」「D」とシンプルだ。

このヘヴィな部分に続いてイントロと同じパターンで「Substitute」というコーラスに入る。やはりこの曲はこの3音節がすべてといって良いほど素晴らしいというか面白い。一番目立つ高い音は、実は主旋律ではない。

このハーモニーを追うように出て来るボーカルの低めでラフな掛け合いが最高だ。

2004年7月7日水曜日

Heaven Tonight

Yngwie J. Malmsteen [ Y.Malmsteen/J.L.Turner ]

クラシカルで叙情的な早弾き王として君臨していたYngwieにしてはポップで売れ線狙いのシングルかなと思わせる曲だ。

まず、それまでの彼の曲からすると驚きのコーラス・ハーモニーで曲がスタート。4声くらいの印象的なハーモニーで、毎回サビで登場するが、伴奏なしはイントロだけだ。この出だしで「おっ」と思っていると、結構キーボードが目立つイントロに入る。マイナー調がほとんどの彼のイメージとは随分異なり、明らかに明るくポップな雰囲気だ。
ボーカルが入って来てからもキーボード4分打ちをしていて、やはりポップだ。このアルバムに参加したボーカルのJoe Lynn Turnerがポップな人なのでその影響かもしれないが、このような曲調でもYngwieのギターは最高にカッコいい。音もクリアで暖かみのある音で実に良い。彼のギターはストラトキャスターだが、ストラトはシングルコイルなので音が生々しい。気持ち良く歪んでいるが、生々しい音が素晴らしい。

ギター・プレイを見てみると、早弾き王らしく、ソロ以外でも随所で弾きまくっている。最初のヴァースの繰り返しの間も、16分音符でハーモニック・マイナーを下るパートがある。ブリッジからコーラス部に移るところでも16分音符でスケールを上って下るパートがある。

曲にとってどうしても必要なパートとは思えないが、早弾きの美しさや凄さが強調されるし、何より意気が良い曲になる。若さとエネルギーが有り余っていて元気で良い。

ギターソロはお約束的に早弾きのオンパレードで、それはそれで凄いのだが、ソロの後のコーラスが好きだ。ボーカル・ハーモニーと8分打ちのキーボードでギターはなし。裏打ちのリズムとそれに合わせるベース。たまに入るベースの「ズドーン」という感じのスライドがカッコ良い。

この曲のビデオ・クリップで初めて動いている彼を見たのだが、何となく気難しそうな雰囲気だし、これほどハイレベルなプレーなのだから、怖い顔をしてギターに集中しながら手ばかり見て弾くのだろうと思っていた。ロックだから、さすがに椅子に座っていることはないだろうが、相当に集中出来る環境でないと厳しいだろうと予想していた。
ところがところが、ライブ仕立てのビデオ・クリップの中の彼は、様々なアクションを決めながら大暴れしながら余裕で弾いている。激しいアクションながら、ギターを触る手は軽やかで、かなり余裕の様子。トップ・プロのレベルの違いに打ちのめされたのを覚えている。

もちろんビデオは純粋なライブではなく、あくまで演技なのだが、実際の彼のライブでもビデオと変わりなく暴れ回りながらのプレーなので、その衝撃度は変わることはない。

2004年6月24日木曜日

Paradise City

Guns N' Roses [ Guns N' Roses ]

最近暑い!夏だ。クソ暑い夏にピッタリなのがこの曲だ。ビデオクリップは屋外でのライブ映像(Monsters of Rock)だったと思うが、広々した夏の空の下で汗まみれになってグルーヴに没頭したい気分になる。

出だしの歌詞が「Take me down to the Paradise City where the grass is green and the girls are pretty」だが、みんなどんなParadise Cityを連想するだろうか。
「the grass is green」という部分があるから夏っぽいのかもしれない。もう出だしのこの歌詞だけで曲への期待度が高くなってしまう。

イントロはギターだけ。それもクリーンな音のアルペジオで始まり、この歌詞が入って来る。「ズン、タン」だけのドラムも最高だ。この後、どんな展開になるのかワクワクしながら待つことになる。
そして「ジャーン」とフル・ボリュームのギター2本とベースが入って来るのだ。「おっ、来たな」と気分は最高潮に達する。思わず拳を天に突き上げたくなる。この部分は意外にもキーボードでメロディが入っているが、これも結構効果的だ。メロディといっても全音符だけのロングトーンなので、キーボードっぽさは感じずに広々した雰囲気だけを感じることになる。

そしていよいよ本編だ。ギターのリフが最高。これを聴けば誰でも思わず体が動いてしまうのではないだろうか。こういう、自然に体を動かしてしまうような力のあるリフこそが最高のロックのリフなのだろう。
その前の部分までで最高の気分なのに、更に最高のリフを続けられればもはやこの曲に逆らうことは出来ない。

「Everybody's doin' their time」の後に1発スネアをかまして再びサビに戻る。この戻りも最高だ。一緒に大声で歌ってしまう。上手い下手などまるで気にならない。皆で歌いたい。

この後、「So far way」の部分を挟むが、こうやって具体性を持たせず、適当にはぐらかすような歌詞が好きだ。

もう充分に盛り上がっているのに、曲の最後は更に盛り上げる。テンポを倍にしてギターソロの弾きまくり大会だ。ペンタトニック使用のシンプルでワイルドで勢い重視のソロだ。メロディックで起承転結があるタイプではないので、誰でも弾きまくれる。

体育会ノリのこういうロックこそ、頭であれこれ考えるのではなく、ただ精神を解放するのみで、ロックの醍醐味を示している最高級のロックと言えるだろう!

2004年5月8日土曜日

Old L.A. Tonight

Ozzy Osbourne [ O.Osbourne/Z.Wylde/J.Purdell ]

Ozzyのバラードは美しいものが多い。アルバムで曲順に聴いていくと、前の曲「My Jekyll Dosen't Hide」がかなりヘヴィな曲で、終わった途端にこの曲のピアノのイントロになる。この間髪入れない曲間が素晴らしい。動から静へのコントラストを際立たせることでこの曲の美しさが更に強調される。

タイトル中の「Old」は、もちろん誰でも知っている「古い」という意味だが、それだと何だか「古くさいロスの夜」というような否定的な意味に解釈してしまいそうだが、実は「old」には「懐かしい」というような意味もあるらしい。これだと途端に「古き良きロス」というような感じになって、曲調にピッタリ来るタイトルに思えて来る。
英単語は簡単なものほど難しい。

曲は美しいピアノを主体としたバラードだが、Zakkのギターが素晴らしい。バッキングではアコースティックも出て来るが、基本的にはエレクトリックによるギターワークなのだが、いつものヘヴィなものではなく、メロディックで優しい雰囲気だ。ヘヴィで荒々しい雰囲気が全面に出ている彼だが、実はこのようなプレイもお手のものなのだ。

曲のハイライトは中間のギターソロとその直後だ。
まずギターソロだが、前半はボリュームを絞って優しい音色で始まる。クリーンな音で弾くとか、アコースティックで弾くとかせず、そのまま歪んだエレクトリックで弾き、しかしボリュームを絞ることで歪みを小さくしているところが最高だ。こうすることで、何というか、郷愁が漂う気がする。エネルギッシュな昼のL.A.から一転して、静かで落ち着いた、そして昔を懐かしむ雰囲気も出るように思う。当然、ピッキングも軽めで弾いている。
後半は一気にボリュームを上げて盛り上げる。その変わり目をよく聴けば、音色の変化がギターのボリュームつまみの操作によるものであることや、連続して弾いていることが分かる。後半の入りも最高だ。ダブルチョーキングをゆっくりと持ち上げるのはジラシのテクニックというか、期待感を高めるし、単音でスキッと爽やかにしたのでは雰囲気に合わない。このにごり具合が良いのだ。

高音のメロデイの後は早めのフレーズで一気に締め、音を伸ばすことなく突然ソロが終わる。そしてすぐにOzzyのボーカルが入る。この瞬間こそがハイライト中のハイライトだろう。思わずゾクゾクと背中に鳥肌が立つ。まさかの展開。今までに一度も出て来ていない下降するコードのラインだ。こんなとって置きをここに持って来るとは最高のアレンジだ。

2004年4月11日日曜日

Iron Man

Black Sabbath [ F.Iommi/J.Osbourne/W.Ward/T.Butler ]

最近、久しぶりにこの曲を聴いた。ライブだ。バスドラで入って来るイントロからして最高にカッコいい。これ以上ないというくらいにシンプルだが、とにかくカッコいい。

Ozzyはソロになった後もライブでこの曲を演っているが、 このバスドラのイントロはカットされるのがほとんどだ。しかしそのライブでは珍しくちゃんと演奏されていた。Brad Gillis在籍時の貴重なライブ・ビデオだ。彼はアーム奏法が得意なので、このイントロはピッタリなのだろう。
Randy Rhoadsはこのようなシンプルで雰囲気のあるBlack Sabbathは苦手なようで、同じダークな世界を表現するにしてももっと複雑なものを好む。そのためにBlack Sabbathの曲ではソロもテクニカルで奇抜なものが多く、いまいちフィットしていない。
Jake E. LeeやZakk Wyldeはアームのないギターなので、この手のフレーズは、出来ないことはないもののわざわざやるほどでもないのだろう。

というわけで、この曲のバスドラのイントロはライブでは貴重なのだ。

音的には、ギターで一番低いローEの音を1音半持ち上げておいて、ゆっくりとワーンと降ろすだけだ。開放弦でなければチョーキングでどうってことないものだが、開放弦なので、アームでなければペグを回す等、特殊なことをやらないといけない。チューニングも狂いやすくなるし、たいていのギタリストはこの部分をそこまで重視することはないだろう。

さて、イントロのイントロだけで随分書いてしまったが、最も印象的でカッコいいのは、言うまでもなくメインのリフだ。最初の2拍で2音。ゆったりしたテンポの中の4分音符だ。
この2音がカッコいいのだと思った。後半はほとんどが8分音符になるので、ただの4分音符がすごくタメのある音に聴こえる。

この他に出て来るリフも半音階がカッコ良い。リフだけで出来ているような曲だが、ゆったりしとしたテンポにヘヴィなリフというコンビネーションは私にとって最高のグルーヴだ。

曲は後半にテンポアップするが、そこから後はおまけという印象。

2004年3月10日水曜日

2 Minutes to Midnight

Iron Maiden [ A.Smith/B.Dickinson ]

何と、Iron Maiden初登場だ。もう何度も登場していてもおかしくないくらい好きなバンドなのだが、今頃の初登場である。「Iron Maiden」とか「Aces High」とか、初登場に相応しい選曲がありそうなものだが、それも気紛れで決まるため、この曲で初登場を飾ることとなった。

この曲は名作『Powerslave』で「Aces Hight」に続いて2曲目に登場する曲だ。「Aces Hight」のような疾走感タイプではないが、アップテンポのハード・ロックンロールだ。「Aces High」でイキナリ最高潮に達した勢いをそのまま維持するに充分のパワーを持つ曲だ。

まず、リフがカッコいい。1980年代らしい開放弦を織りまぜた8ビートのギター・リフだが、2小節ごとに伸ばす和音にかかるビブラートがカッコいい。ワイルドな印象を与えている。

最初のヴァースとサビがアップテンポなのに対し、途中のブリッジ部でテンポが半分になる。よくあるリズム・チェンジではあるが、変化をつけられるし、何よりこれに続くサビで一気に盛り上げるには最高の効果になる。ここの部分のギターの3弦と4弦(おそらく)による和音が好きだ。最初は2フレットで1度5度(高低が逆なので度数は4度だが)1度3度に変化したりして、弾いていても何となく面白みがある。

この曲のギターソロは最高だ。特別テクニカルというわけでも感動的な泣きのフレーズがあるわけでもないのだが、ハマるソロだ。前半後半に分かれていて、最初はDave Murrayで後がAdrian Smithだろう。
前半はアームで変化をつけながら、ところどころに印象的なフレーズがちりばめられている。盛り上がりそうで盛り上がらず、一番最後にトリルで駆け上がるフレーズで締めるわけだが、少し音程の離れた音が登場するだけで気持ち良くなり、こういうソロもいいなとつくづく思う。
後半はキーが変わりテンポも落ちる。Iron Maidenは、2人のギタリストが順にソロをとる場合、出来るだけ違うバッキングパターンでのソロになるよう心掛けているそうだ。
後半のソロは音の選び方が面白い箇所が何回か出て来る。ペンタトニックによる単純なフレーズの中に出て来るので、特別斬新な音使いでないのにとても印象的だ。最後の方はタメの効いたフレーズの後、3連譜で下降し、印象的なソロを締め括る。
この後はバンドで合わせる部分が少しだけあるが、その合間にAdrianが弾くオカズ的なフレーズもまた印象的で耳に残る。そして耳に残っているうちにドラムが「ダダダダ」と盛り上げ、一気にリフ、そしてボーカルの部分に戻る。素晴らしいとしか言いようがない。

エンディング、ボーカルが「Midnight」と歌っている部分ではドラムがシンバルを入れる部分があって、これも印象的だ。効果的な演奏が随所に出て来る佳曲だ。

2004年3月7日日曜日

さくら

森山直太朗 [ 森山直太朗/御徒町凧 ]

昨年大ヒットした曲で、日本人なら誰でもウルウル来やすい卒業をテーマにした曲だ。この曲の歌詞を聞いてつくづく思うのは、卒業と桜の相性の良さだ。桜の美しさは1年の中ではほんの一瞬だけ。季節限定の、それも卒業の季節限定の美しさだ。

卒業というのは、自分が一歩成長した証であり、喜ぶべき節目であると同時に、友達や先生、中学時代や高校時代、大学時代といった自分の中の一つの時代との別れでもあり、これから始まる新しいステップへの不安も感じさせ、分かりやすいながらも微妙な感情が入り乱れるものだ。私は幼稚園の卒園式ですら同様の気持ちを持っていたことを今、思い出した。
この複雑な感情は桜の見事な美しさ、はかなさ、散り行く様、そしてまた来年へという希望などとオーバーラップさせやすい。「また来年」と言えど、忙しくて会えないかもしれないし、死んでしまっているかもしれないし、少なくとも今までのように毎日会うことはない。来年のことなど誰にも分からず、はかない願いだ。
「泣くな友よ、今、惜別の時。飾らない笑顔で、さあ」などと言われると余計に泣けて来る。別れが悲しい、会えなくて寂しいという感情だけでなく、今まで楽しかったね、ありがとうという感謝の気持ち、それぞれの道を頑張ろうという勇気など、様々な感情が混ざっている。

これを書きながら、日本でも入学を秋にしたらという声も聞くが、やはり卒業は桜と一緒に、と思った。

曲はピアノの伴奏だけのシンプルな曲だ。曲の構成そのものもかなりシンプルだが、サビの後半の部分の、「さらば友よ、旅立ちの刻」のコード進行が「A」 「E」 「F#m」 「C#m」で、その後の「変わらない笑顔で」の部分が「D」 「AonC#」 「Bm7」 「Esus4」 「E」となっていて、ベースの下降が綺麗だ。(例によってキーは少し違うかもしれない)

歌はファルセットを多様しているが、メロディの途中や歌詞の単語の途中で切り替えているところを見ると、たんに高音が出ないからファルセットにしているだけだろう。何度もスイッチする時は少し違和感を感じるが、歌詞に浸っているからそれほど問題ではない。

この曲を初めて聴いた時は、「卒業&桜なんて大昔からあるテーマを、いかにもというクサい歌詞で大袈裟に歌っているなぁ」と批判的に思ったが、しかしどれだけクサくても、このテーマは日本人の気持ちをとらえやすいのだなと思った。大ヒットして、夏になっても秋になっても冬になってもテレビやラジオでかかっていることにも嫌気がしそうだが、春を感じるこの時期になると、いつの間にか口に出て来るところに日本人を感じる。

2004年3月1日月曜日

白色彗星

宮川泰 [ 宮川泰 ]

映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』に出て来る強大な敵・白色彗星帝国のテーマソングだ。かなり印象的な曲なので、知っている人はすぐにピンと来るだろう。
あまりに強い相手で、見せしめのため月は吹っ飛ばされ、最後は主人公が命をかけて相討ちの玉砕でエンディングを迎えるという凄まじい内容で、悲しく寂しい気持ちで見終えた記憶がある。
それでいながら、この作品が『ヤマト』シリーズの最終回ではなく、この後、何作も続くのだ。この映画の後、テレビ版で、玉砕しないエンディングに変更され、それに続く形で話しは続く。子供ながらに違和感を覚えたものだ。

それはともかく、昔の子供向けアニメの曲と言ってバカにしてはいけない。とても荘厳であり、且つ敵のテーマに相応しい邪悪な感じや強大な感じが出ていて、素晴らしい曲なのだ。

まず第一にサウンドだ。パイプオルガンを使用している。昔はパイプオルガンといえばキリスト教の教会音楽用楽器と言っても良いほどで、神様のイメージにつながる。強大さを表わすにはピッタリだ。人間が神様に叶わないように、パイプオルガンの響きを持つ白色彗星帝国にも叶わないという雰囲気が漂う。

曲は最初に低音だけでテーマのメロディが流れる。長めのメロディを2回繰り替えし、アヤシイ雰囲気を強調している。
3回目。突然、それまでのゆったりとしたメロディに対する伴奏として16分音符でのアルペジオ的なフレーズが加わる。あまりの対比に、凄い早弾きに聴こえてしまう。

MIDI データファイルがダウンロードできます ]
(上記MIDI音源では3回目の早弾き部分からになっています)

この音使いがなかなか凄い。ハッキリ言って全てコピーするのは私には無理だ。一生懸命聴いたが、パイプオルガンの響きは倍音が多いため、聴き取りきれない。それでも雰囲気は分かると思う。
コード名が分からないような複雑な音使いも出て来て、難易度はかなり高い。キーボードやピアノで弾けるように何度かトライしてみてはいるが、とても難しい。

それにしても、この曲は本当にカッコいい。この早い16分音符が出て来るメインのパートの後もクレイジーな雰囲気を伝えるパートが出て来て、特にパートの最後を締める箇所に1拍目が休符で2拍目がコードをのばすパターンがあるが、一発でパイプオルガンみ魅せられてしまう効果が絶大だと思う。

2004年2月29日日曜日

ソイトゲヨウ

拝郷メイコ [ 拝郷メイコ ]

bayfmの昼の番組でしょっちゅうかかるために覚えてしまった曲。
おそらく、優しく暖かい気分になって癒されるような雰囲気や、その中にも生きてゆくというメッセージ性も含まれる歌詞が評価される曲だろうと思う。

「君じゃないと死んじゃうなんて、まさかそんなはかない命じゃないよ」「でも君の隣ならばきっと一番可愛い私でいる」のような表現は、ありそうであまりないと思う。
「君でないなら死んでもいい」というものならよくあるだろう。 同じメロディの繰り返しで「夢をみよう」「恋をしよう」「汗をかいてちゃんと食べてうんと眠ろう」「ソイトゲヨウ」「いつの日か紛れもない愛を知ろう」とある。
なんとなくJohn Lennonとかぶる気もする。

「ソイトゲヨウ」はもちろん「添い遂げよう」の意味だ。
どうしてタイトルが片仮名なのだろう。答えは分からないが、カタカナで書くと、文章ではなく一つのキーワードのように感じられるなと思った。
普通に「添い遂げよう」と書くと何だか大袈裟な話しになってしまうが、もっと軽い感じにしたかったのではないか。重い内容でも軽く考えるところから始めなければ、考える機会すらなくなってしまう。

しかし、私が気にいったのは、実は歌詞ではない。歌詞も良いと思っているが、一番気に入ったのは声だ。そう言われても、多分、本人は喜ばないだろう。この曲と、拝郷メイコという名前と、作詞作曲が彼女だということ以外は何も知らないが、ソングライターでメッセージ性のある曲を書いているとなると、一番重要なのは曲であり、どれだけ伝わるかだろうと思う。声や容姿の二の次と考えているのではないだろうか。

声を気に入るというのは、もしかするとシンガーとしてではなく、たんに女性の声としてかもしれない。(アーティストとしては尚更嬉しくないだろう)
幼さの残る甘い声とでも表現するべきか、こういう声を出す女性には共通の骨格がある。声質の多くは骨格で決まるのだから当然だが。アゴが横に広がっているような感じで、口が比較的大きめ。横にキューッと広がる感じ。下膨れという意味ではない。(こう書いてもイメージ出来ないだろうし、訳が分からなくなるので詳しくは書かない)
とにかく、口やアゴが好みである可能性が高いということだ。

実は彼女の顔は見たことがない。調べれば見れるだろうが、イメージを大事にしておくことにする。

2004年2月21日土曜日

You Really Got Me

Van Halen [ R.Davies ]

Van Halen衝撃のデビュー・アルバムに入っている曲だ。前の「Eruption」にド肝を抜かれて呆然としていると、たたみかけるように入って来るヘヴィなリフに再びKOされてしまう。とにかくカッコいいの一言!
最高のギター・サウンドだ。今でもこのアルバムのEddieのギターの音がベストだという人は多い。

さて、この曲は実は彼らのオリジナルではない。少し古いロックも好きな人ならよく知っているだろうが、Kinksという1960年代のイギリスのバンドの曲だ。
録音技術の進化のおかげで、10年以上も後のVan Halenの方が当然、良い音で録音されているが、演奏そのものは基本的には似たようなアレンジだ。「Kinksの曲をそのままやってみました」という感じである。

しかし、どう聴いてもVan Halenなのだ。そこが凄い。
まずはギターだ。合間にオカズを入れながらヘヴィなサウンドでワイルドに弾きまくっている印象だ。これだけで同じ曲が随分新しく聴こえるものだ。
ボーカルはオリジナルと近い感じだが、シャウトがDaveらしい。
リズム的にもオリジナルより早くなっていて、スピーディでキレが良い印象になっている。

演奏そのものはオリジナルに近い感じで、一番の聴きどころはやはりギターだ。ソロは古いロックンロール・タイプのチョーキングで入っておいて、途中でEddieのトレードマークであるライトハンドを絡める。
前の曲の「Eruption」はギターだけのソロのような曲で、ライトハンド奏法にビックリしつつもフリーで何でもOK状態なので曲にどう生かすかとは別のものだった。しかし続くこの曲で早くもその回答を示しているところが凄い。

もう一つ、この曲にはトリックがある。それはイントロだ。
ドラムもなしでギターだけでリフが始まる。どういうリズムで聴こえるだろうか。
普通に(?)音を追っていると、リズムが入ったところで突然リフが変化したように感じるのではないだろうか? 

頭から「ソララソ ラ」と聴こえるかもしれないがこれはリズム遊びの一種で、実際は、最初の「ソ」は前の小節の4拍半の音で、頭からは「ララソラ(1拍半休符)ソ」なのだ。 錯角させるのは、多分最初の「ソ」の前に入るギターのノイズだろう。ノイズといっても、もちろん意識してわざとに入れている音だ。「カカッ」と入るアレだ。 よく聴いてみてほしい。回答はKinksの方に書く。(^_^)

2004年2月14日土曜日

Strutter

KISS [ P.Stanley/G.Simmons ]

今日はバレンタイン・デー。そんなこととは何の関係もなく、KISSである。ド派手なメイクやステージ・セットで有名な彼らだが、意外にも(?)曲は素晴らしいものが多く、ただのイロモノではない。実は私は大ファンなのである。

大ファンの理由は、やはり曲なのだが、大きく分けて2種類のタイプが好みと合致する。 一つはBeatlesの影響を感じさせる素晴らしく美しい曲。Paul Stanleyの曲に多いがGeneのにもある。
もう一つは、Black Sabbathをアメリカンにしてオドロオドロしさを抜いたような骨太ロックだ。音が太いだけでなく、曲も芯がバチッと決まっていて、余計な装飾は最小限しかない。これは私がBlack Sabbathを好きなのとほとんど同じ部類のものだ。

さて、本日の曲「Strutter」だが、明らかに後者に分類される曲だ。KISS流骨太ロックの典型例だろう。
ギターのバッキングを聴けば、すぐにこれが古いロックンロール・タイプから来ていることが分かる。1950年代に繰り返されたギターのバッキングそのまんまだ。
これを歪みを持った太い音のギターでミドルテンポで弾く。メロディは1950年代ならメジャー系だろうが、KISSはマイナー調だ。これだけで最高にカッコいい。
メイクを含めたアヤシイ雰囲気のせいか、何かが起こりそうな惹き付けられる感覚すら漂う。

それでいながらサビはBeatlesバリのボーカル・ハーモニーだ。高音部はGeneだろうか。あれでGeneは結構高いパートを歌う回数も多い。

Beatlesバリの部分は一瞬だけで、すぐにAceがヘヴィなリフで切れ込んで来て骨太ロックの雰囲気に戻る。素晴らしくカッコいい!

ロック・ソングの善し悪しにはリフが重要な役割を果たす。カッコいい曲にはカッコいいリフがつきものだ。
この曲の場合、50年代風バッキングが最初のリフともいえるが、Beatlesバリのパートの直後の「Strutter!」と叫ぶ部分のリフが最高だ。とてもシンプルなところが骨太感を強調していて尚良い。

ギター・ソロ。やはりとてもシンプルで骨太だ。ペラペラの音で流麗に弾かれてもちっとも魅力ではない。どんなソロを弾くにしろ、サウンドはズ太い音であることが条件だ。
Aceのソロは本当にシンプルで誰にでも弾けるような感じだが、起承転結がハッキリしているせいかスリリングな感じがする。テクニックがなくてもカッコいいソロが弾けるという代表例のようだ。

最近、アメリカではKISSとAerosimithが一緒にツアーをしたようで、Joe Perryが飛び入りでこの曲をプレイしたそうだ。聴いてみたいものだ!

2004年2月10日火曜日

The Way It Is

Bruce Hornsby & The Range [ B.R.Hornsby ]

先日、ラジオでかかっているのを聴いて一発で気に入ってしまった曲だ。調べてみると、実は1986年のNo.1ヒットだった。
Bruce Hornsbyという人もまったく知らなかったのだが、かなり有名な実力派ミュージシャンで、Huey Lewis & The Newsの「The Valley Road」、Don Henleyの「The End Of The Innocence」といったヒット曲も彼のもので、他にもGrateful DeadのメンバーとしてやBob Dylan、Leon Russellといったベテランとの活動も知られている。知らなかったのは私ばかりなり。(^_^;

さて、この曲に限らず、彼の曲はどれもピアノ・サウンドが目立っているが、初めて聴いた時は最近録音されたMIDI系の音かと思った。しかし1986年なので自分で弾いているのだろう。音は本物の生ピアノとは思えないほどアタックが強くキラキラしたサウンドだ。しかし薄っぺらな音ではなく、私の大好きな中低音の暖かみは豊かなので問題なし。曲の構成はかなりシンプルなのに、なぜか盛り沢山に聴こえるのは、やはりこのキラキラのピアノ・サウンドのせいだろう。

ざっと曲をコピーしてみると、コード進行は「Am7」 「Em7」 「D」 「C」 「G」 「D」 「C」の繰り返しがほとんどだ。かなりシンプルだ。
「D」と「C」と「G」は何の数字もつけずに書いたが、実際は色々な音が混じっているので、複雑なコード名をつけるべきかもしれない。基本的には9thの音を多用していて、この3コードの時も多く出て来ている。7thもよく出て来て、これらの音がカッコ良く散りばめている感じ。

イントロの後、リズムが入って来るとすぐにピアノがバーンと3つのコードを順に鳴らす。裏で入るタイミングが最高にカッコ良い。コードでは「C」の部分で、最初が「ドレソシ」、次が「ドレソラ」、最後が「ドミソ」だと思うが、9thにトップの音が下がって来るパターンといえるだろう。このヴォイシングにもセンスを感じる。

サビに当たる部分と言えるのか、この最初のパターンから変わる部分もピアノがカッコ良い。音は「G」の時に「ラ」「シ」「ソー」、「F」の時に「ソ」「ラ」「ミー」、「C」の時に「レ」「ミ」「ソー」となる。やはり9th重視だが、この音の選び方!すぐには音をとれずに何度も聴き直してしまった。

ソロも聴きどころだ。基本的にはコードトーンを中心に崩しているのだが、とにかくカッコ良い。全部は紹介しきれないので、先のコードの繰り返しのうち、3回目の出だしの上昇ラインを例にすると「Am」の時が「ドミラシ」「ラレミミ」、「Em」の時が「ラシシレ」と来て下降ラインに入り「ソファ#レシ」。更に「D」の時は「ミレシファ#」と「レシソレ」、「C」の時は「ラソレシ」といった感じ。上昇ラインでは同じ音を連続するところもカッコいい。
選ぶ音は基本的にコードトーン、プラス7th、9thといったところなのが分かると思うが、スケールで考えてその場で弾いているだけかもしれない。

こんなピアノをさらっと弾けたら最高だろうなと思い、これからピアノに向かうところだ。

2004年2月4日水曜日

Jim & Janeの伝説

チェッカーズ [ 鶴久政治/藤井郁弥 ]

いきなりチェッカーズである。この曲はいつの時代の曲だろうか。1980年代なのは確かだと思うが定かではない。恐らく80年代後半だろう。久しぶりに思い出したこの曲、チェッカーズの中でもかなり好きな曲なのだ。「神様ヘルプ!」のようなおバカな曲より何倍も良い。
チェッカーズ自体にはそれほど思い入れがあるのではないが、かなり人気があったし、妹や弟が好きだったせいで、耳にする回数は多めだった。Beatlesっぽい戦略で売ろうろいう部分もあったのではないだろうか。当時、何度も「Beatlesみたいなやり方だな」と感じた覚えがある。

さて曲だが、好きな理由は、歌詞と曲の雰囲気が自分の中でマッチするからだと思う。日本語の歌詞の曲は、どうしても英語の曲よりも歌詞の比重が大きくなってしまう。
この曲の舞台は夜の道路で、バイクで飛ばしている。彼氏を事故で失った彼女を乗せて、彼氏を偲んでいる。だから楽しいドライブではない。
それでいながら他の車の赤いテールランプや対向車線のヘッドライト等が輝き、華やかなムードもある。悲しい場面に美しい風景。人の心は、たいてい複数の感情があると思う。1種類の感情だけということは稀だろう。特に相反するような感情が同時にあって、その複雑な気持ちを歌うような曲に魅力を感じる。

悲しい気持ちと嬉しい気持ちを歌う場合、大抵は悲しい歌詞に明るい曲調になるように思う。
この曲の場合もこれに似ていて、流れる車の輝きの風景と曲のイメージが合っているように感じるのだ。
走って行く車、走り抜ける事故現場といった次々に流れる風景は、時間の流れを強く意識させる。「動かない瞳が静かに濡れてゆくよ」という部分は、無情に過ぎて行く時間の流れの中で、彼氏と彼女の間の止まった時間を表わしていて、一方の時間は止まったまま、もう一方の時間も一緒に止めたいのだが、テールランプは次々に流れて行く風景。

この物語の中の「悲しみ」はとても分かりやすい悲しみだが、別に誰かが死んだりしなくても、誰にでも悲しみはある。その悲しみを振り切っていこうとするエネルギーを感じたい。爆音を轟かせながらバイクをぶっ飛ばす。若いエネルギーが一つの試練を越えようとする時の気持ちは誰にでも経験があり知っているはず。

悲しみ、流れ行く美しい夜の風景、若さ、越えて行く勇気。これらが分かりやすく伝わるのが魅力だ。

2004年1月29日木曜日

Tutti Frutti

Little Richard [ L.Richard ]

「ロックの王様」といえばChuck Berry。ロック・クラシックスをたくさん輩出したし、ロック・ギターの基礎を確立した。
しかしLittle Richardもこれに匹敵する存在だと思う。

何と言っても凄まじいばかりのボーカルだ。声は太いし、シャウトは最高だし、歌い回しも上手い。おまけに彼はサービス精神が旺盛なのか、たんに目立ちたがり屋なのか、衣装も派手派手なのが多く、見ているだけでも楽しい。そのスター性と迫力のボーカルだけで充分にロック界の王様クラスだ。直立不動で綺麗に歌い上げるスタイルのポップス界の常識からすると、とんでもなく野蛮で無茶苦茶なヤツという印象だったのではないだろうか。しかしそれが黒人・白人問わず熱狂させている。これぞ「ロックンロール!」と言いたくなる。

ちなみに、後に彼は牧師になったというが本当だろうか?

で、曲だが、実はこの曲は先にPat Boonがヒットさせている。もちろん、Boonの方がカバーだ。カバーと言ってもほとんど同じなのだが、Boonの方が軽やかで聴きやすい。Little Richardの方はパンチがある。何と言っても一番の違いはBoonは白人だということだ。白人音楽が白人にウケるという自然な流れとなる。
1956年、ロック黎明期のことである。

しかしBoonバージョンのヒットのおかげで、Little Richardも日の目を見ることが出来たとも言えるだろう。この曲を演奏すれば喜ばれるし、自分の曲なのだから誰も文句はない。
ピアノの鍵盤をぶっ叩きながら歌う姿は最高にカッコいい。まろやかなBoonの歌と聴きくらべると、ロックがどういうものかよく分かる。

決めは「A Wop bop a lu bop ba lop bam boom!」だね!

2004年1月22日木曜日

Colors

Saigon Kick [ J.Bieler ]

それほど有名でないフロリダのハードロック・バンド。東南アジアではそれなりに人気があったらしい。なぜこのバンドを知っているかというと、1991年のOzzy Osbourneのコンサートに前座として登場したからだ。 「あまり興味ないな」と思いつつも何となく聴いていたのだが、曲が進むにつれどんどん引き込まれ、この曲を演奏した時はすっかりお気に入りのバンドになっていた。
この時のOzzyの来日公演には2日連続で行ったのだが、2日目には前日が予習になっていたので、この曲を含め、ジックリと堪能することが出来た。
ライブから先に入るパターンはかなり珍しい。

このSaigon Kickというバンドだが、冒頭ではハードロック・バンドと書いたが、ジャンルを特定するのはなかなか難しい。クレイジーなメタル・ソングもあれば、この後流行するオルタナティヴのような曲もあり、かなりのポップ・チューンもある。Beatlesの影響も受けているであろう、印象的なコーラスワークも聴きどころだ。
トレードマークのボーカル・ハーモニーは、正にBeatlesのJohnとPaulばりで素晴らしい。ほとんどツイン・リードボーカルと言えるほどの迫力だ。ギタリストがハーモニーをつけているのだが、実際、後にリードボーカルが脱退した後は彼がボーカルも兼ねたようだ。

さて、この曲はバラードの部類に入る静かな曲だが、やはりハーモニーが印象的だ。同じコードで始まり、似たコード進行でのメロディだが、最初のハーモニーはルートに対し3度と5度、サビは1度と3度でハモる。

後半に2度転調があり、これがまた効果的で面白い。1回目の転調は全体が1音上がるもので、盛り上げるためによく使われる手法でどうということはない。しかしこの転調の後すぐにまた転調する。

最初に聴いた時は、この2回目が転調なのかどうかも分からなかった。似たメロディでマイナースケールになったのかとも感じたし、転調かどうかすら分からず、どういうコード進行になったのか即座には分からなかった。 答えは単純。たんに元に戻っただけ。つまり全体が1音下がっただけだ。慣れない進行を目の当たりにすると、実にいい加減な推測をするものだ。
元のコード進行は「Bmadd9」 「G」 「D」 「A」。すると2回目の転調直前のコードは「B」で終わり、1音下がり「Bmadd9」に戻る。このためメジャーからマイナーへ変わったように感じたのだ。音で言うと最後の音が「D#音」と「F#音」のハーモニーだったのが、1音下がった出だしは「D音」と「F#音」で、「マイナー化」が強調された感じになる仕組みだ。凄い。
この2回目の転調がとても印象的だった。

この曲を気に入ったもう一つは歌詞だ。「何だろう?」と思わせる歌詞の出だしはとても好きだ。いきなりその世界に引き込まれるからだ。この曲の出だしは「I can see the future」だ。「えっ?」と思い、イキナリ聞き入ろうとしてしまう。

それからボーカルの低音も魅力的だ。何箇所かとても低い部分が出て来るのだが、ハイトーンを上手に出すボーカルは多いが、ディープな低い声は高い音に負けず魅力がある。意識してのことか分からないが、ハーモニーの部分でも低音が目立つようになっている気がする。

基本的にヴァースとサビの2パターンしかない曲で、しかもコード進行が似ており、転調を無視すれば4種類のコードしか出て来ないのだが、こんなにも美しい曲になるとはと驚く。

2004年1月20日火曜日

Rock Box

Run-D.M.C. [ J.Simmons/L.Smith/W.Waring/D.McDaniels ]

ラップである。私はラップ・ミュージックのファンではない。曲には核となるメロディがほしい。リズムとMCだけでは、音楽として聴くには少し寂しい。おまけにリズムは機械的で単調なものが多いのも難点だ。グルーヴがなさすぎる。ラップが好きな人の中には「このグルーヴが最高」と言っている人もいるが、少なくともリズムで最も重要なドラムにはグルーヴはないのを分かってほしい。

さて、批判をするためのコーナーではない。Run-D.M.C.は、ラップを世に送り出した多大な功績がある。もともとはラジオのDJが、かけている曲のリズムに合わせて曲紹介をしたりしていたものが始まりというが、言葉をリズムに乗せてメッセージを伝えるという手法はとても面白いし、当時としてはとても斬新なアプローチだったと思う。
しかし、それもラジオのDJだからカッコいいわけで、ライブ・ステージでそれだけを聴くとなると、ノリとメッセージを聴きに行くということになり、音楽というよりは演説を聞くのに近い気がしてしまう。まして、日本人にとって英語の遊びを聞き取るのは難しい。聞き取れない演説は最悪だ。

で、この曲「Rock Box」である。一言で、カッコいい!!
散々批判をしておいてこういうのも何だが、一発で気に入るカッコ良さだ。充分ロックしているし、ドラムも明らかに人間のノリだ。グルーヴがある。

気に入る理由は明確だ。歌詞ではない。対訳でも見ない限り、聞いて理解するのはとても無理だ。
それは、まず第一にバリバリのロック・ギターが入っていること。サウンドも良い。最初のソロはほとんどメタル系のソロだ。それで「おっ」と思わせておいて、シンプルながらとても印象的なリフに入る。それも太いサウンドのギターによる。ここにリズミックなラップが入るわけだが、メロディ不足はこの印象的なギター・リフがカバーしているので全く気にならない。それどころか、リズムのアクセントを強調するような2人のコンビネーションがカッコ良さを引き立たせている。


ラップが好きでないこの私を一発でKOするとは恐るべき曲だ。(笑)

2004年1月19日月曜日

Road To Nowhere

Ozzy Osbourne [ O.Osbourne/Z.Wylde/R.Castillo ]

何と、これがOzzyの初登場だ。もう何度も登場していてもおかしくないはずだが、とにかく初登場だ。Ozzyの初登場なら、本来はRandy Rhoadsの曲にしたいところだが、気分で決まるコーナーだけにこういう選曲になってしまった。

さて前置きはこのくらいにして「Road To Nowhere」である。1992年の大ヒットアルバム『No More Tears』に入っているゆったりとしたナンバーで、バラードというのは少し違うがノリノリの曲でもない。
ギタリスト探しの名人・Ozzyの曲は、そのギタリストの影響を受けているのがはっきり分かる曲が多い。初代・Randy Rhoadsの曲はクラシカル、2代目・Jake E. Leeの曲はL.A.メタル、そして3代目・Zakk Wyldeの曲であるこの曲はカントリーっぽさが出ている。これらにダークで破壊的な雰囲気とポップさのOzzy印を押すと出来上がりというわけだ。 この曲最大の魅力はZakk色であるカントリーっぽさだと思う。Zakkも他のギタリストに負けず、充分にテクニカルなギタリストだが、この曲は細かなテクニックを超越している。

私はよく一言で表わして「大陸ノリ」と表現している。コマゴマ・チョコマカしたものではなく、ドーンとゆったり、大きく構えた、正に大陸的なスケールのノリという意味だ。言葉で説明しても分からないだろうから、聴いてもらうしかないのだが。

静かなアルペジオのイントロに続いて登場するギターのメロディ。気持ちの良い伸びやかなフレーズで、特にスピードのある部分もないし、特殊なサウンドでもない。高度なテクニックも何も必要のないシンプルなものだが、これを弾くのは難しい。ビッグなドラムのリズムも重要だが、普通に弾くと退屈極まりない、とてもつまらないフレーズになってしまう。微妙なビブラートや音程、リズム感が重要で、そういう意味ではテクニカルと言えるが、とても単純そうに見えて、ここまで気持ちよく弾くのは至難の技だ。
広い大地とスカッと爽やかに抜けた青空を思い出させる。そしてこのフレーズの終わりと同時にピッキングの強弱でOzzyの歌の世界へと入り現実に戻る感覚。素晴らしい!

ギターソロもアドリブで気分重視で弾きつつも、基本は「大陸ノリ」。時にドラムのリズムと絡んだり、本当に楽しそうなのが聴くだけで分かる。最高級のソロだろう。

2004年1月12日月曜日

Money Honey

Elvis Presley [ J.Stone ]

ケーブルテレビのヒストリー・チャンネルで『ロック・ヒストリー』という番組が放送されている。毎週30分程度の番組なのだが、貴重な映像が見れたり、様々なアーティストが登場したりするので良い勉強になる。

その番組の本編の後に、10分程度のダイジェスト映像が流れるのだが、その一番手がこの曲なのだ。毎週聴いているせいか耳に残って仕方がない。2004年早々には番組は終了してしまい、現在は1980年代のMTVの話題なので、Presleyの時代とは全然違うのだが、80年代のポップ・ロックやラップを聴いた後にPresleyを聴くととてもカッコ良く聴こえる。私は80年代よりも、50年代や60年代の方が好みなのだろう。
ちなみに、そのダイジェスト映像はその後、Buddy Holly, Little Richard, Chuck Berry, Beatles, Stones, Bob Dylanと続く。なかなかオイシイ。

1950年代後期は、今から50年近くも前になるが、その映像での「Money Honey」はとてもクリアだ。音も映像も素晴らしく、Elvisの弾くアコースティックギターがとてもカッコいい。たんにコード弾きをしているだけなのだが、とてもシャープなのと、ボーカルのリズムとマッチしている。歌詞も無理矢理つめ込んだようなものではなく、音符に合っていて聴きやすくノリやすい。出だしは「You know, the landlord rang my front door bell. I let it ring for a long, long spell.」だが、「ユノザ、ラーン、ロー、ラン、マイ、(フ)ローン、ドー、ベー」のように、伸ばす音が目立っていて、とてもリズミックに聴こえるのだ。

単純な3コードの曲とバカにしてはいけない。やはり一時代を築いただけのことはある。サビの直前で演奏がブレイクした時のボーカル、つまり「And asked him to tell me whatユs on his mind.」の部分が最高にカッコいい。2箇所のシャックリ唱法が効果的で、続く「He said」が更にカッコ良く聴こえる。

2004年1月2日金曜日

Mother Nature's Son

Beatles [ J.Lennon/P.McCartney ]

昔から大好きな曲。大自然を感じさせる雄大な雰囲気が最高だ。
曲はPaulがアコースティックギター1本でたんたんと歌っている、とてもシンプルな曲だ。ギターも特に難しい箇所はないので、少し練習すれば誰でも弾けると思う。
とは言え、そこはBeatles、何の工夫もないような曲ではない。例えば、コードの「A」と「D」が入れ替わりに出て来る部分も、そのままのコードを弾いてもいまいちバラバラした感じで雰囲気が出ない。押さえ方を少しだけ工夫する必要があるかもしれない。
最も面白いのは、「テュテュテュ」の部分だろう。パッと聴くと気づかないが、よく聴くとギターとボーカルとでハーモニーになっている。最初のコードはたんなる「D」だが、ボーカルのメロディに合わせるように、1拍毎に「A音」「F#音」「G音」「A音」がトップの音として使われている。コード「D」からは外れる音も押さえ方を変えて使われている。

このボーカルとギターのハーモニー部に続いて、下降していくような部分も特に美しい。「D音」が半音ずつ下がって行って、「G」「Gm」「D」と続く。素晴らしい!思わず「Yeah」と言いたくなるが、Paulもここで言っている。

この後、アルペジオっぽい間奏になる。ここはギターが2本ないと出来ないが、やはり美しい。私はこの曲は一人でしか弾いたことがないため、アルペジオの方はコピーしたことがないが、2人ギターがいればこちらを弾いてみたくなるパートだ。
ちなみに、一昨年のPaulのライブではこの曲をPaulがギター1本で弾いた。間奏部はどのようになるのか注目していたら、全然別のコード進行で「Mother Nature's Son」を連呼するパートに変えていた。やはり間奏はギター2本で味が出るパートなので、一人ではやっても意味がないと判断したのだろう。

右上から聴ける私の演奏もその時のPaulのを参考にしている。