2018年5月11日金曜日

Train Kept A Rollin'

Yardbirds [ Tiny Bradshaw/Lois Mann/Howie Kay ]

Yardbirds の代表曲で Aerosmith もカバーしている有名曲だが、ルーツを探っていくとなかなか面白い曲だ。

Yardbirds のオリジナルではなく、作曲者の一人である Tiny Bradshaw の曲だ。1951年のブルース曲で、「Train kept a rollin'」「All night long」の掛け合いが楽しい曲だが、肝腎のあの印象的なリフはない。つまりあのリフは Yardbirds のオリジナルなのだ。
と思ったら、実はそうでもないようだ。Yardbirds が参考にしているのは、オリジナルの Tiny Bradshaw ではなく、1956年の Johnny Burnette Trio らしい。このバージョンにもあのリフはないのだが、面白いことにこのシングル盤のB面曲『Honey Hush』が何とあのリフなのだ(ちょっと違うが)。つまり Yardbirds のJeff Beck は Johnny Burnette のシングル盤を聴いて「B面のリフにA面の歌詞やメロディを乗せたら面白いんじゃね?」と思ったわけである。つまり、Yardbirds のあの名曲は、リフを作った Johnny Burnette Trio の Paul Burlison と、その良さに気づいた Jeff Beck がエライということになる。

ちなみに、70年代のバンド Foghat は、『Honey Hush』をカバーしているのだが、普通に聴けば『Train Kept A Rollin'』かと思ってしまう。本来こちらの方が『Honey Hush』らしいのだが、Yardbirds より後の時代だと『Train Kept A Rollin'』になってしまう。

更に面白いことに、というかややこしいことに、1967年の映画『欲望(Blow-Up)』の中で Yardbirds が『Train Kept A Rollin'』を演奏するシーンがあるのだが、権利を持つ音楽出版社が多額の利用料を要求したので、歌詞のみ変更し『Stroll On』という曲として演奏している。Jeff Beck と Jimmy Page のツインギター時代の貴重な映像として有名だ。

しかし考えてみると、これは『Honey Hush』のリフに『Stroll On』の歌詞ということになるので、『Train Kept A Rollin'』は無関係とも言える。しかし一般的に『Train Kept A Rollin'』の改作ということになっているのは、やはりあのリフのイメージが非常に強いからだろう。

各曲、各バージョンは Youtube 等で簡単に調べられるのでご参照あれ。

0 件のコメント:

コメントを投稿