Kinks [ Ray Davies ]
60年代ロックの代表曲。イギリス・Kinksの最大のヒット曲だ。1964年だから、Beatles絶頂期、Stonesは大物になりつつある時期だ。
この曲は「ヘヴィメタルを発明した作品」と呼ばれることも多いが、今聴くと全然そんな感じはしない。何が「発明」かというと、このリフだ。もっと言えば、ギターが1度5度での弾き方を連発していることだ。後の世でいう、いわゆるパワー・コードだ。それまでは、ここまで徹底的にパワー・コードを多用したリフはなかったと思う。Stonesの「Jumpin' Juck Flash」もBlack Sabbathよりもずっと前だ。
それに加えて、サウンドも特筆すべきものだった。ディストーション・サウンドだ。まだエフェクター等ない時代、壊れたスピーカ(意図的に壊した)から出たワイルドな音を気に入ってそのまま採用したものだ。サウンドが歪んでいるのでパワー・コードということになったのだろう。だからサウンドが先というわけだ。まだStonesの「Satisfaction」登場前のことだ。
また、ロックの都市伝説(?)として、この曲のソロをジミー・ペイジが弾いているのでは、というものがある。当時、KinksのギタリストのDave Daviesは弱冠17歳だったし、一方のペイジは様々なセッション活動をしていて、実際にKinksの1stアルバム(この曲も収録されている)でリズム・パートを弾いている。
しかし、この曲は他の1st収録曲に先だって録音されており、ペイジ本人もこの噂を否定している。
何より、ソロの内容はまるでペイジっぽくない。チョーキングしてルート音になる音を中心に、あまり工夫のない勢い一発で弾いたようなフレーズだ。あまり上手くもない。もしペイジが弾くことになれば、それはプロとしてギャラに相応しいものを提供しなければならないから、勢い重視にしろもう少し考えたフレーズになるのではないかと思う。
Van Halen同様、オリジナルのKinksも「ファソソファ ソ」と聴かせるのをワザと狙っているのではないかと思う。そう思って聴いているとドラムが変なところで入ってくるので、訳が分からなくなるという仕掛け。Van Halenの場合はこれに更にギターのノイズで「カカッ」と入っているので混乱度合いが増すのだ。「カカドン 」「ソソファソ」と聴こえればそれが正解。
どちらも最初の1音を前の小節の最後だと思って聴いて、2音目が頭だと分かれば問題ない、ちょっとしたリズムのイタズラといった感じの遊びだ。
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