2018年10月7日日曜日

Shot In The Dark

Ozzy Osbourne [ P.Soussan/O.Osbourne ]

Ozzyの1986年にシングルになった曲。ギタリストはJake E. Leeだ。この曲のみベースのPhill Soussanの作で、他の曲よりポップだが、個人的にはOzzyで一番好きかも。(邦題では「暗闇にドッキリ!」なんて間抜けなタイトルがついていたが)

ジェイクらしく、色々なギターの技が使用されているので、それを見ていこう。(これらの独特の技をジェイク・フェイクという)
まずはギターのチューニングだが、アルバム全体で全弦半音下げになっているが、その状態から5弦と6弦のみ1音上げる。つまり、ノーマルな状態から5,6弦は半音上がっているわけだ。変なチューニングで他では見たことがない。多分、メインのリフに5弦の開放を絡ませたいための工夫だろう。開放を使えるなら、その他のフレーズを高めのポジションにしても問題ないからだ。

で、メインのリフ。5弦の開放以外の音だが、私は長く3音に聴こえていたので随分苦戦したが、実際には2音だと気がついて楽になった。4弦、3弦の順に前半が「7F、7F」「7F、6F」「7F、7F」「7F、6F」の4音、後半が「5F、7F」「5F、6F」「2F、2F」「5F」「5F、4F」となる。この後のフレーズは、変則チューニングなので、変な押さえ方になるが、一番最後のピッキング・ハーモニクスは4弦の5Fで出して、すぐにベンディングする感じになる。
それと5弦の開放だが、よく聴くと「ジャズズ、ジャーダガダガダ」の「ダガダガダ」の部分に1音だけ別の音が混じっている。4番目の音が1音下がっている。(無視しても良いと思うが)

いきなり一番手強いのがイントロだ。まずは、普通のハーモニクス。2弦の12フレット(F)、7F、5Fを弾くが、その次が問題だ。同じく5Fを弾いた瞬間、弦を引っ張るのだ。フレットを押さえている場合は結構簡単なのだが、ハーモニクスなので、弦のすべてを使用しているため、引っ張る場所は振動していない場所、つまりヘッドの方、ナットより先の部分だ。ナットとペグの間だ。(ロック・ナット式のギターでは意味がない(出来ない)ので注意が必要)
この後、3F(実際は3Fより少し高い方。少しというのは、厳密に言えば 1/3)のハーモニクスでも同じ技を使うが、この2度目の方は音程も複数出てくるので更に難しい。ハーモニクス音と次の1音上げまでがかなり素早いので大変だ。しかも1音上げ下げした後、2音上げてからキッチリと半音ずつ下がる。
私はこの3Fの方が出来ないので、最初から手をネックの上から出して備えるようにしているが、それでも音程やリズムを合わせるのはとても難しい。アームがあるギターの場合はアームを使った方がいいだろう。
ちなみに、この部分をジェイク以外でキチッとアルバムと同じように弾けているのを見たことがない。一番いい線をいっているのがZakk Wyldeだ。テクニシャンでならすGus GやAlexi Laihoですら弾けていない(アレキシは3Fハーモニクスの部分をノーマルな弾き方で弾いている)。ネット上でも多くの人が腕前を披露しているが、誰も弾けていない。しかしジェイクは弾けている。それどころか最近のライブでは一番難しい部分を更にビブラートをかけて弾いたりしているようだ。まったく恐れ入る。

ソロにもジェイク・フェイクがある。ボトル・ネックを使ったりしているが、ジェイクにしては比較的おとなしいソロだ。ちょっとした技は一番最後のトリルの部分だ。単純なトリルではなく、左手でメロディになるフレットを押さえ(最初が3弦11F、12F、14F、16F、後半が2弦12F、14F、15F、17F)、ピッキングの代わりにピックで19Fのところを素早く連打する(タッピング)技だ(前半が3弦、後半が2弦)。まぁイントロと比べれば楽な技だが。

この曲の場合、ジェイク・フェイク以外のギター・プレイが結構カッコいい。ところどころにちょっとしたオブリガードが出て来て、それがカッコいいので是非チェックしてみてほしい。(サビのところより、リフの周辺)

コード進行も見ておこう。アルバム全体でギターが半音下げになっているため、ギターの押さえ方優先に表記する。つまり「Bm」とあっても、それは押さえ方が「Bm」であって、実際に出ている音は「B♭m」になるので、少し注意。
イントロは「Bm7/AonB」「Bm7/AonB」「G/AonG」「G/AonG」を繰り返す。リフに入っても同じ。
Aパートはアルペジオで「Bmadd9」「Bmadd9」「G6」「G6」の繰り返し。9thの音を足すことでちょっとオシャレになるというか、マイナーっぽさが薄れる。実際、ギターで3度の音は鳴っていない。押さえ方は、5弦をルートにして5弦から1弦に向かって2F、4F、4F、2F、2Fだが、ジェイクは他の曲でもこのコードをとてもよく使う。「G6」は1弦開放が6thにあたる。
Bパートは「GM7」「GM7」「Bm」「Bm」「GM7」「GM7」「F#7」「F#7」。
サビは「Bm」「Bm」「Em・D・Bm」「Bm/C」の繰り返し。

ギターソロも別のコード進行になっていて、ボトルネックの部分が「D」「D」「C」「C」の繰り返しで、後半が「Bm」「Bm」「EonG#」「G」の繰り返し。前半は少し雰囲気が変わるので良い導入部になっている。後半は「EonG#」がミソだ。少し面白い響きになる。

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