2004年1月20日火曜日

Rock Box

Run-D.M.C. [ J.Simmons/L.Smith/W.Waring/D.McDaniels ]

ラップである。私はラップ・ミュージックのファンではない。曲には核となるメロディがほしい。リズムとMCだけでは、音楽として聴くには少し寂しい。おまけにリズムは機械的で単調なものが多いのも難点だ。グルーヴがなさすぎる。ラップが好きな人の中には「このグルーヴが最高」と言っている人もいるが、少なくともリズムで最も重要なドラムにはグルーヴはないのを分かってほしい。

さて、批判をするためのコーナーではない。Run-D.M.C.は、ラップを世に送り出した多大な功績がある。もともとはラジオのDJが、かけている曲のリズムに合わせて曲紹介をしたりしていたものが始まりというが、言葉をリズムに乗せてメッセージを伝えるという手法はとても面白いし、当時としてはとても斬新なアプローチだったと思う。
しかし、それもラジオのDJだからカッコいいわけで、ライブ・ステージでそれだけを聴くとなると、ノリとメッセージを聴きに行くということになり、音楽というよりは演説を聞くのに近い気がしてしまう。まして、日本人にとって英語の遊びを聞き取るのは難しい。聞き取れない演説は最悪だ。

で、この曲「Rock Box」である。一言で、カッコいい!!
散々批判をしておいてこういうのも何だが、一発で気に入るカッコ良さだ。充分ロックしているし、ドラムも明らかに人間のノリだ。グルーヴがある。

気に入る理由は明確だ。歌詞ではない。対訳でも見ない限り、聞いて理解するのはとても無理だ。
それは、まず第一にバリバリのロック・ギターが入っていること。サウンドも良い。最初のソロはほとんどメタル系のソロだ。それで「おっ」と思わせておいて、シンプルながらとても印象的なリフに入る。それも太いサウンドのギターによる。ここにリズミックなラップが入るわけだが、メロディ不足はこの印象的なギター・リフがカバーしているので全く気にならない。それどころか、リズムのアクセントを強調するような2人のコンビネーションがカッコ良さを引き立たせている。


ラップが好きでないこの私を一発でKOするとは恐るべき曲だ。(笑)

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