2004年10月28日木曜日

Pinball Wizard

Elton John [ P.Townshend ]

十数年ぶりにロック・オペラ『トミー』を見た。初めて見た時と比べてずっとよく理解出来るようになっていて、内容にも音楽にもとても感動出来た。

映画の内容についてはここでは触れないが、一番嬉しかったのはピンボールのチャンピオン役で登場したElton Johnが歌うこの曲の部分。あまりにカッコいいので「うぉ~」と声を上げてしまった。

オリジナルはThe Who。The Whoのバージョンの方がよく知っていて、Eltonの方は十数年前に見た時の一度きりで、しかもその時はオリジナル・バージョンの知らなかったため「華やかな感じだったかなぁ」程度の貧相な記憶しか残らなかった。
今回は前持ってオリジナル・バージョンはよく知っていて、しかもThe Whoの中でもかなり好きな曲でもある。このコーナーではまだ取り上げていないが、いずれ登場する時が来るだろう。とにかくかっこいい曲だ。

Eltonのバージョンは、まずピアノだ。Eltonといえばピアノなので当然だが、オリジナルではギターが寂し気にコードを鳴らしていき、突然早い(16分で)sus4コードをかき鳴らすように始まるが、Eltonのバージョンではこれがそっくりピアノに置き換えられている。

最初のコードはともかく、早いカッティングの部分はコードトーンのアルペジオになっている。オリジナル・バージョンでは続いてヘヴィなギターが割って入って来るが、Eltonの方は控えめ。
The Whoより華やかに聴こえるのはこのアルペジオとヘヴィさを控えたギターのせいだと思う。

ここまでだとオリジナル・バージョンと違うのはよく分かるが、凄いとかカッコいいという印象はまだない。
カッコ良さを決定づけるのはやはりEltonのボーカルだ。さすが当時最強というべきか、最高にカッコいい。オリジナルのRodgerよりもアタック感が強いし、テンポが早いせいかリズミックに聴こえる。
更に「Sure plays a mean pinball」のところのカッコ良さ。Eltonにとってはかなり高音なのかもしれないが、ピッタリこの音が出るようにキーを変えたのではないだろうか。

この後、サビに続いて掛け合いの部分がある。オリジナルではRodgerとPeteで掛け合いをしているが、Eltonバージョンではチャンピオン(Elton)と群集の掛け合いになっている。この違いはヘヴィなロック・バンドの曲であるオリジナルに対し、数倍に大きなスケールとなっている。映画のシーンにピッタリの最高のアレンジだ。

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