2004年2月14日土曜日

Strutter

KISS [ P.Stanley/G.Simmons ]

今日はバレンタイン・デー。そんなこととは何の関係もなく、KISSである。ド派手なメイクやステージ・セットで有名な彼らだが、意外にも(?)曲は素晴らしいものが多く、ただのイロモノではない。実は私は大ファンなのである。

大ファンの理由は、やはり曲なのだが、大きく分けて2種類のタイプが好みと合致する。 一つはBeatlesの影響を感じさせる素晴らしく美しい曲。Paul Stanleyの曲に多いがGeneのにもある。
もう一つは、Black Sabbathをアメリカンにしてオドロオドロしさを抜いたような骨太ロックだ。音が太いだけでなく、曲も芯がバチッと決まっていて、余計な装飾は最小限しかない。これは私がBlack Sabbathを好きなのとほとんど同じ部類のものだ。

さて、本日の曲「Strutter」だが、明らかに後者に分類される曲だ。KISS流骨太ロックの典型例だろう。
ギターのバッキングを聴けば、すぐにこれが古いロックンロール・タイプから来ていることが分かる。1950年代に繰り返されたギターのバッキングそのまんまだ。
これを歪みを持った太い音のギターでミドルテンポで弾く。メロディは1950年代ならメジャー系だろうが、KISSはマイナー調だ。これだけで最高にカッコいい。
メイクを含めたアヤシイ雰囲気のせいか、何かが起こりそうな惹き付けられる感覚すら漂う。

それでいながらサビはBeatlesバリのボーカル・ハーモニーだ。高音部はGeneだろうか。あれでGeneは結構高いパートを歌う回数も多い。

Beatlesバリの部分は一瞬だけで、すぐにAceがヘヴィなリフで切れ込んで来て骨太ロックの雰囲気に戻る。素晴らしくカッコいい!

ロック・ソングの善し悪しにはリフが重要な役割を果たす。カッコいい曲にはカッコいいリフがつきものだ。
この曲の場合、50年代風バッキングが最初のリフともいえるが、Beatlesバリのパートの直後の「Strutter!」と叫ぶ部分のリフが最高だ。とてもシンプルなところが骨太感を強調していて尚良い。

ギター・ソロ。やはりとてもシンプルで骨太だ。ペラペラの音で流麗に弾かれてもちっとも魅力ではない。どんなソロを弾くにしろ、サウンドはズ太い音であることが条件だ。
Aceのソロは本当にシンプルで誰にでも弾けるような感じだが、起承転結がハッキリしているせいかスリリングな感じがする。テクニックがなくてもカッコいいソロが弾けるという代表例のようだ。

最近、アメリカではKISSとAerosimithが一緒にツアーをしたようで、Joe Perryが飛び入りでこの曲をプレイしたそうだ。聴いてみたいものだ!

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