2004年2月4日水曜日

Jim & Janeの伝説

チェッカーズ [ 鶴久政治/藤井郁弥 ]

いきなりチェッカーズである。この曲はいつの時代の曲だろうか。1980年代なのは確かだと思うが定かではない。恐らく80年代後半だろう。久しぶりに思い出したこの曲、チェッカーズの中でもかなり好きな曲なのだ。「神様ヘルプ!」のようなおバカな曲より何倍も良い。
チェッカーズ自体にはそれほど思い入れがあるのではないが、かなり人気があったし、妹や弟が好きだったせいで、耳にする回数は多めだった。Beatlesっぽい戦略で売ろうろいう部分もあったのではないだろうか。当時、何度も「Beatlesみたいなやり方だな」と感じた覚えがある。

さて曲だが、好きな理由は、歌詞と曲の雰囲気が自分の中でマッチするからだと思う。日本語の歌詞の曲は、どうしても英語の曲よりも歌詞の比重が大きくなってしまう。
この曲の舞台は夜の道路で、バイクで飛ばしている。彼氏を事故で失った彼女を乗せて、彼氏を偲んでいる。だから楽しいドライブではない。
それでいながら他の車の赤いテールランプや対向車線のヘッドライト等が輝き、華やかなムードもある。悲しい場面に美しい風景。人の心は、たいてい複数の感情があると思う。1種類の感情だけということは稀だろう。特に相反するような感情が同時にあって、その複雑な気持ちを歌うような曲に魅力を感じる。

悲しい気持ちと嬉しい気持ちを歌う場合、大抵は悲しい歌詞に明るい曲調になるように思う。
この曲の場合もこれに似ていて、流れる車の輝きの風景と曲のイメージが合っているように感じるのだ。
走って行く車、走り抜ける事故現場といった次々に流れる風景は、時間の流れを強く意識させる。「動かない瞳が静かに濡れてゆくよ」という部分は、無情に過ぎて行く時間の流れの中で、彼氏と彼女の間の止まった時間を表わしていて、一方の時間は止まったまま、もう一方の時間も一緒に止めたいのだが、テールランプは次々に流れて行く風景。

この物語の中の「悲しみ」はとても分かりやすい悲しみだが、別に誰かが死んだりしなくても、誰にでも悲しみはある。その悲しみを振り切っていこうとするエネルギーを感じたい。爆音を轟かせながらバイクをぶっ飛ばす。若いエネルギーが一つの試練を越えようとする時の気持ちは誰にでも経験があり知っているはず。

悲しみ、流れ行く美しい夜の風景、若さ、越えて行く勇気。これらが分かりやすく伝わるのが魅力だ。

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