2004年9月2日木曜日

Welcome To Defiance

The Almighty [ R.Warwick/P.Friesen ]

ヘヴィ第2弾はイギリスのThe Alimightyだ。スラッシュがほぼ死滅した後の1994年の曲だが、曲調はほとんどスラッシュだ。
しかし一番変わったと思うのはリズムだ。バスドラを多様してハネた感じ。ライブハウスで踊り狂っているバカども(←逆説的誉め言葉です。マジで)が目に浮かぶようだ。
The Almightyを知ったのは人気が出て少ししてからで、というかこの曲で知ったのだが、初めて聴いた時は「これが新しい時代のヘヴィ・ミュージックか」と感心したものだ。アメリカのバンドは比較的リズムがハネていたり踊れそうなものもあったのだが、スラッシュというととにかくヘヴィで激しいという印象が強く、実際、イギリスをはじめヨーロッパ勢の曲は直線的なものが多かった。ダンス・ミュージックとはかけ離れたクラシックが盛んな地域だけある。
それだけに、この曲のメインリフでのリズムは新しさを感じた。細かなドラムはその後の音を伸ばしてドラムがなくなる部分との対比になっている。こういう緩急もヘヴィ・ミュージックの醍醐味だろう。

スラッシュによくあった休符の醍醐味はこのバンドにもしっかり生かされている。休符が気持ちいい。ほんの少ししか出て来ないがそれが逆に効果的だ。思わず「はっ」とする。

「Defiance」とは名詞で、「権威や敵対する者への果敢な抵抗、反抗、挑戦」といった感じの意味だ。周囲に負けず自分の生き様をまっとうしようという、まさに「これぞ男」という感じの歌詞だ。
このバンドは本当に男くさい。鋼のような頑固さと汗の臭いがピッタリだ。男のためのバンドのようなもので、もちろん女性ファンもいるだろうが黄色い歓声は似合わない。
風貌など気にせず、ただバカのように一直線。現実的にはなかなか出来ないことだけにある種の憧れを持つ。

アルバムのジャケットは『星の王子様』かと思うような可愛いらしさだが、その中身は強烈なまでの精神性と骨太、汗くさロックが満載。そういうギャップもまたイギリス人っぽくて面白いところだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿