2004年9月1日水曜日

Seemingly Endless Time

Death Angel [ R.Cavestany ]

オリンピックも終わり夏も終わり、気分を新たにして、ヘヴィィィィィ・ミュージックだ!なぜか気分は荒くれ系。
心に浮かぶザクザク・リフはサンフランシスコ・ベイエリア出身バンド・Death Angelだ。バンド名は『死神』。ちょっとおバカな名前だが、どうでもいい。この曲は1990年のアルバム『Act III』のトップを飾ったもので、当時のメンバーはMark Osegueda(Vo), Rob Cavestany(G), Gus Pepa(G), Dennis Pepa(B), Andy Galeon(Dr)。相当若かったはず。

当時はスラッシュ・メタルと呼ばれていたジャンルで、スラッシュ(Thrash)は切り裂くの意味。ヘヴィメタル・ミュージックの中でも特に過激で激しい音楽で、切り裂くばかりの切れ味を持っていたのだが、90年代中盤までに絶滅に近い状態になってしまった。もっと重く暗いグランジとか囁き系を入れたゴシック・メタル、もっと極端なデス・メタル等に進化(?)していき、スラッシュという言葉も死語になってしまっている。
言葉の問題はどうでもいいのだが、音楽的にほとんどがEmキーだし、音はもともと似たような歪みギターだし、リフはカッコいいけど、そればかりでは長続きしないけど歌メロは単純だしリズムも似ている。そのあたりが衰退の理由かと思う。例えばゴシックのボーカルなどはかなり斬新だ。個人的好みは別だが。

しかしこの曲は多彩で、とにかくカッコいい。Metallica等もそうだが、生き残ったバンドの曲はよく考えられていて面白い部分が沢山ある。

なぜか波の音で始まる曲だが、そこに「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ」とヘヴィなギターが入って来る。この後、激烈なドラムとともに一気にハイテンションになるが、好きなのは次の展開からだ。ドラムが止まってリフが変わっていく。リフだけでもこんなにカッコ良く聴かせることが出来るという好例だ。
この後も次々とカッコいいリフが登場する。ボーカルは味付け程度で、リフに集中して聴きたくなるのが特長と言えるかもしれない。

中盤ではリズムが半分になる部分がある。特にヘヴィな曲ではこの遅いリズムがたまらなく好きだ。Black Sabbathに通じる重さを感じさせる。勢いを抑えることで、次にブッ飛ばすところまでエネルギーをためている感じが良い。

スラッシュにおいて、ギター・ソロはどうでもいい。ギター大好き人間のセリフではないようだが、個人的にはリフこそすべて。メロディックなソロは下手をすると曲をブチ壊しかねない。ソロならリフの延長のようなものや、シンプルでコードに沿った単純な音列を早く弾くとか、その程度で良いと思っている。

それよりもソロの後にあるリフの決めのところが格好いい。全員で合わせる箇所だ。スラッシュにはありがちではあるが、少し変な音(デミニッシュっぽい)を強調してジャッと音を切る休符は最高にカッコいい。うるさい音楽であればあるほど、音のない休符がまた生きて来るわけだ。クラシックのオーケストラがダイナミクスたっぷりに演奏するのと同じ理屈だ。

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