2004年5月8日土曜日

Old L.A. Tonight

Ozzy Osbourne [ O.Osbourne/Z.Wylde/J.Purdell ]

Ozzyのバラードは美しいものが多い。アルバムで曲順に聴いていくと、前の曲「My Jekyll Dosen't Hide」がかなりヘヴィな曲で、終わった途端にこの曲のピアノのイントロになる。この間髪入れない曲間が素晴らしい。動から静へのコントラストを際立たせることでこの曲の美しさが更に強調される。

タイトル中の「Old」は、もちろん誰でも知っている「古い」という意味だが、それだと何だか「古くさいロスの夜」というような否定的な意味に解釈してしまいそうだが、実は「old」には「懐かしい」というような意味もあるらしい。これだと途端に「古き良きロス」というような感じになって、曲調にピッタリ来るタイトルに思えて来る。
英単語は簡単なものほど難しい。

曲は美しいピアノを主体としたバラードだが、Zakkのギターが素晴らしい。バッキングではアコースティックも出て来るが、基本的にはエレクトリックによるギターワークなのだが、いつものヘヴィなものではなく、メロディックで優しい雰囲気だ。ヘヴィで荒々しい雰囲気が全面に出ている彼だが、実はこのようなプレイもお手のものなのだ。

曲のハイライトは中間のギターソロとその直後だ。
まずギターソロだが、前半はボリュームを絞って優しい音色で始まる。クリーンな音で弾くとか、アコースティックで弾くとかせず、そのまま歪んだエレクトリックで弾き、しかしボリュームを絞ることで歪みを小さくしているところが最高だ。こうすることで、何というか、郷愁が漂う気がする。エネルギッシュな昼のL.A.から一転して、静かで落ち着いた、そして昔を懐かしむ雰囲気も出るように思う。当然、ピッキングも軽めで弾いている。
後半は一気にボリュームを上げて盛り上げる。その変わり目をよく聴けば、音色の変化がギターのボリュームつまみの操作によるものであることや、連続して弾いていることが分かる。後半の入りも最高だ。ダブルチョーキングをゆっくりと持ち上げるのはジラシのテクニックというか、期待感を高めるし、単音でスキッと爽やかにしたのでは雰囲気に合わない。このにごり具合が良いのだ。

高音のメロデイの後は早めのフレーズで一気に締め、音を伸ばすことなく突然ソロが終わる。そしてすぐにOzzyのボーカルが入る。この瞬間こそがハイライト中のハイライトだろう。思わずゾクゾクと背中に鳥肌が立つ。まさかの展開。今までに一度も出て来ていない下降するコードのラインだ。こんなとって置きをここに持って来るとは最高のアレンジだ。

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