2003年12月16日火曜日

淋しい街から

ARB [ 石橋凌 ]

あまり有名でないが、ARBは1980年代の日本のバンドだ。パンクの影響を受けた骨太ロックで、強烈な社会批判の歌詞が多いのも特長だ。
私が中学から高校の頃に結構聴いていたのだが、その頃はすでに全盛期を過ぎていた頃だ。いつ頃を全盛期と呼ぶかは解釈によってかなり違って来そうだが、私は初代ギタリストの田中一郎が在籍していた頃の末期頃ではないかと思っている。次の斉藤光浩もお気に入りのギタリストだった。
売れたという意味では3代目の白浜久の時代がピークかもしれないが、個人的にはダントツで田中一郎時代が一番だ。

さて、この曲は1978年のデビューアルバムに入っている曲で、もう15年くらい聴いていなかった曲なのだが、ずっと頭の中に残っていたものだ。それを最近、ようやくCDをゲットすることが出来て久しぶりに聴けたというわけだ。

ARBは強烈な曲が多いのだが、最もよく聴いていた中学・高校時代から随分経った今、よく思い出すのはなぜかしっとりした曲が多い。不思議なものだ。そしてそのしっとり系の曲がまた素晴らしいものが多い。

曲はレゲエのようなリズムだが、なかなか感動的な美しい曲だ。まず出だしのツインギターが好きだ。シンプルなフレーズだが、上昇フレーズのあたりなど何度も聴きたくなってしまう。

石橋凌が、故郷の久留米の街を思って書かれた曲だそうだ。久留米には行ったことがないので「灰色に痩せた街」なのかどうかは分からないが、それは久留米が悪い街という意味ではなく、若き凌には小さすぎる街だったということだろう。

ちなみにこの曲、ずっと後の1990年代に入ると、ライブで凌一人によるアコースティックの弾き語りで演奏されることも多い。ツインギターのメロディが消えてしまったのは寂しいが、これがまた美しさを強調するかのような素晴らしい出来で、アコースティックギターがとても綺麗だ。

オリジナルではシンプルに「G」「A」「Bm」「Bm」というパターンで、「Em」「A」「DM7」「F#monC#」「Bm」「G」「A」「Bm」という感じ。

アコGバージョンではもっと工夫したコードで弾いていた。

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