2018年3月6日火曜日

ぼくのミシシッピー

日下まろん [服部克久/山川啓介 ]

1980年のTV番組『世界名作劇場』の中の『トム・ソーヤーの冒険』のエンディング曲。豪快・痛快・爽快といった感じの物語で、小学生だった私も熱心に見て、19世紀半ばのアメリカに憧れを持ったものだ。
この曲は番組の最後に流れる恒例の曲で、トムとハックが川沿いを走っているだけのシーンをバックに流れる。オープニング曲も元気いっぱいでなかなか良い曲だが、ちょっと静かな雰囲気のこの曲は更に素晴らしい。まず歌詞が良い。

人が生まれる前から、流れているんだね
空より広い豊かな ミシシッピー・リバー
君はいつでも明日を 指さす矢印さ
知らない世界へ行こうと 歌ってる
きっといつか 行くよぼくも
君が目指す海へ
そして君に負けないくらい
遠く旅をするんだ

未来がある若者って良いよね、と感じさせてくれる。それは年をとった者の若さへの憧れなんだろうけど。「明日」とか「知らない世界」とか「きっといつか」みたいな曖昧で抽象的な言い方がピッタリはまる。

「C」「Am」「F」「G7」「C」「Am」「F/Fm」「C」というのが最初の部分。ギターがよく似合いそうなカントリーの雰囲気のある物語なので、この曲もシンプルでカントリーにも合いそうな進行だ。「ミシシッピー・リバー」のところが、「F/Fm」のところで、メジャー→マイナーという進行が泣かせる。
次の部分は「C」「Am」「F」「G7」を繰り返す相変わらずのシンプルさだが、次のサビで少し変わる。
「C」「Am」「F」「G」「Dm」「Fm」「C」「G」「F」「C」となる。
まず最初の部分だが、「きっと」が「ソドレ」で次の「いつか」の「い」が「ファ」。Cに対し「sus4」の音だ。次の「Am」の部分でも同じ繰り返し。どちらもコード・トーンの一つ上で、コードに戻りたくなる感じが良い。「Dm」「Fm」の部分も同様のパターンで大いなる希望の未来へ向かう若者の歌にピッタリ来るような雰囲気が出ている。
そして直後の「C」で突然演奏が止まり、歌だけになる。「そこから先は一人で行くんだよ」という感じ。そして余韻を残すような「F」もまた良い。キリスト教音楽の「アーメン」のような「F」だ。

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