2018年4月24日火曜日

悲しいハートは燃えている

和田加奈子 [ 松本一起/井上大輔 ]

和田加奈子のヴォーカルは発声の仕方などがラテン風味があって、大人びた雰囲気の女性の魅力を感じさせるものだった。80年代の曲だが、独特の個性は他を引き離し、一発で和田加奈子ワールドに引き込まれる雰囲気は現在聴いても変わることはない。

印象的なベースのリフが中心で、思わず弾いてみたくなる。ベースは、リフ以外の部分も結構カッコ良くて、「ドーン、ドドッ」という少しハネたようなリズムが耳に残る。ラテン風味なのは、全体が16ビートなのも大きい。オクターヴのところはあまり好きではないが、ダンス・ミュージックとして聴くなら「良」だろう。
そのイントロからのリフ、コードをつけるとしたら、「Em/C」「D/Bm」の繰り返しだろう。もちろん16ビートにノセて弾く。サビのバックでもこのリフがずっとあってとても印象的だ。

リフのないAメロ部のコード進行は、「CM7」「DonC」「Bm7」「Em7」「Am7」「C」「G」「D」で繰り返しの2回目は一番最後も「G」となる。
「最後のドライブの夜に」の部分と「季節で変わるヒット曲」の部分はAメロ・Bメロと思いがちだが、ただの繰り返しだというのには少し驚いた。

Bメロは「C」「D」「G」「Bm7onD/GM7」「C」「AonC#」「D」「BonE♭」となる。「Bm7onD/GM7」は単純に「D/G」かもしれない。やはりベースラインが印象的だ。特に途中の「C」から半音ずつ上がっていくところなどは嫌でもテンションが上がる。「気づくのが遅すぎた」「だけど今諦めて」の部分が印象的なのはそのせいだ。

歌詞にも触れておこう。結局は「悲しいハートは燃えている」というそのままの内容で、つまり「自分は彼の本命ではなかったことに気がついたが、それでも心は燃え上がっている」という意味。かなり情熱的な内容なのに、それでも大人の雰囲気でクールを装っているところがドラマチック。リフに乗せたサビのところだけ本音が出て「fire love」と言っているが、他は「サヨナラを言った 水平線みつめて」「慣れてゆくたび飽きる 貴方の横顔 そう言ってる」「貴方を残して海岸線 走った」「避暑地のムードに酔っていたわ」等、映画のワンシーンのような場面が続いている。そんなところも「大人」を感じたものだ。

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