2018年5月13日日曜日

Crazy Train

Ozzy Osbourne [ O.Osbourne/B.Daisley/R.Rhoads ]

Ozzy Osbourne の代表曲。Balck Sabbath をやめた後、ソロ第1弾としてこの曲を引っさげ登場して来たわけだ。後にソロで Balck Sabbath 以上の成功を収めるその輝かしい第一歩だ。

この曲(というかアルバム全体だが)で、オジーと並ぶもう一人の主人公が Randy Rhoads だ。若く小柄で色白な美少年が、見た目も音楽的にもオジーとの対比にもなっていて面白かったが、数年後に飛行機事故で他界してしまう悲劇的な彼の人生がよりドラマチックにしている。

さて、この曲はシンプルなハードロック・ナンバーで、出だしこそオジーらしい暗く重い感じで始まるが、すぐに一転して明るく軽快な感じに変わる。このリフもメタル界では超有名で、思わず弾きたくなる。6弦2Fの「F#音」をペダルにして、5弦の4Fや5Fを交互に弾く感じでメロディを作るものだ。

そして次のパート。明るく軽快だが、ギターは Black Sabbath バリにヘヴィだ。多分、ランディは Black Sabbath の Tony Iommi のギターの音を参考にして、ある程度似せているのだろうと思う。ランディでなくても周囲のスタッフがアイオミの音を目指したのかもしれない。Sabbathの『Never Say Die』あたりを聴くとそれがよく分かる。

この軽快な部分、リズムは16ビートだが、ライブでは4ビートで演奏される。16ノリの4ビートだ。そしてスタジオ盤にはないオブリガード(オカズ)をギターで色々入れる。この部分に限らず、あちこちに様々なオブリガードを入れるのが魅力の一つだし、ランディやその後の Ozzy Band のギタリストの味が出るというものだ。
オブリガードは曲の一番最初と最後にも入れられていて、一種のソロのようになっている。スタジオ盤にはない部分だ。

注目のギターソロ。出だしは1拍につき6音ずつのライトハンド奏法による早弾き。今では一般化したフレーズだが、当時は画期的な先端プレイだ。これに続いてメロディアスなフレーズと早弾きのフレーズが交互に出て来て、非常にメリハリの効いたソロだ。
このソロの部分は、他の部分にはない独自のコード進行になっていて、「F#m」から順に「E」を挟んで「D」というように降りて行くものになっている。前後が流れるようにつながる素晴らしい進行だ。

このソロに逸話があって、ウソか本当かは分からないのだが、スタジオで流麗なソロを披露した ランディが、音の太さと迫力を出すために、ダブルトラックにしたいと言い出す。それもエフェクト(ショートディレイ)によるダブリング効果ではなく、実際にもう一度弾くという。ただでさえ早くて複雑なフレーズをもう一度同じように弾けるものかと思いつつ、とりあえずトライさせると見事に弾いてみせたという。すると「今度はトリプルにしたい」と言う。一同呆れてしまったという話しだ。
トリプルにも挑戦したというが、完成した音を聴くと少なくともダブルまではハッキリと聴こえる。トリプルかどうかは分からない。
早弾きのところになるとズレが軌跡をなぞるような影武者になっているように感じられよく聴こえて面白い。

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