2018年5月31日木曜日

Lazy

Deep Purple [ R.Blackmore/R.Glover/I.Gillan/J.Lord/I.Paice ]

Deep Purple の曲の中で最もカッコいいと思う曲。もちろん一番好きな曲でもある。
『Made In Japan』等のライブでの演奏も凄いし、色々挿入されているライブならではのアレンジも面白いのだが、今回はアルバム・バージョンを見てみる。アルバム・バージョンでも十分アドリブ的な曲だと理解出来るだろう。

まずはハモンド・オルガンのイントロ。教会音楽のような荘厳な雰囲気から、マーシャル・アンプを通した爆音&歪んだ音まで、ボリューム・コントロールのみでやっていて、とても面白い。歪む音は、音響で言う「割れた音」と同じ原理で、大きすぎる入力をすると、音量が許容量を越えて歪んで(割れて)しまう。ギターでの「ファズ」「ディストーション」「オーバードライヴ」等、原理的にはコレである。ハモンドをアンプに通し、小さい音なら問題なく綺麗な音、大きくすると歪んでしまうようにセッティングするわけだ。私もキーボードをギター・アンプに通してよく真似したものだ。

最初は「ソラド」の和音のフェードイン。静かに始まりが続くが、「ファソド」の和音から狂っていく。歪んだ音の登場だ。ライブではオルガンが壊れたのかと思うほど強烈で、実際に壊れたフリをして、Ian Gillan が「修理するまでちょっと待ってくれ」なんて言ったりしている場合もある。一度キレイな音に戻したと思ったらすぐにまた狂気の音になる。

しばらくすると、教会のような雰囲気はスッカリ消え失せ、ブルース調になり、「ファラシ♭」から「シドミ♭」の3連符の早弾きがいつの間にかリズミックになって、ブルーノート・スケールのフレーズになっていく。このあたりのリズミックなプレイが素晴らしい。

そして「ドミ♭ファー」のフレーズとともに長いイントロ(というか前奏)が終わり、ギターが参戦して来る。このあたりの展開も最高。みんなで合わせるブルーノートのリフも最高。ギターとオルガンのソロも最高。各メンバーの力量が試されるようなとても楽しくスリリングな曲だ。

そして忘れた頃に登場するボーカル。ボーカル登場の前に転調し1音上がる。この後もう1回転調してソロになる。だんだん上がって変化をつけつつ盛り上がる。
このようなアドリブ満載の曲はとても楽しい。そして最後に長い曲の終わりには雰囲気を変えた終わり方を用意してあって、最後まで大満足で終わるのだ。あぁ楽しかった。

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