2018年6月1日金曜日

Here I Go Again

Whitesnake [ David Coverdale, Bernie Marsden ]

Whitesnake をブレイクさせた超大ヒット曲だが、ライブ・バージョンを抜かしてもスタジオ・バージョンだけで3種類ある。オリジナルはヒットする5年も前の1982年のアルバム『Saints & Sinners』に収録されていて、ギターは Bernie Marsden と Micky Moody、ベースは Neil Murray、ドラムは Ian Paice、キーボードは Jon Lord という、これはこれでスーパーバンドのラインナップ。

そして大ヒットしたバージョンは1987年のバージョンで、ギターは John Sykes にソロだけ Adrian Vandenberg、ベースは Neil Murray で同じ、ドラムは Aynsley Dunbar、キーボードは Don Airey と Bill Cuomo。よく聴くとBパートのギターもAdrianではないかと思わせる音だ。それ以外は明らかにSykesの音。

更にもう一つのバージョンは、この時にラジオ・ヒットを狙ってキーボード満載のポップなバージョンが作られた。ラインナップは、ギターが Dann Huff、ベースが Mark Andes、ドラムが Denny Carmassi、キーボードはアルバム・バージョンと同じ。このシングル・バージョンは David 以外バンドに誰もいなかった時に作られた。

ビデオクリップが作られたのはアルバム・バージョンで、MTVで散々かかっていたので、ヒット・バージョンといえばアルバム・バージョンになる。
当時のDavidの彼女・Towny Kitaen が大々的にフューチュアされ、車の上での開脚やDavidとのラブラブぶりを見せつけるようなビデオクリップになっている。(この2人は89年に結婚し、2年後に離婚している)
まるっきりTownyが主役のようなビデオだが、この「here I Go Again」のクリップが一番当時のメンバー(ツアーメンバー)がちゃんと見えるので貴重だ。Adrianのソロも半分くらいは見えるし、イントロのキーボードは右からVivian、Adrian、Rudyと3人並んで弾いている(ような演出)。

ちなみに、ライブではアルバム・バージョンとシングル・バージョンのミックス・アレンジで演奏されている。

歌詞も少しだけ変更されていて、オリジナル・バージョンは「Like a hobo I was born to walk alone」と歌われていたが、「hobo」が「drifter」に変更されている。意味は同じような「流れ者」のような感じだが、変更理由は「hobo」が「homo」に聴こえるから。

さて曲だが、結構シンプルで、コピーも楽な曲だ。3バージョンを比較してみるのも面白い。
キーボードのイントロ。オリジナルは Jon 得意のハモンド・オルガンで静かで教会にような雰囲気なのに対し、ヒット版は同じフレーズながらキラキラした音がメインになっている。シングル版は出だしからバンド演奏だ。
ソロの前のパートもほぼ同じだが、オリジナルがツイン・ギターのハーモニーになっているところが、ヒット版は強力なピッキング・ハーモニクスになっている。90年代のライブからは上昇するコード進行に変更されている。

ソロも3様で面白い。オリジナルはツイン・ギターのバンドらしいソロ。ヒット版は Adrian らしいコード・トーンを意識したメロディックなもので、音程差の大きい部分や最後の早弾きも当時の雰囲気を表わしている。シングル版は更に80年代っぽい盛り上がるソロだ。

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