2018年11月11日日曜日

I Don't Know

Ozzy Osbourne [ O.Osbourne/B.Daisley/R.Rhoads ]

Ozzyのソロ第1弾『Blizzard of Ozz』の1曲目を飾り、当時のライブでもよく1曲目で演奏された。長いOzzyのキャリアのほぼすべてのライブで演奏されている。

ドラがフェードインして来る音(テープの逆回転かな?)の後にギターのスライド・ダウンの音(6弦15Fから)で始まり、印象的で分かりやすいリフが始まるという、ランディの曲の典型例。
「A」のコード(4弦と3弦の2F)を鳴らし、2拍目から4拍目までは5弦開放(A音)をブリッジ・ミュートで16分で刻む。続いて「B」(2本の弦の4F)を鳴らし、同じようにミュートの16分を刻む。更に「C」(2本の弦の5F)に16分の刻み。そして2拍ずつ「G」と「D」のコード。実に分かりやすい。「G」と「D」のところはノーマル・ハーモニクスの場合もある。「Crazy Train」等と並び、つい弾きたくなってしまうリフだ。

ちなみに、ライブでは合間合間にオブリガードが入る。それがかなり個性的。強力なピッキング・ハーモニクスが多いが、トリルや開放弦を利用したもの、低音でのもの、ノーマル・ハーモニクスと色々ある。歴代ギタリストの比較をする際に、オブリに注目するのも面白い。(例、ジェイクはまったく独自の細かいフレーズを入れ、ザックはランディと同じような路線で勝負等)
とりあえずここでは一番最初のヴォーカル前に入るオブリを見てみよう。弾き方は、2弦1Fと開放を3回、3弦2Fと開放を2回、4弦2Fと開放を1回、5弦3Fと開放という具合だ。シンコペーション的に最初のをもう1回多くやる場合もある。ピッキング・ハーモニクス気味に弾くと感じが出る。
何回か後には超早弾きのオブリもあって、弾き方はシンプルだがとにかく早いというのがある。3弦の5F、4F、2Fをハンマリングとプリング・オフを繰り返すパターンだが、1拍で3回ハンマリングとプリング・オフをするので、6音鳴っていることになる。1小節で24音だ。

リフもライブでは少し弾き方が違っていて、2つめのコードはオクターヴ上も一緒に弾いているように思う。つまり押さえ方は、4弦から1弦にかけて、4F、4F、7F、7Fとなる。次のコードも同様。

その次のパートのコード進行を見ていくと「G」「F」「G」「F」「G」「F」「F/ConE」「D/C・G」で最初のリフに戻る。
「F」の部分はアルペジオっぽいフレーズだが、8分で4弦3F、3弦5F、4弦3F、2弦6F、3弦5F、1弦3Fと弾く。3回目はこれをダブル・ピッキングで2音ずつ16分で弾く。曲の後半ではディストーション系のエフェクトを更にONにして(すでに充分歪んでいるのに)、「ジョォワァァァー」という音を出すというフレーズ以外でのオカズを入れている。(バンド・メンバーは「フライパン」と呼んでいたという話しを聞いた気がする)

次のパートは、スタジオ・バージョンとライブとでは結構弾き方が違っていて、スタジオ・バージョンは「Dsus4」的な感じで弾く。スタジオ・バージョンはよく譜面が出ているので、ここではライブ・バージョンを優先するが、まず5弦開放を8分で2回鳴らした後、3・4弦の7Fをダブル・チョーキングとチョーキングなし、そして7Fと5Fの音、2小節目の3拍目と4拍目が「C」と「G」。この繰り返しだ。

そしてミドル・セクション。テンポが半分になり、曲調はガラッと変わる。そして私が好きなパートでもある。
コード進行は「D」「DonC」「DonB」「F」の繰り返し。このパートでランディは3本のアコースティック・ギターで色々やっている。よりメロディックなのだが、ここでは一人で弾けるライブ・バージョンを取り上げよう。
まず、ライブではギタリストは一人なので、音はそのままで優しいピッキングに変えて弾いている。コード・アルペジオとメロディ、ところどころにオブリガードという感じのプレイだが、こちらもなかなか聴き応えがある。
まず最初の「D」は、1拍目にコードを鳴らし、ヴォーカル・メロディと同じタイミング(1回目はヴォーカルはないが)で2減でメロディを弾く。「DonB」のところは「G」かもしれないが、それれは明確に「G音」を鳴らしているからだ。「D」なら4度の音になる。
「F」の時が色々変わり、6thや9thの音も使っている。1回目は多分6弦1F、4弦0F、3弦2F、2弦3F、3F、2F、0F、3弦0Fでのアルペジオだろうと思う。2回目は2・3弦の10F、3弦の12Fのハンマリングとプリング・オフ、3・4弦の10F、4弦12Fのハンマリングとプリング・オフ、以下省略、3回目は6弦1F、1弦3F、3弦0F、4弦3F、1弦3F、3弦0F、1弦3F、5Fではないか。1弦3F、3弦0Fは9度の音、もしかしたら2弦0F(♭5)の音も入っているかもしれない。
あともう1~2パターンある。

それからソロだ。基本的にGマイナー・ペンタトニックでのプレイだが、ところどころにトリッキーなフレーズが散りばめられている感じだ。2弦10Fを押さえておいて、13Fをピックでタッピングするトリル技や、半音ずつ下がっていってスケール・アウトしたものなど、弾いていてなかなか楽しい。早弾きもあるが、結構キチッとしているので意外と弾きやすい。全部コピーしても損はないものだ。公式にはランディのライブは2種とスタジオ・バージョンがあって、どれも同じ構成のソロになっているが、よく聴くと結構あちこち変えて弾いている。ランディも楽しみながら気分で色々弾いていたということなのだろう。
ちなみに、ジェイクはこのソロを、少しだけ長く繰り返しを増やしたが大筋で似たような構成、ザックはほぼ同じように弾いていた。

見てきたように、この曲には様々なオブリガードが入っている。入れられるスペースが沢山あるということだし、ランディをできるだけ尊重しようという前提でも、ランディ自身が色々なオブリを毎回違った感じで様々に入れているのだから、勝手に色々入れても冒涜にはならないだろう。曲としてきちんと成り立ちながら色々遊べる曲というのは最高だと思う。キッチリと作られている場合が多いメタル曲にはなおさらだ。曲自体にダイナミクスもあるし、ライブ向きの曲と言えるのではないかと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿