1999年1月5日火曜日

The Wall

Kansas [ K.Livgren/S.Walsh ]

アメリカのプログレシヴロックバンドの雄・Kansasだ。プログレといっても、リズム的な複雑さはほとんどなく、それらしいのは曲へのアプローチやコード進行、曲展開などだ。この曲の場合、使用コードやコード進行が結構複雑で音をとるには苦労する。

さて、なんでいきなりこの曲かというと、今日、とても美しいバイオリンを目の前で見たからだ。私はギターも美しいと思っているが、バイオリンは上品で知的で、素直さとズルさを合わせ持っているようで本当に美しかった。ドキリとさせる美しさがあった。で、バイオリンといって最初に連想したのがこの曲だったわけだ。何しろKansasにはバイオリニストがいる。ロックバンドでは珍しい。この曲でもしっかり登場している。バイオリンは弓で弾くわけだから、音をだんだん強くすることも可能だ。ギターの場合、ボリューム操作をしない限りあり得ないし、ピアノでもあり得ない。

曲だが、長いイントロとアウトロがある。イントロは「C#m」を基本に比較的シンプルでメインはギター・ソロだが、バイオリンが印象的だ。ロックでは珍しいので自然に耳がいってしまうだけだろうか。

最初のヴァースはなかなか手強い。キーボードによるシンプルなアルペジオなのだが、音使いが変わっている。一応、音をとってみたので書いておくが違うかもしれない。

「G#m」 「F#」 「F#onC#」 「BM7・G#onB」 「BM7・G#onB」 「D#」 「B♭」 「B」 「C#onB」 「B」 「C#・E♭」 「E♭」 「E♭m」 「E」 「B」 「B・C#・E♭」という感じ。これだけ羅列しても何のことやら分からないが、一筋縄ではいかないことだけは分かってもらえるだろう。 とても短いもののピアノの間奏が美しいので、これも書いておく。「BM7」 「B♭7」 「Adim」 「C#」 「G#sus4・G#」だと思う。

最も手強くて苦戦したのは長いエンディング。難しいコード進行なのに、すんなりと聴かせてしまうところが凄い。全然複雑な感じがしないどころか感動を誘う。 いきなりキーが変わる。「F」 「GonF」 「ConG」 「DonF#」 「G」 「Em」 「D」 「DonF#」 「A・A7」 「D」 「AonC#・AonB」 「A・A7」 「F#sus4・B」 「E」 「F#m」 「E」 「F#m」 「E・EM7」 「C#m・C」 「Am」 「E」だ。onコードが多いことからも分かるが、ベースに捻りがある。演奏するにしてもなかなか覚え切れるものではない。

歌詞の出だしでイキナリ「幻想に囲まれた僕にはこの光景が信じられない」などと言われると、一体何ごとだと聞きたくなる。このように一発で引き付ける歌詞が好きだ。 「過ぎ行く日々の中で大切なものを少しずつ失いやがて壁にぶつかる」「壁を壊し、今の僕と本来の僕を一致させる」 考えさせられる。

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