2003年9月21日日曜日

Crying In The Rain

Whitesnake [ D.Coverdale ]

来日中のWhitesnake。地味ながらブルージーで渋いハードロックバンドだったのが、突如、派手派手ギンギンのヘヴィメタルバンドに変貌した1987年。そのアルバムの1曲目を飾るのがこの曲だ。この曲はブルージーな時代のリメイクで、昔のバージョンを比べるのも面白い。
ここで取り上げるのは派手派手な方のものだ。
個人的にはブルージーな時代の曲にも好きなものが沢山あるが、ほとんど別のバンドに近いので「どちらが良いか」と問うのはナンセンスに思う。たんに好みの問題になるからだ。

ヘヴィメタル・ソングに聴こえるが、よく聴けばブルージーな要素は沢山ある。ドラムの手数が多くなったもののリズムは同じだし、ボーカルもブルージーな音使いだ。

さて、曲の聴きどころは沢山あるが、基本的にはギターとボーカルだろう。Whitesnakeのボーカルはいつでも最高だ。パワフルでワイルドでセクシーで、シャウトも低い声も最高だ。

ギターは圧巻だ。まず何と言ってもあのズ太い音。レスポールの音だが、一体、いくつのギターが重ねてあるのか想像もつかないが、ブ厚い音になっている。リバーブが深めにかかっているので、余計にブ厚さを感じさせる。

リフはブルージーな時代のものそのままだが、粘りのある弾き方のせいか、淡々とせずにカッコ良い。刺激的なピッキングハーモニクスの音も最高に決まっている。

そして更に凄いのはギターソロだ。溜め息が出るほど凄まじいソロで、早弾きにつぐ早弾き。無意味な早弾きと揶揄する人もいるようだが、私はそうは思わない。
ビブラートは心を震わすし、早弾きの中に出てくるチョーキングのロングトーンは最高に表情豊か。他の曲でも結構出て来るのだが、John Sykes はこの早弾きとロングトーンの対比が抜群なのだ。
後半に入るとドラムと共にリズムを倍にしているところは驚くばかり。締めのライトハンドのフレーズも、たんにコードトーンを早く弾くようなタイプではなく、ペンタトニックを駆け上がり、最後はまるでビブラートをかけているかのような劇的なフレーズになっている。
David Coverdaleが「マグマが爆発しているようだ」と評していたが、まさにそんな表現がピッタリの、激しく緊張感溢れる最高のソロだ。
フレーズを真似して弾くだけではとても雰囲気は出せそうもなく、ピロピロと、か細い音での早弾きとはひと味もふた味も違う、表情豊かなソロに平伏すしかない。

ソロが終わった後のボーカルもそれを受けるかのように激烈で、ハイトーンが出て来たり、本当にカッコいい。

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