2003年9月29日月曜日

Etudes #4 opus #10

Frederic.F.Chopin [ F.Chopin ]

ショパンの初期のピアノ曲「エチュード」。「練習曲 作品10-4」と言った方が通じるかもしれない。この曲を知ったのは、何と、黒人ヘヴィメタル・ギタリストのTony MacCapineが弾いていたことによる。ギタリストがどうしてという気もするが、おそらくピアノもそれなりの腕なのであろう。彼はギターの腕も凄まじく、まさにショパンがギターを弾いているかのようなハイ・テクニック&スピード王のギタリストだ。

で、この曲だが、テクニックには絶対的な自信を持っているショパンらしく、かなりテクニカルだ。ほとんど「俺のテクニックを見てくれー」「凄まじい指の動きだろー!」と言わんばかりである。ショパンの曲はロマンチックなものも含め、どこかで必ずハイ・テクニックなパートがある。現代に生きていたら、ヘヴィメタル・ギタリストのようになっていたのではないかと思う。同じ系統にはリストもいる。彼もショパンに負けず劣らずテクニシャンだ。

曲のテンポは結構早い。左手で軽やかなコードをを4分で打ちながら、右手は16分の凄まじい勢いで弾きまくる。休符など一切なしだ。
突然、右と左が入れ替わる。右手でコードを4分で打ち、何と、16分の凄まじさは左手に移る。クラシック・ピアノを本格的にやっている人は右手も左手も関係ないのだろうが、こうやってあらためて聴かされると驚異的だ。

コードを弾いている方はそれほど難解ではないが、何しろ反対の手が凄まじいスピードなので、テンポよく軽やかに弾くのはかなりの難易度だ。汗水たらして、真っ赤な顔をして血管が切れそうなくらいにブッ飛ばしている横で、鼻歌でも歌いながら軽くスキップをしているようなものだ。それを同時にやるのだから、プレイヤーは感情のコントロールを自由自在に出来なければならない。溜め息の出そうな曲だ。

音使いについても多少は触れておく。キーが「G#m」とヒネクレてはいるが、メロディは基本的に「G#ハーモニックマイナースケール」にすぎない。スピード重視なので音列的には比較的シンプルだ。最初の部分のコードは「G#m」「C#m」をジャンジャンと鳴らした後は、「D#dim」 「C#m」 「Cdim」 「C#m」と半音階を強調し、「F#m」 「C#m」 「F#m6」だろうと思う。耳で聴いてのものなので、正式な譜面と同じ保証はない。
全然違うことを言っていると恥ずかしいので、具体的な音についてはこのくらいにしておくが、ペダルノートの使い方や華麗なスケールの下降ラインなど、参考になる点も多い。

とにかくスピード王的な曲なので、ひたすらスピーディに弾けたらカッコいい。クラシックはテンポにも厳格だが、この曲を倍速で弾いて文句を言う人はいないだろう。(人間技を超えるだろうが)

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