Jelly Roll Morton [ J.Morton ]
20世紀初頭、「Jazzを作った男」と豪語したJelly Roll Mortonのこのピアノ曲は、まだジャズというよりラグタイムを感じさせる曲だ。ラグの2拍子よりもハバネラ風のシンコペーションにするところが特長で、簡単に言えばタンゴ風ということ。
コード進行的にはシンプルだが、半音でぶつかる和音の刺激やクロマチックなメロディがカッコいい。
最近のジャズ・ピアノはもっと右手重視だが、左手が聴きどころ。重低音のルート音でドーンと響かせておいて、すぐに中音域でコードを鳴らす。
ソロ・パートになってリズムを崩して弾いても左手は変わらない。最近は片手だけで複雑なソロを弾く場合が多いが、一人ですべてをプレイするスタイルもカッコいいと思った。
なお、この曲は映画『海の上のピアニスト』の中で、主人公とJellyが対決する際に演奏される。かなり印象的なシーンなのでお薦め。映画ではシャッフル風のリズムで聞きやすくなっていてカッコいい。
(この映画の中では Jelly は黒人だが、本物は白人だ。映画で対決する味方と敵を分かりやすくするための演出だろう)
映画の対決シーンでは、Jellyが2曲目に弾くのがこの曲だが、直後に主人公がそっくりに真似して弾いてみせる。この主人公が弾くバージョンは、そっくりなのだが、よく聴くと猛烈な左手が加わっているのが違う。半音階の早弾きだ。その迫力の低音の違いを聴き取ってほしい。まったくピアノが弾けない役者さんの演技だが、ちゃんとそれっぽく手が移動しているところが凄い。
[ MIDI データファイルがダウンロードできます ]
0 件のコメント:
コメントを投稿