2003年10月3日金曜日

Reality

Richard Thuderson [ J.Jordan/V.Cosma ]

邦題『愛のファンタジー』。1980年に大ヒットしたフランス映画『ラ・ブーム』のタイトル・トラック。ソフィ・マルソーのデビュー作だったように思うが、ソフィーの可愛さが印象に残るラブ・コメディだった。
映画だけでなくこの曲も世界的にヒットしたので知っている人も多いと思う。とにかく甘い甘い歌詞とメロディの必殺のラブ・ソングだ。
ボーカルも甘い声でムードを高めながら歌っている。私には逆立ちしても出来ない雰囲気だ。男っぽさはなく、軟弱なイメージすらあるが、女性はこんな雰囲気に弱いのかもしれない。

最初にギター・ソロについてだが、Steve Lukatherを平淡にしたような雰囲気で、基本的にはメロディをなぞるだけだが、終盤の盛り上がりなどはさすがだ。きれいにまとまっていて、この曲をプレイする場合、ほとんど同じラインを弾くかまったく別のソロにするかになるだろう。ほどほどに崩すというのはやりにくい。

では曲を細かく見ていく。例によってキーは分からないから仮に「A」として考えてみる。
まず、シンプルなイントロだが、「A」「E」までは良いとして、次の「G」「F#」というところが早くもせつなさを表現している。特に「F#」時の1音目の「B♭音」が最高だ。次の「E」の直前のコードは何だろう。「A#dim」のような音だ。

最初のヴァース。「A」「AM7」「Em」「F#」「Bm」「Dm」「A/F#m」「E」といった進行。「Bm」から「Dm」へ進む部分の転調がまた美しい。いや、1小節だけなので転調とは言わないが、「Dm」時の「F音」が美しいのだ。「Saw you standing there, I didn't know I cared」の部分の「didn't」の音だ。

そしてサビだ。コード進行は「A」 「C#」 「F#m」 「B」「Bm/E」「C#m/F#m」「D」「E」。2回目は最後が「D/E」「A」と変わる。
この中では「C#」のところが甘い感じ。「C#m」ではないところがラブ・ソング。美しいのはその後だ。歌詞的には「Illusion are~」の部分で、ここからは半小節ごとにコードが変わる。最初の小節が「Bm/E」だが、この「E」が美しい。「E9」にした方が「DonE」っぽくてもっと美しいかも。つまり「DM7/E9」のような響き。続く2小節目の「C#m」 「F#m7」は更に盛り上がる。この2小節だけで曲の良さは充分に堪能できるというものだ。

更には、サビのところで、和音を補強するようにアルペジオ(というにはかなり音数が少ないが)のような音使いで盛り上げる。これがかなり効果的。例えば最初の「A」のところは、コードトーンである「E音」「A音」「C#音」と来て、次のコードトーンである「F音」を伸ばす。「C#」が「C#m」でない音がこの「F音」だ。これを強調することで甘いムードが高まるというアレンジだ。

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