2003年11月7日金曜日

Hannibal

Miles Davis [ M.Miller ]

ジャズの帝王・Miles Davis初登場だ。ジャズはそれほど詳しくないが、Milesのトランペットが最高なのは分かる。たんなる楽器とは思えないほど様々な表情があり、とても雰囲気がある。トランペットとジャズというと、どうしても夜のイメージ、酒場のイメージになるが、私にとっては、Mailesの演奏は朝のイメージにも夕暮れのイメージにも解釈出来るものが結構ある。
Miles最後の来日の時に伊豆で観たが、あの時は夕暮れ時だったから、その印象も強い。もの凄い存在感だったなぁ。

私にとってジャズという音楽は、とても音楽的にテクニカルで難しい音楽だ。クラシックと比べてもずっと複雑な和音の響きがあるし、音の使い方も独特だ。
しかしMilesの奏でるメロディはとてもメロディアスだ。テクニカルでないという意味ではない。とてもテクニカルであり、かつメロディアスなのだ。

この曲は晩年の1989年のアルバム『Amandla』(彼の最後の作品)に入っている曲だ。それほど有名な曲ではないだろうと思う。しかしカッコいい曲だ。

まずベース、ギター、ドラムで始まるのが良い。イントロだけならジャズかフュージョンかロックか分からない。リズムが気持ち良い。ベースのシンコペーションが最高。そこへあのトランペットが入って来る。ハネたシンセに対し、ゆったり伸びやかなトランペット。次第にメロディがからまっていく。

長いソロの後、終盤でのトランペットとサックスの掛け合いは凄い。全く違う音色、雰囲気。サックスが聴こえる時は「サックスっていいな」と思い、トランペットが聴こえる時は「トランペット最高」と思う。両者のフレーズの隅々まで聞き耳をたてたい。フェイド・アウトする最後までエモーショナルだ。

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