2003年12月24日水曜日

Happy Xmas

John Lennon [ J.Lennon ]

キリスト教の国でもないのに、クリスマスの季節になるとあちこちでイルミネーションがとてもキレイだ。ロマンチックな雰囲気が溢れる。
この曲の中にも「so happy Xmas, and happy new Year」と出て来るように、欧米では「クリスマス休暇」のようにしてクリスマスと新年を祝う。しかしなぜか日本では12月24日がメインで、25日が過ぎれば完全にクリスマス気分は終わり、新年を迎える体勢に切り替わる。今度は和風な感じだ。

この曲で歌詞で印象的なのは「War is over if you want it」の部分だろう。まったくその通りで、あなたが望めば戦争は終わる。「あなた」とは、ある特定の一人ではなく、誰かにとっての「あなた」であり、それは複数いる。英語で「you」の複数形も「you」なのに感心してしまう。
戦争を望む誰かがいるから戦争が起こるのだ。イラク戦争のあった今年はこれが実感出来る。しかし、人類と戦争は切っても切れない関係なのかもしれない。
いやいや、「人類」などと言っている間はJohnのメッセージを分かっていないことになる。それではまるでひと事だ。「私は戦争を望まない。あなたは?」これを繰り返し、ずっとつながっていけば、やがて「Happy Xmas」ということになる。

先日発売されたJohnのビデオクリップ集のDVDにこの曲のものもあったが、あまりに悲惨な戦争の映像に、思わず目をそむけたくなった。しかし、目をそむけようとも、これが現実なのだ。現実である以上、「目をそむける」「忘れよう」というような行為は逃げにすぎず、偽善者と呼ばれても仕方がない。まずは現実であることを知り、何が起こっているかを考えることから始めなければならないと思った。それがJohnのメッセージでもあるのだろう。

曲の冒頭でJohnとYokoがささやいている。前妻、前夫との子供に呼びかけており、「複雑な事情があってもクリスマスを祝おう」ということなのだろう。

演奏で印象的なのはマンドリンだ。たくさんのコーラスが出て来る壮大な曲だが、このマンドリンのおかげで素朴な感じもして良い。

エンディングまでしっかり収録されているバージョンは意外に少ないようだが、当初からのバージョンは感動する。長いリフレインが終わって演奏が終わって、拍手や歓声が聞こえるのだが、その中からやがて「Happy Xmas」の大合唱へと変化していく。

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