Yngwie Malmsteen [ Y.Malmsteen/J.L.Turner ]
ハードロック/ヘヴィメタル界のスーパー・ギタリスト・Yngwieの初登場だ。知らない人のための簡単に紹介するが、まずこの名の発音だが、カタカナ表記ではよく「イングヴェイ」と書かれる(実際の発音とは微妙にニュアンスが違う)。スウェーデン出身なので、おそらくそちらでは普通の名前なのだろう。
1980年代中盤に登場した超ハイテク・ギタリストで、凄まじい限りのスーパープレイで世界中を早弾きブームにした。クラシック音楽からの影響を曲に大胆に取り入れ、叙情的かつ劇的な曲が人気を呼び、ギタープレイもまるでオーケストラの第一バイオリンのような演奏ぶりだ。
ただ、クラシックの影響を強調してはいるが、基本的には根っからのロック人間で、当然のことながらクラシックよりもロックからの影響の方が圧倒的に多く、優れたロック・ギタリストであることは言うまでもない。
この曲はアルバムのオープニングを飾るアップテンポの曲で、スピードメタル系の曲に通じるものがある。が、そこは彼の曲、かなりメロディアスで、単に勢いだけの曲ではない。スローにして、ピアノとかアコースティックの曲にしても通用する美しい曲でもある。
また、サウンドも素晴らしい。特にギターの音は、ストラトとマーシャル・アンプだろうが、暖かみのある太い音で、それでいてクリアで極上だ。
圧巻はやはりソロだろう。ギターとキーボードの掛け合いになっているが、出だしのギターの超速フレーズなどは全ての音を聴き取ることすら困難なほど早い。かなり早いテンポの曲にも関わらず6連符が続くので、1小節で24音もある計算になる。音的にはコードトーンにトップの音だけがメロディとして変化するものだが、とにかく早い。しかも直後には2拍ごとにオクターブ違いとなる。ギターで言えば、この早いテンポの中で一挙に12フレットもの大移動が要求されるという恐ろしいフレーズだ。これがこれでもかというほど出て来る。ライブではこれをYngwieはアクションを決めながら余裕で弾くわけである。
もう一つ圧巻なのはエンディングだ。ギターとキーボードのユニゾンによるフレーズだ。これも先程のソロほどではないにしろ、かなりの早さの上、キーボードと合わせなければならない。実質、不可能に近い。しかし、このフレーズに続いて、最後の3つのコードが「ジャ、ジャ、ジャーン」と決まると、交響曲のエンディングのようで最高にカッコいい。
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