2003年12月5日金曜日

Piece Of My Heart

Janis Joplin [ J.Ragovy/B.Berns ]

偶然テレビでこの曲の一部がかかったのを耳にした。久しく聴いていなかったので、とても懐かしくなった。

私にとって、Janis Joplinというとブールズの女王という感じだ。
ブルーズという音楽を味わうポイントは音楽的にも感覚的にもいくつもあるが、Janisを聴いて一番感じるのは、ものすごい説得力だ。論理的に説明して説得するのではない。心を訴えるようにして説得するのだ。

前々から「Janisっていい女だな」と思っていた。私がまだ1歳になったばかりの頃に死んでいるので、当然、会ったこともないし、性格も知らないし、特別美人というわけでもない。それでも「いい女」という言葉がピッタリのように思う。
歌詞の内容については今回は触れないことにするが、久しぶりに聴いてみてどこから「いい女」というイメージに結びついていくのかが分かった。

歌に説得力があるのは、圧倒的なパワーと太い声でたたみかける部分と、笑みを浮かべながら語りかけるように歌う部分のバランスやコントラストが絶妙だからだ。
この曲の場合、「Come on, Come on」の部分が前者で、その直後が後者だ。
前者は女性としての生き方や凄み・重みを感じさせ、後者は優しさや包容力を感じさせる。女性は子供を産むし、子育ても父親より母親の方が子供に近く愛情を注いでいるように感じる。誰もが母親から産まれ、母と子の絆は絶対的なものであり神秘的なものでもある。そういう偉大さを感じさせつつ、女性としての可愛いらしさ、優しさもあわせ持つ。これは顔の形やスタイルのことではない。 この2つを持った女性は、誰でもとても魅力的なのではないだろうか。男が絶対に叶わない圧倒的な母性を感じさせるということだ。
母の大きさと恋人の可愛さがあれば、それは男にとって「いい女」としか言いようがない。

そんなJanisは27歳の若さで孤独に死んでいってしまった。

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