2006年3月1日水曜日

Turandot "Nessun Dorma"

Giacomo Puccini [ Giacomo Puccini ]

この曲を初めて知ったのは、何とロック・ギタリストが使っていたことによる。ドイツ人のUli Jon Rothが『Prologue To The Symphonic Legends』の中の「Brdge To Heaven」という曲がそれ。超高音が出る特注のギター・Sky Guitarで見事なギターを聴かせている。ヴォーカルも見事ながら、大胆でパワフルな部分と繊細で美しい部分をロック・ギターならではで歌い上げていて感動的だ。

トリノ五輪のフィギュア女子の荒川静香選手、本当に美しい演技だったし、この曲はピッタリ。フィギュアであそこまで感動したのは初めてだった。何も金メダルだったから感動したのではない。本当に美しく感動的だったからだ。4回転ジャンプとか高速回転といった大技に注目が集まりがちだが、荒川選手の演技は総合力の勝利。他の選手の時は「テクニック的に凄いなぁ」とか「ジャンプ失敗するなよ」と思いながら見ていたものだが、荒川選手の時は「美しい」と思った。細かなテクニックは素人にはよく分からないが、とても優雅だったし、この曲のイメージにピッタリだった。
大きな感動はこの曲の力によるところも大きいだろう。確か、開会式にも使われていたと思う。イタリア人にとってはかなり重要な曲のようだ。

20世紀初頭のイタリアの作曲家・Pucciniのオペラ曲で、アジアを舞台にしたものだから比較的有名だと思う。紫禁城(中国)のトゥーランドット姫が求婚者に難題を与え次々に死刑にし、男性へ復讐する。しかしタタールの王子・カラフがすべての難題を解き、その情熱で姫の頑なな心を開き、姫は初めての愛を知るというストーリーだ。中国名は『杜蘭朶』だそうだ。

この『Nessun Dorma』というのは「誰も寝てはならぬ」という意で、カラフがすべての謎を解いた後、尚も結婚を拒否する姫に対して、自分の名を当てたら潔く死を選ぶという王子(カラフ)からの謎を解くために、民衆みんなで名を調べろという命令のため「寝てはならぬ」ということになる。
王子の名を知る、召し使いの少女が拷問を受けるが、少女は衛兵の剣を奪い自刃。その少女の王子に対する想いを目の当たりにした姫が心を開く場面だ。

感動的で壮大な曲に、荒川選手のイナバウアー。イナバウアーは大した得点にはならないそうだが、ゆったりと優雅に決める姿がまさにトゥーランドット姫のイメージだ。

ちなみに、この物語のオペラはもう一つあって、有名なピアニストのFerruccio Busoni作のものもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿