2018年8月21日火曜日

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川本真琴 [ 川本真琴 ]

この曲をレズの歌だという説もあるらしいが、どういう解釈をしているのだろう?「神様は何も禁止なんかしていない」で禁断の愛を連想し、「男の子になりたかった」という部分で両方女なのか?ということになるのかもしれないが、もうちょっと歌詞を読めば、ストレートな愛の歌だということは明らかだ。

この曲を聴いて最初の印象は「早口で詰め込み型の歌詞だな」というもので、その反動で「愛してる」連発の部分がとても印象的だ。そのうちに数回聴いているとだんだん歌詞が理解出来てきて、全編情熱的なラブソングだということが分かる。
歌詞の表現も独特で、「境界線みたいな体がじゃまだね」「半径3m以内の世界で」のようなものは、一瞬「ん?」となるが、すぐに「ああ」と納得する面白さがある。

音楽は、まずイントロでギターのカッティングから始まる。カッコいいロック・ソングかと思わせるもので、「E9(5弦→2弦に順に7,6,7,7F)」と「E7(2弦のみ9Fにする)」とちょっとしたオカズで出来ている。

続いて登場する彼女のヴォーカルだが、アイドル系かと思わせる雰囲気があるのに、聴けば聴くほど上手い。まずリズムが素晴らしいから歌だけでノレる。それに楽しい。例えば「唇と唇 瞳と瞳と手と手」の部分の最初のアクセントになっている「くぅ」の部分など、思わず一緒に歌いたくなるし、歌えると嬉しくなる。

これだけリズムよく歌うのはとても難しいし、最近は機械のように歌うのが流行り(?)みたいだが、このように歌えると歌っている方も聴いている方も楽しいものだ。
それから歌の表情が豊かだ。一番分かるのは2回目の「愛してる」のところで、それぞれに表情が違う(特に3回目)。恐らくレコーディング中に歌いながら感情移入してのものだろう。

曲を見ていくと、コード進行も結構ヒネってある。歌の最初から下降するパターンだが、人気曲によくあるパターンと同じにならないように工夫してある。「E」「EonD#」「EonD」「A」「AM7」「D7」「C#m7」「F#7」となる。ヴォーカルラインも半音上がっていくような感じになっていて面白い。これをもう一度繰り返した後の早口で畳み掛けるような部分は「C7」「D7」「E」「E」「C7」「D7」「AM7」「A7」「F#7」「G#7」。この曲に限らずだが、キーが「E」の曲での「C」の使い方が好きだ。「AM7」「A7」のところも面白い。
で、サビ。出だしと似ているが少し違う。「E」「EonD#」「EonD」「EonD」「A」「A」「F#7」「G#7」となり、「E」「EonD#」「EonD」「AM7」「A7」「G#7」「F#7」「C7」となってイントロの「E7」に戻る。また「AM7」「A7」が出て来て、この部分のベースがカッコいい。

全体的にすごく音楽的レベルが高い人が作ったんなという印象。素晴らしい。

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