2018年10月26日金曜日

Friday On My Mind

The Easybeats [ H.Vanda/G.young ]

60年代のオーストラリアのバンドの曲。作曲のジョージ・ヤングはEasybeatsのリズム・ギタリストだが、ヤング4兄弟の長男。3男のマルコムと末弟のアンガスはAC/DCのギタリストとして有名。もう一人の作曲者・リード・ギターのハリー・ヴァンダもジョージとともにAC/DCのデビュー・アルバムをプロデュースしている。

そのEasybeatsの66年の曲がこの曲。60年代らしくビート系で、今聴くと結構時代を感じさせるものがある。映像も見たことがあるが、ヴォーカルのスティーヴィー・ライトが、ニヤケつつ余裕こいて歌っているように見せているのがちょっと気に食わない。ジョン・レノンの余裕感やオチョクリ感を出したいのかもしれないが、こちらは何となく小物感になっているような・・・。
曲自体は結構カッコいいのだが、アレンジがダサく、ヴォーカルもリズムに乗っていないので下手クソに聴こえる。ワイルドな勢いは感じさせるが、ちょっと外している感じ(The Whoなどもこれに近い雰囲気を醸す時があるが)。
出だしのギター・リフなどは1度5度を連発しているだけだが、結構斬新に聴こえる。アメリカっぽさは全然なくて、少しイギリスっぽいかなという感じだが、メロディも結構凝っていて独特のセンスを感じさせる不思議な魅力もある。

もう少し曲を見ていこう。独特のメロディは、ハーモニックマイナー・スケールで成り立っているからで、この時代にはほとんど聴かないものだ。偶然見つけたのか、勉強の賜物なのかは不明だが、これも斬新だ。そしてギターもこれを強調するようにメロディを弾いている。出だしのギターがシンプルなだけに、当然展開するようにハーモニック・マイナーが出て来ると曲の広がりが強調されるようだ。
もう一つのポイントはマイナーからメジャーへの露骨な変換だ。例えば「Am」の時に「ミファミレミレドシ」と来て最後に「ド#ー」と伸ばす印象的なメロディだ。最後の音以外はマイナー・コードの中でのマイナー・スケールだが、最後に3度の音が来るようにしてメジャーを強調する作戦。

歌のバックの印象的なリズム・ギターのタブ譜を載せておく。イントロは出だしと一緒だから省略してあり、いきなり歌の出だしからだ。(あくまで「オジナルが弾いている通り」ではなく、「私が弾くならこう」という感じ。例えば後半の「A」や「Dm」のところは弦飛びで違うポジションで弾いている可能性もある)
いくつかポイントがあるが、まずはコードが「B7」のところで、クロマチックに降りていくところが面白い。この時リード・ギターも印象的なフレーズを弾いている。3段目の「A」のところからはハーモニック・マイナーのメロディと絡んだフレーズで面白い。
最後の2小節は合わせるところだが、結構ダサく感じる。「C/E」のところの2拍目と4拍目の音が分からなくて悩んだが、最近休符だと知った。鳴っているのは他の楽器だったのね。



テンポがかなり早いので、意外にもテクニカルだ。ちょっと早過ぎな感じもして、そのためにヴォーカルが乗れていないのではと思わせる。

ざっとコード進行を抑えておこう。歌が入ってからはタブ譜の通りだが、「Em」「Em」「A」「D」「Em」「Em」「A」「D」「G」「G」「B7」「B7」となり、後半が「Em」「Em」「Am」「Am」「A」「A」「Dm」「Dm」「Dm」「Dm」「C/E」「AF#/BE」となりサビへ行く。サビは「A」「A」「C#m」「C#m」「A」「A」「C#m」「C#m」「D」「D」「F#7」「F#7」「Bm」「Bm」「D」「D」「B7」「B7」「D」「D」「A」「A」「E」「E」「Am」「D」「E」「Em」という感じ。結構長いが、テンポが早いので、普通の曲の1小節分で2小節くらいある。

ミュージシャンには結構人気の曲のようで、David BowieやBruce Springsteen、Gary Moore等がカヴァーしている。

一応、UKロックに分類しておこう。オーストラリアのバンドではあるが、オーストラリア人は一人もおらず、メインはイギリス人だから。

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