2003年9月16日火曜日

Cowboys From Hell

PANTERA [ PANTERA ]

個人的許容範囲の中でももっとも過激で激烈なバンドがこのPANTERAだ。それまでのメタル・ミュージックのMetallicaとかJudas Priestといったバンドも充分過激だが、このPANTERAは更に上を行く。最高にヘヴィで最高にエネルギッシュなバンドだ。
どんなにヘヴィで凄まじい音楽であっても、音楽の基本であるリズム、メロディ、ハーモニーがなければ嫌なのだが、これ以上ヘヴィなバンドになると最も重要なボーカル・メロディが消えてしまうので受け付けない。
PANTERAも時折同様になるが、基本的にはシャウトしていてもメロディはある。

この曲のカッコ良さは、まずはイントロだ。この手のエネルギーの塊のような曲は、イントロからぶっ飛ばさないことには始まらない。機械的なリズムの中に入り込んで来るギター。来るぞ来るぞと身構えていると、突然フルでベースやドラムが乱入する。最高にカッコいい。何も考えずに「ウォー」と叫びたくなる。
とにかく大音量で聴くべきだ。「元気が出る」なんてものではない。体の内側からエネルギーがほとばしり、アドレナリンが体中を駆け巡る。

ザクザクと刻まれるギター。最高のリフに最高のサウンド。歪みが大きいが、たんにエフェクトで歪ませているだけではこの音は出ない。もちろん、中音域を削り、ハイとローを持ち上げたいわゆる「ドンシャリ・サウンド」で、V字になるイコライジングで作るのだが、それ以上に強くて正確なピッキングが必要なのだ。「ヘヴィで激烈で過激なバンド」と言うと「粗っぽくて雑で下手クソ」とイメージする人もいるかもしれないが、それは大きな間違い。かなりのハイレベルな演奏技術、サウンド技術が必要なのだ。

ギター・ソロではリズムが落ちて聞かせる構成になっているところがにくい。意外にもギターの歪み度は低く、ザクザク感のあるリフとはまったく違うサウンドだ。背後のバッキングと比べるとよく分かる。
Dimebag Darrellのギターは本当にカッコいい。どんなにワイルドに弾いてもリズムは正確で音も乱れない。それはソロでも同様だ。

弾くこと以上に重要で、かつ難しいのは休符だ。休符部では存在を消すかのごとくピタッと音を止めなければならない。多少でもヘヴィ系バンドをやったことがある人なら、大音量での休符がいかに難しいことかご存知だろう。

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