2003年11月17日月曜日

The Chance

Helloween [ R.Grapow ]

Helloweenといえば、疾走感のあるヘヴィメタル・バンドというイメージが強い。この曲もそういう要素を含みつつ、しかしサビはかなりポップだ。このあたりがHelloweenの魅力なのだろう。

曲は、この時点では新加入のRolandによるものだ。何と言ってもサビのハイトーン・ボーカルが気持ち良い。一番高くなる音が非常に良い。かなりの高音だが、ボーカルのMickael Kiskeは楽々と出している。というか、まだまだ余裕がありそうだ。終盤では転調して更に音が上がる。

Kiskeはこの声を維持するために、ジョギングや腹筋を欠かさないそうだが、ここまで来るともはやボーカルも体力とパワー勝負であり、スポーツに近いものがある。たんに鍛えた体でないと音が出せないというだけではなく、ロック音楽には、行くべき時は怒濤の猛攻撃、そして耐えしのび徹底的に抑える部分などが存在するが、これなどもスポーツの試合に通じるものを感じる。

Rolandの曲だから当然、ギターソロも彼だろう。しかしサビのメロディが良いせいか、ギターソロにはあまり魅力を感じない。やはり気持ちの良いハイトーンのボーカルがあってこそだ。

ところが後にKiskeが脱退し、バンドの存続も危うくなったことがあるのだが、その時はPink Cream 69の大黒柱・Andi Derisを新ボーカルに迎えて再スタートするのだが、この直後のライブで演奏されていたAndi版「The Chance」は・・・、高音は一瞬だけ無理に出している感じがアリアリで、非常にツライものになってしまっているのだ。頑張ってはいるのだが・・・。Andiも見栄えのするライブが得意なボーカリストなのだが、こういう曲は単純に歌の実力がないと厳しいのだなと痛感させられてしまった。と同時に、Michael Kiskeの歌の上手さには改めて敬意を表したい。

ところで、作曲者のRolandといえば、Kai Hansenの後釜でHelloweenに加入したが、Kaiは元ボーカルだっただけに歌の面でも非常に貢献度が高かったが、そのKaiを失ったのはバンドにとっても痛手であった。と思ったら、このローランド、Kiskeからのレクチャーもあり、Kai以上に本格的なハイトーン・ヴォーカリストに変貌した。

Andi加入後のライブ・アルバムでもそれが聴ける。Andiとしては、同じバンドに自分以上の太くて高い音の出せるヴォーカリストがいる状況ってどうなんだろう・・・?

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