2019年5月9日木曜日

ひばりのドドンパ

美空ひばり
[ 米山正夫 ]

1961年の曲。Beatlesより古い時代の曲だ。
「ドドンパ」というのは曲のジャンルというかリズムの名前でマンボとかシャッフルに近い感じのリズム。

美空ひばりというと様々なジャンルの曲を歌える幅広さが凄いと思っているが、この曲も本当に素晴らしい。

まずリズムの乗せ方が上手い。この時代の日本の他の曲を聴くとリズムに乗っていない歌い方をしている歌手が非常に多いが、この曲の美空ひばりは完璧だ。リズムの取り方がちゃんとしているのだろう。

そして、声質だ。太くて倍音を多く含んだ声が素晴らしい。この声こそが美空ひばりが女王である要因であろうが、私は演奏が好きなので曲の中で歌は何分の1かの比重しかないのだが、美空ひばりだけは歌だけあれば充分聴き応えを感じる。音程も素晴らしいし。
そういえば、80年代のラジオ番組の中で「White Christmas」や「Highway Star」をアカペラで歌っているのを聴いたことがあるが、本当に素晴らしかった。「Highway Star」なんて絶叫型ハードロックで、ジャンル違いも甚だしいがあの声ならハマるのだと驚いたことがある。

この曲での「ドドンパ」の部分の最初の音は力感を込めた歌い方をしている。演歌のコブシの掛け方とも通じるような感じがするが、少し違う。この時代の少し前、50年代の黒人ロックンローラーがやりそうな感じだ。

美空ひばりの人生を見ると何となく理解出来る気がするが、古いジャズやブルーズ、そしてロック等も取り入れているのだろうし、リズムの取り方も血の中に入っているのだろう。

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